脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

行けなかった旅行

2014-03-22 22:10:27 | 私の思い 3
この時期
「河津桜」のニュースが流れるたび
行けなかった旅行のことを思う



娘が中学を卒業した年、
「卒業旅行」を計画した。



それまではいつも夫の「計画」だった。
夫の仕事の都合で一泊が精一杯だった。


その年は
初めて私が計画し
旅館の予約も私がした。


娘が中学を卒業し
作業所へ入るまでのわずかな間を利用して
伊豆半島一周を計画した。


念願だった伊勢海老を食べ
いるかと遊び
河津桜を見て・・・
そのほか、地元の特産物や
おいしいものをいっぱい食べられるように計画した。



その旅行の数日前
私たちの仲人をしてくださった
大切な家のお嫁さんが
屋根から落ちて
意識不明になられた
予断を許さない状況だった


夫は
「とても旅行に行く気分じゃない」と言った。
私も同感だった。
旅館のキャンセルの電話も私がした。


結局
その方は
旅行の日程と重なることはなかったが・・・
わたしは
自分たちの楽しみよりも
お付き合いを大切にしたいとねがう
夫の気持ちを尊重したことを悔いてはいない



それでも
あのとき
一緒に出掛けていれば
娘にも
思い出を残してやれただろうという思いを
払拭できない


お付き合いよりも
大切なものがあったのではないかと



河津桜のニュースを聞くたびに
胸がえぐられるようだ




すべては・・・

2014-03-22 20:44:32 | 私の思い 3
人にとっていちばん大切なものはなんなのだろう・・・?


いのち?
でも、いまわたしは
じぶんのいのちがはやくおわることを願っている


わたしにとって
一番大切なものは
伴侶だ
誰にも心を許せず
孤独の中で生きてきた私にとって
夫は
ただ一人の理解者であり
心を許せるひとだった


そんな夫をなくして
私は
半身をもがれただけでなく
心の支えも失った


わたしには
もうなにも大切なものがない



こどもたちは
夫の願いもこもった
大切な宝だから
精一杯守らなければならないと思っているけれど
それは
わたしの命を支えることはできない
わたしの心を強くすることはできない


もう
わたしには
生きていく理由がみつからない
生きていく力がない
すべては
夫とともにあったのだ
そして
夫とともになくなったのだ