脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

悲しみの先にあるもの

2012-12-20 22:47:19 | 私の思い 3
夜になると眠くなる。
時間がくるとお腹がすく。

夫が元気だったころ、
それは
「あたりまえ」とさえ思わなかった。
まったく無意識のことだった。

夫がいなくなってから、
少し前まで
そうした日常生活のすべてが苦痛だった。
それは鬱のせいだったのか、
背負いきれない哀しみのせいだったのか・・・

哀しみは薄らいだわけではない。
でも、ここ数日は
その哀しみを
しっかり抱きしめていけるような
不思議な気持ちの変化を味わっている。

以前詠んだ

悲しみを悲しみぬいたその先に
       明日に続く道ぞあれかし

といううたが
今の私の心境。
ちっとも進歩していないってこと?
それでもいい、
ゆっくり歩いていこうと思う。

「すごい」と思う人たちがいる。
私には
とてもそんな力はない。
でも、
あの苦しかった最後の日々、
夫が見せてくれた人としての生き様を
きちんと引き継いで
生きていかなければいけないのだと思う。

お風呂に入るたびに
車椅子になってから
どんなに自宅のお風呂に
ゆっくり入りたかったことだろうと
当時の夫の気持ちを思っていた。
でも、夫は一度もそのことを言わなかった。
あんなにお風呂の好きな夫だったのに
私を困らせるようなことはひと言も言わなかった。
言わなかった夫の気持ちを思うと
胸が潰れそうな思いに駆られる。
でも、夫は言わなかったのだ。
私は、決して私を困らせることを言わなかった
夫のその思いこそ、大切にしなければいけないのだと思う。
夫の思いを大切にして生きて行くしか
私にできることはないのだから・・・。




夜更け

2012-12-20 04:57:51 | 私の思い 3
睡眠導入剤をやめてから、
ずっと眠れないのだが、
「眠らなければ」という強迫観念から解放されて
精神的には落ちついている。
「眠い」という感覚も
夫が病気になってからは
ずっとなかったように思う。
今は、毎日、
夜、眠くてたまらない。
かといって、眠れないのだが・・・


ひゅるひゅると心の穴を吹きすぎる
風の音する凍てつく夜更け