――さあ、みんな、ここにはスパイなんかいない。みんな仲間だ。
――ホンダくん、君からもう一度話してくれよ。今晩はそのために集まったのだからね。
ホンダと呼ばれた五年生くらいの、真っ黒な目をビー玉のようにきらきら光らせた子が口を開きました。
――昨日、円盤を見たんだ。緑色に光ったレンズ形の円盤を見たんだ。それが化学工場の焼け跡の向こうにすうーっと墜ちて行ったんだ。
――ぼくも見た。ホンダくんの言うとおりだ。でも、それを見たときとてもうれしかった。緑の円盤がぼく達を呼んでいるように思えた。
――そう、ぼくも緑の光が墜ちていくのを見た。凄くうれしくて、おかしくて、そしてちょっと悲しかった。
――他に見た者は。
――そうか。三人が見ているのだね。化学工場の先だとすると川向こうと言うことになる。
――探検に行こう。
――あそこは危険だ。グンテツのやつらの縄張りだ。
――それに中川を渡らなければ行けない。
――ぼくは泳げない。
――ぼくは泳げるよ。五十メートルぐらいだろ。
――だめ、だめ。みんなが行かれなければ。
――川を渡るのは無理だ。
――ホンダくん、君からもう一度話してくれよ。今晩はそのために集まったのだからね。
ホンダと呼ばれた五年生くらいの、真っ黒な目をビー玉のようにきらきら光らせた子が口を開きました。
――昨日、円盤を見たんだ。緑色に光ったレンズ形の円盤を見たんだ。それが化学工場の焼け跡の向こうにすうーっと墜ちて行ったんだ。
――ぼくも見た。ホンダくんの言うとおりだ。でも、それを見たときとてもうれしかった。緑の円盤がぼく達を呼んでいるように思えた。
――そう、ぼくも緑の光が墜ちていくのを見た。凄くうれしくて、おかしくて、そしてちょっと悲しかった。
――他に見た者は。
――そうか。三人が見ているのだね。化学工場の先だとすると川向こうと言うことになる。
――探検に行こう。
――あそこは危険だ。グンテツのやつらの縄張りだ。
――それに中川を渡らなければ行けない。
――ぼくは泳げない。
――ぼくは泳げるよ。五十メートルぐらいだろ。
――だめ、だめ。みんなが行かれなければ。
――川を渡るのは無理だ。