郡上長良の亀尾島川  郡上で楽しむ 渓流・鮎釣り

和良川漁協の努力の結果!黒字転換!

 赤字経営で苦しんでいた数年前から、V字回復で黒字に転じた漁協がある。岐阜県郡上市和良の和良川漁協だ。象徴的シーンがあった。10月30日に「道の駅和良」で開かれた「和良鮎(あゆ)まつり2016」(和良フェスタ実行委員会主催)。県内外から訪れた300人のお目当ては和良川ブランドのアユ。塩焼きコーナーでは終日、長蛇の列が絶えることがなかった。全国的に赤字漁協が増えるなか、同漁協の大沢克幸副組合長(44)に赤字脱却までの軌跡を聞いた。 (中日釣ペン・餌取春義)

                   

       

 グランプリ(GP)3回、準GP5回−。今年9月の「清流めぐり利き鮎会」でも準GPを獲得した和良川。今や「和良鮎」ブランドとしてその名は全国にとどろいている。
 「和良鮎まつり2016」は、和良鮎の塩焼きをメインに、甘露煮やご飯、地元特産品などの食コーナーやステージイベントで大盛況だった。なかでも塩焼きコーナーは朝から長蛇の列。何と最後尾2時間半待ちが終日続いていた。
 塩焼きは大中小の3サイズから選べる。大は130〜170グラム、26〜29センチの特大サイズで1匹1500円。郡上市内の料亭だと3000円。半額設定とあって断トツの1番人気を誇っていた。最終的に約3000匹のアユが売れたというから驚きだ。全長9キロの小規模河川で育ったアユが、なぜこれほどグルメをうならせるのか。広葉樹林帯の川相に由来する抜群の水質と良質なアカに要因があるとされる。
 それでもわずか数年前までは赤字経営だった同漁協。大沢さんが苦悩していた姿を私も知っている。以前は長良川などのメジャー河川に比べ、知名度が低かった。解禁当初は釣れるがそのうち釣れなくなる、友釣り期間が短い、年券購入者が少ない、高齢化で組合員も減少傾向−。そんな悪循環だった。
 「きっかけは利き鮎会でした」と大沢さんは振り返る。2002年に県内で初となるGPを受賞し、和良川の名が全国に知れ渡ったのだ。これを機に赤字から脱却しようと、漁協は次々と改革を断行していった。
 網解禁を8月16日から同月末とし、9月16日までの友釣り専用区を設けたのもそう。6月末だった解禁も、同月第1週に特別解禁する方式に切り替えた。ちなみに今年の特別解禁は、過去最高の約600人が竿の放列をつくった。これで以前は実質1カ月半しかなかった友釣り期間が、3カ月半に伸びたのだ。追加放流は最初、有志のカンパで行ったが、好結果が出たことで翌年からは漁協が実施している。
 利き鮎会ではその後もGP、準GPを繰り返し獲得し、その回数は計8回。ブランドイメージがますます定着するなか、最後の決め手として打ち出したのが、和良鮎を守る会が釣果のアユを買い取ってくれるシステムの充実だった。高級料亭にも出回るブランドだけに高値で売れる。これが釣り人にとって大きな魅力になっているのは言うまでもない。
 これらの改革が功を奏し、3〜4年前から黒字へ転換した。「今年も年券購入者が昨年比3〜4割増しで黒字の見通しです。減少傾向だった組合員ですが、辞めた組合員が復帰したり、和良への移住者が増えて組合員になってくれたりと、賦課金収益もアップしています」と大沢さん。
 料亭での和良鮎人気はすごく、東京をはじめ遠くは北海道からも料理人が和良に訪れ、良さをその目で確かめた上で納得して使ってくれているという。一般的には大アユより小さめのアユの方が美味とされるが、大沢さんはキッパリ言い切る。「違うんです。卵を持つ前の8月の大アユが一番おいしいんです!」。鮎まつりでの大サイズの人気ぶりも、その裏付けといえよう。
 釣って楽しく、食べておいしい、そのうえ売れる−。釣り人にも網漁にも偏ることなく、皆が楽しめる形態を確立した漁協の功績は大。ほかの漁協にも貴重なモデルケースとなるはずだ。今後の展開については「女性、子供、初心者の特別専用区を設け、釣り人口の増加につながればと考えています」とのアイデアを明かす。
 今年の放流量は追加放流300キロを合わせて1400キロ、うち1100キロが琵琶湖産。出荷場に持ち込まれた琵琶湖産は約2万匹だった。
          中日スポーツ  11月10日付より

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