Contours/Sam Rivers
(Blue Note BLP4206)
(Blue Note BLP4206)
コルトレーン,モブレイ,ジョージ・コールマンと続いたマイルスグループのサックス奏者は,64年日本公演に合わせてサム・リバースが抜擢されたことは皆さんご存知の通りです。おそらく,この時点でリバースについて詳しい情報をお持ちの方は少なかったのではないかと想像いたします。勿論,リバースもこのトップグループでのプレイを長期にわたり継続できたわけではないです。すぐにウェイン・ショーターにとって変わられてしまいます。このへんの経緯に付いても,自分は詳しく知らないのですが、またご存知の貴重な情報があればご教示ください。
さて本日はこのリバースのBN第2作をアップしようと思います。第1作でテナーのみで極めてアバンギャルドな印象を与えてくれたのですが,ここではテナーのみならずソプラノサックス,フルートを演奏しマルチな才能を披露しています。フロントにはトップ戦線に既に躍り出ていたフレディ・ハバードを加え,リズムセクションはBNのこの時代,新主流派を代表するセット,ハンコックのピアノ,ロン・カーターのベース,ジョー・チェンバースのドラムと言うメンバーです。全曲リバースのオリジナルで各面2曲ずつの構成,A-1でソプラノ,B-1でフルート,残りの2曲がテナーと言う構成です。デビュー作でのフリーっぽい吹奏ではなく,ここではこの時代独特のテンションの高い新主流派的プレイを聴かせます。この時代のハバード,ハンコックの充実度は素晴らしく,グループとしてのビリビリとするような緊張感溢れるプレイに終始し,リバースのアルバムのベストに挙げてよい一枚と思います。
所有盤は,BN、"NEW YORK, USA"アドレスのモノラル盤です。当時の硬派ジャズの代表に加えて良い秀作ですね。
コールマンのソロの時は叩かないなど、かなりなものだったらしいです。
マイルスはトニーにゾッコンで、じゃあ、テナーなら誰にするかと・・・マイスルはジミー・ヒースを呼びたかったらしい、ショーターはJMとの契約が残っていて直ぐにはこれない。
ところがジミーは当時麻薬所持で執行猶予中で演奏旅行に出られない・・・。
トニーが「じゃあ、おれが同郷のテナーを推薦する」というので来たのがサムだった。
1964年7月厚生年金会館で聴いたサム・リバースは事前情報は無かったが、面白いテナーだなと思った。
後で「マイルス イン 東京64」で聴いても中々のソロを展開している。
トニーは前衛方向へ行きたいという気持ちがあって彼を推薦した。
その後、ショーターがJMから移動できるというので直ぐにショーターが事前ボーナス付きで呼ばれた。
64年の世界ジャズフェスティバルで来たのだが、同時に、ウイントン・ケリー+チェンバース+ジミー・コブという、寸前までマイルスにいたリズムセクションがトリオで演奏をした。これも良かった!
サム・リバース・・・大物にはならなかったけど、分かりやすい前衛テナーとでも言おうか・・。
これはタイムリー、まさに的確に自分の知りたかったところを御教えいただきありがとうございます。
そういえば、マイルスイントーキョーのイントロダクションでサムがボストン出身であることがアナウンスされますよね。トニーもシカゴ生まれボストン育ちと言うことらしいですね。
こういった有名になる前のつながりが人選にいかされる,こう言ったところも広いアメリカ,ジャズらしいところかも知れませんね。トーキョーでのサムのプレイ,御指摘のようになかなかいい出来ですね。
どういう訳かBNのリーダー作3枚とサイドとして参加しているLARRY YOUNGの「INTO SOMETHIN'」持ってるんです。GRANT GREENを追っかけていって「INTO SOMETHIN’」にぶつかりそこからリーダー作へと・・・・・。「INTO SOMETHIN’」は大傑作だと思います。リーダー作のなかでは「変てこなスタンダード解釈」が楽しい「A NEW CONCEPTION」かなぁ~。
いずれにせよ2年くらい聴いてません、これから久しぶりに・・・(笑)。
ところが、いざ参加してみれば、マイルスはバンドと距離を置き、ほとんどの打ち合わせをハービーに任せっきり、リバースの曲はあたりまえですが取り上げてもくれない、自由に自分を試すことを期待していたんだと思います。
結局は何をどう演奏して良いのか分からない状態だったようで、
「マイルスのバンドから巣立ったミュージシャンは、音楽よりライフスタイルに魅せられたんだ。」てな皮肉まで言ったとか言わないとか。
帰国後、数ヶ月のオフを取ったマイルスは、リバースを呼び戻すことは無かったわけで、二人の間にはトニー・ウイリアムスを介した共演以上のものは、生まれなかったということだと思います。
ひょっとしたら、マイルスの頭には、スタジオ録音への意欲だけが盛り上がって、そのためにもすでにショーターだけに照準を定めていたのかもしれませんよね。
トニーの顔を立てた当て馬か?
ハードバップ,中間派,ボサ,ジャズロック、コテコテ,ボーカル、オルガン何でも登場させてます。新主流派は確かにあまり頻繁にはきかないですが、少しはあるのですよ。まずフリーとフュージョン以外は何でも飛び出すと思っていてください
しかしながら,このリバースというかハバード,ハンコックを聴くとまず好きになると思います。NOTさん御指摘の例のスタンダード集,以前にアップしています。
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/000e52d1df280452662f2106cd298f32
このアルバムのカバーが最高に好きなんですよ!
まさにbalck beauty!!!
60年代を感じるカバーです。
演奏は断然,このContoursですけどね。
マイルスは最初からショーターしか考えてなかったのですかねぇ?!?!
結構,個人的にはトーキョーのリバースのプレイには惹かれるんですけどね・・・。ショーターの良さって自分にとってはなかなか理解し難い部分があって、そんなに凄いのか?なんていつも思っています。個性が爆発するタイプじゃないし,WRに行ってからのプレイが却って注目されたりして,あまり印象がないのです。マイルスが好き嫌いは別として,結構リバースが個性的で自分は好きなんですけどね・・・。
御指摘のようにこの緊張感が最高なのです。
多分,bsさんと同じような感性で自分が聴いていることに満足しています。
'A NEW CONCEPTION'は演奏も悪くはないのですが,やはりカバーの魅力が大きいかなぁ・・・