Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

スイセイミュージカル「楽園」

2015-02-18 | 映画・テレビ・演劇・芸能

 2/10(火)、前日から降り続けた雪は少し小止みになったが、かなり積もった。高岡文化ホールの駐車場の雪はどうだろうな~と思いながら早めに家を出た。係の人も劇団の人も高岡公演の2日間は大変だったことでしょう。画廊「七本杉」のTOさんも、前日朝から搬入の仕事だったそうだ。

 この日は、劇団スイセイミュージカル「楽園」の公演、2日目。↓は、文化ホールの前庭。             

  ↓ 入り口のポスター。 外は雪景色だが、ここは常夏の国、ハワイ。              

 ↓ チラシの裏です、結成20年目のスイセイミュージカルのオリジナル作品で、「国産ミュージカルの最高傑作」と謳われています。何度も現地への取材を重ねて完成しました。          

  ↓ Wキャストもあるので、当日の出演者の名前が掲示されています。 

  ↓ 開演前に7,8名の団員によるフラダンスがロビーで披露され、ムードが盛り上がります。           

  《ストーリー》 時は現代。大学でハワイ史の講師をしている佐々木亜矢子は、来春出版する本の取材のためハワイへやって来ます。取材とともに、亜矢子にはハワイでどうしても知りたいことがありました。それは、子どもの頃からよく見る夢についてでした…。
 ある日亜矢子は、ハレイワにある老人施設を訪ねます。そこで出会ったのは、日系2世の女性、治子。治子は亜矢子に懇願され、重い口を開き、70年前にそこで起こった悲しい出来事を語りはじめます。

 時は遡り、1941年ハレイワ。日系2世の星司は、生まれ育ったハレイワの街で家族と共に平穏な毎日を過ごしています。ある晩、森に出かけた星司は、ハワイアンの美しい女性、レイラーニに出会い、恋に落ちます。が、刻々と戦争の暗い影が忍び寄って来ます。三国同盟が結ばれ、日本がアメリカと戦争をするらしい、と言う新聞のニュースに日系人たちの不安は募ります。戦争になれば日系移民はどうなる?2世たちはアメリカ国籍を持っている…、米軍に入隊し日本人と闘うことに…。
 そして突然の真珠湾攻撃です。舞台では閃光と爆撃音だけ。が、アメリカ艦隊だけでなく、ハワイの住民たちも日系人家族も死ぬのですね。その後の二人の恋人たちと家族の運命は悲しいものでした。ハワイアンも日系人も、その他の住民たちも戦争に巻き込まれます。老人施設で、兄や父母、レイラーニとその家族の悲しい物語を語った治子は、星司の妹だったのです。
 星司とレイラーニの清らかな恋は、ちょうど「ロメオとジュリエット」や、能「女郎花(おみなめし)」のように二人の死で終わります。二人ともハレイワの海へ身を投げて…。

 歴史の教科書では、「12月8日は真珠湾攻撃」とだけ習う。7年前に「アリゾナ記念館」を訪ねた時は、今も海底に沈む戦艦アリゾナの姿を眺め複雑な思いをした、と以前も書いた。一緒に観劇したSEさんは、ご主人との旅行で「ミズリー記念館」も訪ねたそうだ。私たちは、真珠湾に浮かぶミズーリー号は眺めただけで中には入らなかった。いつの戦争も、どこの戦争も同じだが、ああ、ここでもたくさんの住民たちが命を落としたのだ、と改めて思いを深くした。

 歌(ソロもデュエット)もダンスも素晴らしかったが、音響が大きすぎるように思った。後の席だったので顔が見えないね、と言っていたら、前席のMiTUの友達がオペラブラスを貸してくださった。

 ↓は、劇団のブログから。左は、楽屋に飾られた手作りひな人形。右は、花束を持つ星野真衣さんと金子昌代さん(たぶん)。いずれも高岡会場での写真です。