Three Giants/Art Tatum・Benny Carter・Louis Bellson
(Verve MGV-8013)
(Verve MGV-8013)
グランツは本当にたくさんのジャズメンを傘下におさめ、いろいろな組み合わせでたくさんのレコーディングを行っています。グランツがどういう意図で種々の組み合わせを行ったのか、今となっては知る由もありませんが、今日すこし稀有とも感じられるメンバー構成でも確実にジャズの遺産として残り、我々を楽しませてくれます。本日アップのアルバムもそんな一枚だと思います。
当時は、今ほど神格化されていなかったであろうアート・テイタムのピアノに、美しい太いアルトの音色のベニー・カーター(他にもテナー、クラリネット、トランペットでも有名ですよね)とアンダーレイテッドドラマーのルイ・ベルソンと言う変則トリオのアルバムです。変則に思われるのは、通常のフォーマットなら絶対いるべきベーシストがいないのです。ここではピアノ-アルト-ドラムの3人で何の違和感もないスィンギーなジャズが展開されていきます。A-1のMy Blue Heavenに始まりBlues In B Flat, そしてStreet of Dreamsと連なる演奏ではテイタムの華麗なピアノ、カーターの美しいアルトの音色を充分に楽しむ事が出来ます。B-1のS'Wondfulのカーターのソロ、それに続くテイタムのラグタイム風のソロも印象的ですね。こうやって聴いてみるとベニー・カーターと言うプレーヤーは本当に好不調の波が少なくどのアルバムでも美しいトーンで流麗なソロを聴かせてくれ、当時ジョニー・ホッジスと人気を2分したのもうなづけます。
Verveのクレフシリーズ、モノラル、トランぺッターレーベルです。カバーもトリオの顔写真のアップからなりますが、デザイン的には秀逸と言うわけでもないですが茶系トーンの好ましいカバーだろうと思います。
この編成で思い出したのが同じVerve(Clefでしたか?)のレスター・ヤングのトリオ盤です。こちらはナットコールのPにバディ・リッチのdsで聴いている分にはベースレスというのがあまり気になりませんでした。ご紹介盤もテイタムとベルソンならそんなに違和感ないでしょうね。自分の場合ドラムレスの場合何故か落ち着かない気がするのですが(笑)
内容は全くそのとおりで、余裕の中にも、実は必死さがあったように思いますねぇ。
それがジャズの醍醐味だと思います。
これって今だお目にかかった事がない盤です。手に入れたいと思うのですが、盤質がいいのは、まずないでしょうね?!
あったら欲しいですが、ビックリするほど高価でしょうね(笑)。
やはり所有されてますね。ジャケ買いの一枚との事ですが、この3人だと片面ぐらいなら良いですが両面となるときついかも知れません。彼らのスタイルはいつもコンスタントで好不調の波はほんとに少ないですよね。悪く言えば金太郎飴的かも知れません。ジャケは何となく良いですよね!