67camper's Blog

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1968年、ポピュラーを弾くケリーもいいな!

2007-03-06 00:01:19 | jazz & vocal
Wynton Kelly On 'POWERTREE'
(Powertree Records, PA3142 Jp.reissue)


 1969年,ウィントン・ケリーは39才でその短い生涯を閉じますが,1968年パワーツリーレコードに一枚のアルバムを録音します。「この,アルバムの特異性はどこにあるのか?」なんて思いながらターンテーブルに載せて考えてみました。シングルトーンの右手で鍵盤の右端の方までコロコロとスィンギーなフレーズを出していっては戻り、トレモロ風の3連1拍のこれでもかのようなフレーズは全くもってワンパターンなのですが、これが気持ち良くって仕方がないですね。

 好調なケリーはここでも充分に聴くことが出来ますが、このアルバムで取り上げた曲のコンポーザーのラインアップに時代の流れとこのアルバムの特異性を感じます。A-3の"Say A Little Prayer For Me"(バカラック)、B-1の"Watch What Happens"(ルグラン),B-2の"House of Cards"(エルトン・ジョン)、B-3の"Light My Fire"(ドアーズ)そしてB-5の"Yesterday"(レノン&マッカートニー)がそれです。バカラック,ルグラン、ドアーズ,エルトン・ジョンそしてビートルズ・・・。さすがのケリー好きでも???なんて思うかもしれませんね。この一連の曲は,メロディラインの美しさがまたいわゆるジャズスタンダードとはひと味違いますが、アドリブに入ると,ケリー節が連発されニヤニヤしてくる筈です!正調ケリー節が聴けるB-4の"Kelly's Blues"やA-2とB-4の"Castillian Waltz 1&2"は言うに及ばずですね。メンバーはチェンバースのベースとコブのドラムと言ういつものセットです。

 このアルバムは発掘されたのが遅く,スタジオ録音なのですが、自分的にはチェンバースの音が何故か締まりがないボワッとした録音の印象が強く,購入当初は好きになれませんでした。今回、聞き直して見るとそうでもないし,圧倒的なケリーにノックアウトされてしまいました。ライブラリの中にもお宝ザクザク,買っといてよかったなんて思い苦笑する今日この頃です。