脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

もう二度と・・・

2014-01-19 22:03:22 | 私の思い 3
長引いていた風邪も
ようやく快方に向かっている。
13日ごろから
少しずつではあるが
声が出るようになり
まだ嗄声ながらも
日常生活には不自由しないほどに
発声できるようになった。
夜の
咳き込みはじめると
どうにも止まらなかったしつこい咳も
おさまってきた。
幸い、娘にはうつらず
ほっとしている。


時給で生活している身には
いつまでも
仕事を休んでいるわけにもいかず
仕事は
二日休んだだけだった。






いろいろな
つらい時期があったけれど
夫が
仕事を休むことなく
出勤し続けていたことを思い出す。

つらい時期に
夫が仕事に出かけていくのに
私が泣いているわけにはいかず
夫のいないところで
一人
涙していたことも。

夫の前では
努めて明るく
ふるまっていた。







時間は
何も解決してくれない。
ただ、
時間の経過とともに
思いは変化してゆき
結果として
考え方や
思いの在処が変化するということは
経験してきたことだ。




恋しさや
愛しさや
切なさは
時間とともに
増すばかりだ。





でも、
夫には
もう二度と会えないのだという
現実を
なぜだか
納得せざるを得なかった。





さまざまな
宗教を思ったけれど
どの教えも
夫が
夫のままで
夫の人格をもって
存在しているということは
証明しえなかった。


いま
夫が
どこで
どうしているのかは
知る由もない。
ただ
もう
あの
肉体の苦しみから
解放されていることだけは
信じうる。


もう
苦しくないという
そのことだけが
今の
私の
慰めとなっている。








老猫の血液検査に行ってきた。
療法食のおかげで
数値が改善され
もう少し
元気に暮らせそうだ。

人間も
動物も
いつかは
いのちの終わりを迎える。
いのちは
ただ
一度のもので
終われば
二度と
戻ることはない。

それでも
いのちがある限り
みんな
そのいのちを
精一杯
生きるしかないのだろう。






夫が生きたあかしを
受け継いでいけるのは
わたししかいないのだ、と思う。


もう
二度と
会えなくても
夫の
思いは
私の中で
生き続けているのだから。