ブログ随筆「ちょっと、散歩へ」

    日々の趣味など・・・

「貌」

2018年06月11日 20時47分52秒 | 読書
いわゆる正史も碌に読まずに裏面史の類が好きなのはどうしたものか。テレビのワイドショーなどが盛んに流す「有名人の噂話」に似た〈覗き趣味〉の一種かも知れない。NHKの大河連ドラ「西郷どん」の視聴率が悪く苦戦しているらしい(私も未見)が、「西郷隆盛」人気が現代人に通じないのか。私の中にある〈西郷像〉は司馬遼太郎の『翔ぶが如く』のそれが大半だが、そこでは維新に向かって奔走する理想的な人間像が描かれていた。 . . . 本文を読む

「不可解」

2016年06月06日 19時42分43秒 | 読書
江戸川柳などの時代物を読んでいると、分らない表現がよく出てくる。現代の我々からは想像も出来ない生活環境なのだから、当然と云えば云える。例えばこんな句はどうか。『見附からわさびおろしが出て叱り』。多分、チンプンカンプンだろう。勿論、私も同様であった。解釈を読むと「番人(若党・中間)の履いている袴の菖蒲皮の模様がわさびおろしに似ていて、牛込見附、四谷見附などに居た」と云う。彼らが人の出入りをこ五月蝿く . . . 本文を読む

「また漫画」

2016年02月20日 08時00分00秒 | 読書
句会の部屋の予約で公民館に行った序に、図書館を覗いてみたら、雑誌『サライ』(小学館)で「漫画特集」を組んでいた。タイトルが〈みんな「漫画」で大きくなった〉。思わず(そうだ、そうだ)と心で呟きながら拾い読みしてしまった。昭和27、8年から30年代まで夢中になっていた時代がある。丁度、小学4、5年から中学を卒業するまでか。通信簿にも「漫画の読み過ぎ」と書かれた程。吉 幾三の「テレビも無ェ ラジオも無ェ . . . 本文を読む

「書き残す事」

2016年02月08日 08時00分00秒 | 読書
かつて、TBSテレビのニュース番組で活躍していた筑紫哲也の『旅の途中 巡り合った人々』(朝日新聞)を読んでみた。テレビでも決して弁舌爽やかな方ではなかったと記憶するが、活字でもこなれていないような文章なので、新聞記者上がり? としては意外だった。と云うよりも私の読み方が悪かったのか。〈巡り合った人々〉とは、主として彼が取材した相手なのだが、それは多彩である。その中には、ほぼ同時期に活躍した本田靖春 . . . 本文を読む

「清張日記」

2015年10月23日 08時00分00秒 | 読書
『清張日記』(松本清張・著、文藝春秋)を拾い読みしている。彼の71歳の1月1日からのものである。当然のことながら、死後に発表されることを意識してのものだろうが、晩年の最大テーマである「古代史」を中心とした探求は、専門学者を〈辟易〉させただろう詳しさに溢れている。アカデミックな教育を受けていないと云うコンプレックスを逆の発条にして、学者間ではタブー視されている説にも平気で踏み込み、新しい展開を見せた . . . 本文を読む