脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

はるかな空のかなたに・・・

2014-09-22 22:51:28 | 私の思い 3

  はるかなる 空の高みの なほ高く
     きみはお座すか 曼珠沙華咲く



今日は夫の60回目の誕生日。
19歳で父を失くし
戸主として働きぬいた夫だった

わたしはいま、
毎日9時から17時の仕事でさえ
へとへとになっているが
夫は
毎日、長い時間の労働を続けてくれた
その年月には
理不尽な上司にもあったことだろう
それでも
家族のために
働き続けてくれた

休日でさえ
じっとしていることが嫌いで
なにかしらことことと
家の周りを修理したり
草刈りをしたりしてくれていた

それが終わると
突然に
「ドライブに行こう」と
わたしと子どもたちを誘い
いろいろなところへ連れていってくれた



今の夫のために
わたしにはなにもできることがないということが
わたしを無力感でうちのめす
夫の好物を作ることも
もう二度と
夫がそれを口にすることができないのだと思うと
できない

信仰でも確信でもないが
それでも
来世も無も信じることができないで
すべてに
懐疑的でありながら
どこまでも蒼い空をみていると
はるかな
はるかなところに
夫がいるような気がする


そして
ことしも
秋がやってくる
夫がいない世界でも
時間は確実にすすんでゆく


ひとは
どこにむかっていきてゆくのだろう?