黒鉄重工

プラモ製作、旅行記執筆をやっています
同人誌通販始めましたhttps://603kurogane.booth.pm/

武器学校の公開イベントへ出向く その2【2017/4/8】

2018-09-09 20:59:07 | 旅行・イベント記
陸上自衛隊土浦駐屯地内にある武器学校の一般公開に来ています。
道路沿いの戦闘車両を見ていますが、その途中で火砲館という建物が見えてきたのでそっちに寄ってみることに。


館内には野砲がたくさん置いてあります。中々充実した内容そうです。


三八式野砲
日露戦争中にロシアの長射程野砲に泡食った帝国陸軍が慌てて開発した75mm野砲です。結局日露戦争には間に合わず1905年に配備開始されました。
後の第一次世界大戦後には野砲の高性能化が進み三八式も旧式化したため、改造して射撃操作性の向上(砲口の仰角を角度の向上)を図りました。
ここでは原型と改造後の両方を保存していて、左側が原型の三八式野砲、右側が改造三八式野砲です。


四一式山砲
帝国陸軍で2番目に多用された野砲です。山砲というのは小型軽量な野砲で、山岳地帯や不整地でも機動性があるのが特徴。代わりに射程や初速性能は犠牲になっています。


九一式10cm榴弾砲
帝国陸軍で3番目に多用された野砲です。設計製造はおフランス。性能は優秀だったそうな。


一式機動47mm砲
1940年頃に採用された対戦車砲です。「機動」と名付けられている通り、空気式タイヤを装着しているので車両牽引による高機動を実現しています。
第二次世界大戦前や大戦前期はともかく、中後期になると47mm砲は使えなくなってきます。世界的にはあんま強くない方の戦車であるアメリカのM4シャーマンの正面装甲が抜けませぬ。
欧州ではイギリスの75mm対戦車砲やおなじみドイツのアハトアハト(88mm砲)などの後継兵器導入で高性能化を図りましたが、日本はと言うとお得意の伝統芸能「後継機が開発できない」に陥ってしまい、ついに一式を終戦まで使い倒しました。
対戦車砲が使えぬため、歩兵の肉薄攻撃で代替するというアレすぎてアレなことになってました。だめだこりゃ。


鹵獲クルップ砲
日清戦争で清から鹵獲したドイツの120mm火砲。


4.5inch多連装ロケット発射装置
建物の横にも置いてあります。これは米軍からの供与品でしょうか?よく分かりませぬ。


155mm迫撃砲
試作止まりの野砲だそうで、なんだか出来損ないのような形です。


M1942 76mm野砲
たぶん日本で見るには珍しいものでしょう、ソ連製の野砲です。


L-90 35mm 2連装高射機関砲
1969年から運用開始した陸自の高射砲で、機関砲とレーダー制御の射撃管制装置を1台にまとめたもの。
今どきジェット機相手に機関砲ですかい、という感じですが中々優秀だったようです。今は退役しています。


三式中戦車
通称チヌたん。帝国陸軍が採用した戦車ですが、日本の戦車はアレなんで、まあその・・・。
アメリカのM3中戦車に対抗するために開発された一式中戦車(開発が迷走しまくって実戦投入されてない)というのがあったんですが、後に太平洋戦線に投入されたM3の後継機M4シャーマンには全く歯が立たないのでした。そこで一式中戦車の車体に75mm砲を載せられる砲塔を新しく付けたのが三式中戦車なのです。
なお採用後量産して戦力化出来たのは1945年春であり、最早三式中戦車が戦える戦場はどこにも無かったのですが・・・。結局実戦投入されないまま終戦となりました。生産数も約160台とハナクソみたいな台数でした。


武器学校の三式中戦車はレプリカではない本物で、これは世界で唯一の現存車と言われています。連合国としては特に見るべきところはない戦車でしょうから本国まで接収された車両は無いのではないかと。
砲塔が頭でっかちでそのクセ履帯が細くて弱々しい、なるほど急造兵器なのだなと思わせます。
チハたんと違って知る人ぞ知る戦車だったのですが、ガルパンで主人公チームの一員として出演したことで知名度が一気に上がりました。私もそれで知ったクチです。

というところで今日はここまで。



武器学校の公開イベントへ出向く その1【2017/4/8】

2018-09-07 23:59:45 | 旅行・イベント記
2017年4月8日。
茨城県の鉾田市に用事がありましたので行くことになったのですが、ちょうどその前日に同県阿見町にある陸上自衛隊の土浦駐屯地内の武器学校という訓練・教育施設が「桜まつり」と称して公開される日と重なったので、これに行ってみることにしました。前々から行ってみたいと思っていたのです。

青春18きっぷの期間内であったので、これを使って鈍行で茨城まで向かいます。長期戦ですので、少しでも楽ができるように静岡駅7:00発の「ホームライナー沼津2号」に乗ります。
元々は特急「あさぎり」(沼津~小田急新宿)用の371系を静岡車両区から沼津まで回送するついでに客扱いするための列車でした。371系の廃車後も車両を373系に替えて今も走っています。
なお373系化の恩恵として、終点の沼津駅からはそのまま普通熱海行きに化けて熱海駅まで走ります。一旦車外に出されることも無いので、静岡から特急型の373系に乗って乗り換え無しで熱海まで行くことができるのです。


これの少し前辺りから373系のヘッドマークが交換されたみたいです。一番の変更は、ホームライナーがただの字幕から絵入りのマークに変わったことです。
字幕のマークは素っ気ない上に文字がかなり小さくて見えづらかったのですが、大きい文字と朝と夕方の絵が入った今のマークはかなりできが良いです。実物はこの日に初めてみましたけれど、やはり絵入りは良いですね。
他に近年走るようになったJR東海の臨時列車(さわやかウォーキング号や中山道トレイン号など)が収録されている一方で、特急「東海」や快速「ムーンライトながら」など廃止された列車のマークが削除されたという噂もあります。


熱海駅で東海道本線の普通列車に乗り換えて品川駅まで。そこから始発の常磐線の特別快速土浦行きに乗り換えます。
品川駅に常磐線がいる・・・。なんだか変な気分です。始発からそこそこ席が埋まっており、直通需要は確かにあるんだなと。


終点の土浦駅で下車します。
主要駅の一つですが、駅前はまあまあですかね。駅前が一番栄えている街というわけでもなさそうですし。


路線バスが結構発着しています。阿見町など常磐線の駅が無い近隣市町への交通を担っているんでしょう。


バスでも見て待ちます。
JRバス関東の日野ブルーリボンシティハイブリッド。


関鉄グリーンバスのいすゞキュービック。久々に見たけどやっぱりかっこいいな。


さて、土浦駅から関東鉄道バスの阿見中央公民館行きに乗って武器学校前停留所で降ります。乗ったバスはいすゞエルガでした。


土浦駐屯地に入りました。入り口や建物なんかは普通の駐屯地という印象です。


注目はやはり武器学校の区画。 
特に、道路沿いに戦車や装甲車が並んでいるのは圧巻です。
4月の公開ではちょうど桜の開花と時期が重なるので桜の木と戦車の写真が撮れたりするんですが、今日はあいにくの雨でした。うーん残念。
順番に見ていきましょうか。あんま詳しく見ていくとまた長引いて終わらなくなるので、触りだ。


M2 155mm加農砲
第二次世界大戦時に米陸軍/海兵隊が使っていたカノン砲を供与してもらったやつです。アメリカではロング・トムという名前で呼ばれていました。
第二次世界大戦の兵器なわけですが、陸上自衛隊では1997年まで現役でした。よくそんなに使ってましたね。


M24軽戦車
米軍の軽戦車で、これも供与品。M4シャーマン中戦車と共に初期の陸上自衛隊の戦車・・・もとい特車でした。
第二次世界大戦中に開発・実戦投入された戦車です。戦車砲はB-25爆撃機に搭載していた75mm砲を転用しているところが戦時中チック・・・。あとは、この頃に開発された戦車らしく、避弾経始を採用しているのも特徴でしょうかね。


M4A3E8シャーマン・イージーエイト中戦車
御存知M4シャーマン戦車一族のひとつ。M4の最終生産型で、足回りの構造が在来型と大きく異なっております。
これも米軍からの供与品。ドイツ戦車と比べるとやられ役のイメージもあるけど、別に問題のある戦車というわけではないのだ。
初期の陸自の代表的装備ですが、北海道に集中配備されてたんだそうな。ソ連がねー。


M36ジャクソン駆逐戦車
戦車を撃破するための戦車、つまり駆逐戦車なんですが、これだとお前自身も戦車やないかーい!という自己矛盾に陥りそうなのでこの名前を付けたやつはどアホではないかと思う次第です。戦車駆逐車あたりが妥当じゃないかなーと思いますが、自分だけこういう名前使っててもアレなので、普及しきってしまっている駆逐戦車を使いますが・・・。

これも第二次世界大戦中の兵器で、アメリカの戦車の火力だとドイツのティーガーやパンター相手に歯が立たんので、90mm高射砲を主砲に転用したやつです。車体はM10GMCというM4シャーマンを元にした駆逐戦車を流用したのでこれも実質シャーマン戦車。
ただしM10が装甲を薄くしているのでM36もそうなっています。なので、正面からの殴り合いは苦手だったんじゃないかなと。


桜が綺麗に咲いているんですけどねー、雨が・・・。


LVT(A)-5水陸両用牽引車
ご多分に漏れずWWIIの車両。いかにも水中も行けますという図体です。


M42ダスター自走高射機関砲
これは朝鮮戦争後に開発されたやつです。高射砲なので低空侵入してくる敵の航空機をはたき落とすための対空兵器です。
レーダーや射撃管制装置は積んでないので、照準は光学のみ。その分安上がりですが、それだと気休めな性能にしかならない気もしますが。


60式自走対戦車無反動砲
コソコソ隠れてるやつがいますね。物陰から砲身だけ出しています。


裏へ回ってみると・・・すんげー小さい。
対戦車車両で、無反動砲は106mm砲です。砲身は連装ありますが、一度撃ったらあとはおしまい、逃げるしかありません。装甲も脆弱なので、殴り合いも出来ません。なので、物陰に隠れて待ち伏せして一撃で相手を撃破する必要があります。ずいぶん限られた使い方だなおい。
これはそういう実際の攻撃の仕方を展示しているところです。


砲身はガションと上に向かってせり出すギミックが仕掛けられていて、低い車体は地形に隠しながら砲身だけ表に露出させることができるのです。

というところで今日はここまで。



北米project 4 ~Is the order a warbird? その56【2016/03/04~10】

2018-09-04 23:27:56 | 海外旅行記
どんどん見ていきましょう。
次は、さっきから他の写真にチラチラ写り込んでいるアイツことボーイングB-29Aスーパーフォートレス(1942年・207機目)
ついに黒鉄重工の前にも姿を表しました、御存知B-29戦略爆撃機です。日本人にとっては因縁の相手でしょう。なので説明も多くはいらないでしょう(手抜き)

こいつらが日本中を火の海にしていったんで感じ悪いと思うのも分からなくもないですが、その責任はその道具を使わせた人間に向けないと埒が明かないと思います。だいたいカーチス・ルメイのせいだと思うんですけどね。

航続距離9,600kmに9,100kmの爆弾搭載量とか、完全予圧の機内とか、技術的には画期的な機体なんですよ。私も機体自体は好きな方でして。特に球状の前頭部は類を見ない形状をしていて、未だにSFの宇宙船みたいな未来を行っている形状だなと思います。

余談ですが、この機体はA型のサブタイプが付いていますが、R-3350エンジンの改良型を搭載したマイナーチェンジ型。そしてA型より前にサブタイプ無し、つまり無印のB-29がいます。なのでB-29と書かれてる時は機種全体としてのB-29なのかサブタイプの分類まで含めたB-29なのかを見極める必要が出てくる場合があります。そんなこと滅多に無いだろうけどさ。


やっぱりでけぇな。
この博物館、360度好きな角度から眺め放題なので素敵です。機体全体を横から撮るのだって自由自在。


未来的な素敵前頭部。といっても爆撃手が座り込む先端は意外と他の爆撃機と変わらん形状かな。操縦手が座り込む部分の窓が機体形状に沿って配置されているのがやはり特徴的。
ところでこれってもしかしてノルデン式照準器が載っかっている?いくら機内とはいえこんな屋外に置いてあったら盗まれそうなものですし、ダミーなのかも知れませんが。
ノルデン式照準器はだいぶ前に説明したんで詳細は割愛しますが、簡単に言うと爆撃の照準器であると同時に目標にした地点まで機体を自動操縦して自動で爆弾を投下してしまうビックリドッキリメカです。照準よりも自動操縦・自動投下の方がキモの装置なのだ。


R-3350エンジンが4発も搭載してある。4発機はやはり贅沢品。
初期のB-29の弱点がエンジンで、まだ開発されてすぐのR-3350は故障が頻発し稼働率が低かったと言われとります。
B-29は全体的にかなり野心的な設計だったので、機体の実用化にあちこちの技術の成熟が追いついていなかったのです。本当なら対ドイツ戦にも投入するはずが、実用化が遅れているうちにどうやらドイツはもう時間の問題だ、ということで日本を集中的にけちょんけちょんにすることにしたのです。
技術が成熟するのを待ってる時間はないので、故障する部品は消耗品と割り切って、故障したらすぐに交換して乗り切っていました。これがいわゆる米帝プレイというやつだ。


故障の悩みのタネの一つだった排気タービン(ターボチャージャー)。B-17やB-24も排気タービン持ちですがこれらがエンジン1発につき排気タービン1基だったのに対してB-29はなんと1発あたり2基搭載しています。倍ですよ倍、奥さん。どんだけ高高度でエンジンぶん回すねん。

空気の薄くなる高高度ではエンジンを燃焼させる酸素の量も少なくなってしまうので性能低下に繋がります。そこで過給器を用いて空気の圧力を高めて多くの酸素を取り込むことで高高度性能を高めるのです。
純粋に性能向上に繋がるので、第二次世界大戦期の戦闘機や爆撃機はどれも過給器を装備していました。過給器には機械式過給器(スーパーチャージャー)と排気タービン(ターボチャージャー)の2種類があります。B-29が装備しているのは後者。
なるほど排気タービン2基がB-29の高高度性能の秘密だったのか。そうかそうか。

前にも書いたような気がしますが、スーパーチャージャーがエンジンの出力を少し拝借してタービンを回すのに対して、ターボチャージャーは本来捨てるだけのエンジンの排気ガスを利用してタービンを回すのでエネルギーロスが無くスーパーチャージャーより効率的なのが特徴です。
一方で、高熱の排ガスへの耐久性や回転数調整に高度な技術が必要なため、アメリカ以外では実用化できませんでした。

数が多いのでそれなりに故障が多かったらしく、ここでも米帝プレイで故障のたびに排気タービンまるごと交換してたそうな・・・。
こんなんアメリカにしか運用できない機体だよな。日本に渡してもしばらくしないうちに満足に動かせないまま降伏しそう。
そういうわけなので、B-17ではエンジンポッド下面に付いていた排気タービンは左右に1基ずつ取り付けられているのでした。


後ろ。細い尾部とクソデカ垂直尾翼というボーイング機の特徴がこれにもよく出ています。
ケツから出ているのは対空機銃ですね。その上には機銃座の窓があります。ここって予圧されてたんかな?


爆弾倉の中も見れっぞ!
前方に球状の予圧隔壁があるのがよく分かります。
隔壁の上部から伸びている太い管は、乗員が機体の前後を行き来するための通路です。B-17なんかでは爆弾倉の中に設けられた足場の上を歩いていましたが、B-29の爆弾倉は予圧されておりませぬので、管状の通路を這いつくばりながら通ります。デブでヒゲ生えてたら通れないと思うぞ。


爆弾はこんな風に取り付けます。


次行きます。P-38が収められている格納庫です。ここにもP-38専用の格納庫があるのね。やっぱり人気なんかなぁ。


ロッキードP-38Lライトニング(1日ぶり3機目・208機目)
格納庫にドカンと置かれているP-38L。実はガラス繊維で造られたレプリカなのですが、本物ソックリなのでびっくりです。


双胴のエンジンポッドの内部模型。アリソンエンジンは本物っぽいです。


こっちも本物っぽい排気タービン。排気タービンを搭載した高級戦闘機なのがP-38なのです。
P-38のエンジンは、P-39やP-40にも搭載されているアリソンV-1710です。P-39とP-40が低性能なのでアレなエンジンと思われてるフシがありますが、基本的な性能は悪くなかったと思っています。
V-1710の場合、過給器にあまり恵まれなかったので高高度性能が弱かったという点はあるでしょう。現にV-1710にちゃんとした過給器を搭載したP-38の性能は日本にとっても恐ろしいものになっていました。


正面から。あ、増槽って胴体とエンジンポッドの間に付けるんだ。


謎ジェット機(209機目)
東側の機体っぽいですけど、練習機かな?


ノースアメリカンB-25Jミッチェル(1日ぶり3機目・210機目)
いつもの中型爆撃機。なぜかB-25だけ他の展示機から離れた敷地のすみっこにポツンと孤立して置かれていました。看板代わりにするには目立たないと思うんだけどな・・・?


ボーイングB-17Gフライングフォートレス(1日ぶり2機目・211機目)
おなじみアメリカ陸軍航空軍の主力兵器。やはりカーキ色の方がしっくりくるかなぁと。
これもB-25と他の展示機との中間くらいの位置にぽつんと置かれております。でもハブられてる感のあるB-25と違ってB-17は機体の周りに歩道が円形に配置されているので、なんだか特別感が出ています。やはり人気なんですよ。


エンジンポッドの下面に付いている排気タービン。


原子爆弾「リトルボーイ」の1/2縮尺模型。広島に落としたやつなので広島型原爆と呼ばれることもありますね。
ウラン型原爆という比較的単純な構造の原爆なので、大きさは原寸大でも小さめです。それであんな被害を出すんだからすっげえよなとしか。
1/2模型だしあんまり深入りするのはよしときましょう。


謎自動車。スタッフカーという将校が移動する時に使う乗用車です。民間の乗用車を流用することが通例で、将校が乗ることもあり高級車が選ばれることもあります。元は鮮やかな塗装にクロム部品を多用した派手な車だったりするんですけど、軍用車なので全部つや消しのカーキ色に塗りたくられております。
これはたぶん1939年式のプリムスなんだと思います。プリムスだと別に高級ブランドというわけじゃないですねぇ。
ヘッドライトのレンズを塗りつぶしているのはなんででしょうかね?

というとこで今日はここまで。



北米project 4 ~Is the order a warbird? その55【2016/03/04~10】

2018-09-03 23:14:56 | 海外旅行記

マーチフィールド航空博物館の屋外展示を見ていきます。何回も言ってるけどエグい数だぞ。
ちなみに今回行ったのは3月で、まだそれほど暑いと感じる気温ではなかったです。これ、もっと暑い夏に行って歩き回ってたら命の危機ですのでこまめな休憩は欠かせないですね。
ちなみにですが、アメリカ人(主語が大きい)は歩行なんて行為はしたくない国民性らしく、園内ではバギーに乗って飛行機を見て回る有料ツアーもやっているようです。博物館を見るには向いてないと思うんですけどね、その人達・・・。それでもほとんどの人達は自力で歩いて見学してました。



では順番に見ていきましょう、ノースロップT-38Aタロン(2日ぶり2機目・197機目)
アメリカ空軍の超音速ジェット練習機です。これが後のF-5戦闘機になります。最初に造られたのは練習機型のT-38なのです。
見ての通り塗装がアメリカ空軍の曲技飛行隊「サンダーバーズ」になっています。戦闘機を機材に使用するアメリカの曲技飛行隊としては珍しい機種です。これは前任のF-4が曲技飛行に適していなかったのでこれに交代したようです。つまりF-4には機動性がなかったというわけで・・・。あとは、単に空軍が貧乏で戦闘機を運用するお金が無かったという事情も有りにけり。
ただしこの#60-0593は生涯を訓練部隊で過ごしたのでサンダーバーズに所属したことはないそうな。



色々な国旗。これはサンダーバーズの訪問国です。サンダーバーズは遠征することが多いので、いろいろな国で展示飛行するのです。日本にも来ていますね。



マクドネル・ダグラスF-4EファントムII(25分ぶり2機目・198機目)
御存知ファントムおじいちゃん。さっき見たのは偵察機型でしたがこっちは空軍の戦闘機型です。鼻の長い空軍型の方が好きですね。
#68-0382は現役時はヨーロッパへ派遣されていました。



灰色の制空迷彩をしているので結構若々しい。近代化改修された晩年の形態で保存しているのか、スナイパーポッドのようなものも付けていました。



マクドネル・ダグラスF-15Aイーグル(1日ぶり2機目・199機目)
ベトナム戦争で自分ちの戦闘機(笑)がけちょんけちょんにやられたのを目の当たりにして、やっぱりまともな戦闘機がないと、と一念発起して開発したF-86以来のアメリカ空軍の航空優勢戦闘機。
20世紀の間は最強の戦闘機のひとつでした。現代になるとステルスとか電子装備とかの拡充が必須となっているのでやや劣勢のようです。データリンクとかを積んでないとさすがにお話しにならないらしい。逆に言えば電子装備やソフトウェアを補えばまだまだ戦闘機としての素地は十分高いのだ、ということです。つえーぞ。
博物館には単にF-15としか書かれてなかったんですけど、C型はまだ現役バリバリだからA型だろうと。



グラマンYF-14Aトムキャット(1日ぶり3機目・200機目
通算200機目に到達。やっぱペース早くない?
まぁたトム猫か・・・と思いきや、12機造られた先行量産型のYF-14Aなのでした。これは11番目の機体。可変翼や武装の動作試験、空母への離着艦の確認なんかをやったそうな。
量産型と何が違うの?と聞かれると違いを見つけ出せず・・・。クッククレイギー方式を採用しているので、差異はほぼ無いんじゃないかと。

ところでF-14はこの角度から見るのがかっこいいですね。もうちょい上から見て機体の背中が見えるくらいだと最高。怒り肩の空気取り入れ口が好きなのだ。



横から。塗装はVF-1インサニアです。今は解散した飛行隊です。



謎の展示コーナーが・・・。ベトナムの野戦基地を再現しているのかしら。



謎の建物。イカ釣り漁船みたいな提灯がキニナル・・・。



簡易的な屋根に隠されたヒューズOH-6Aカイユース(1963年・201機目)
丸っこい機体がかわいらしいアメリカ陸軍の観測ヘリです。地味に自衛隊でも使ってます。
屋根で覆って上空から隠す必要があったんでしょうかね。これ、飛ばす時はヘリをトラクターで引っ張ったんでしょうか?それとも屋根を移動させた?



ベトナム戦争の陸軍の馬車馬ベルUH-1Bヒューイ(1日ぶり2機目・202機目)
ベトナム戦争のヘリと言えばこれだし、自衛隊でも使っているので馴染み深いヘリの一つです。
これはB型なので初期の量産型です。ベトナム戦争にも参戦して生き残りました。
鼻っ先にレドームみたいのがありますが、実はグレネードランチャーなのだ。よく見ると銃身が伸びているぞ。



シコルスキーHH-34Jチョクトー(1954年・203機目)
カバの愛称で私に親しまれる初期のヘリコプター。ボンネットの部分にレシプロエンジンを配置したためにコックピットがヘリコプターとしてはやけに高い位置に来ているのが特徴。私は結構好き。
乗る時は機体の壁に埋められているステップを使いながらよじ登って側面の風防を横にスライドさせて開けて潜り込むように乗ります。乗るだけで一苦労だ。
このベトナムの間に置かれているヘリはみんな陸軍のものだった機体ですが、これは空軍のものです。救難ヘリでした。

余談ですが、きかんしゃトーマスに出てくるヘリコプターのハロルドはこれがモデルになっていると思います(細かいこと言うと、これの一つ前のモデルのS-55の方が近い)



パイアセッキH-21Bワークホース(1952年・204機目)
ぎっくり腰なので胴体が途中で折れているタンデムローターヘリコプター。その胴体から名付けられたフライングバナナのあだ名のほうが通りが良いです。
ローターは2基ありますがエンジンは1発しかないそうで、じゃあ前のローターは長~いシャフトを介して回してることに。HH-34といい、この頃のヘリはすごい回し方するね。
ところでこれって飛行する時は胴体前部を水平にして飛ぶと思ってたんですけど、尾翼の角度からして、地上でのこの角度のまま飛ぶんですね。動画を見てもそうだった。終始斜めのまま移動すんのか。



ベルUH-1Fヒューイ(3分ぶり3機目・205機目)
もう1機いました。こっちはF型で、空軍向けの機体です。



ベルAH-1Fコブラ(1日ぶり2機目・206機目)
UH-1を素に開発した攻撃ヘリコプター。どこが同じやねん!というくらい様変わりしています。機体云々については前にも書いた気がするんで割愛(手抜き
ところでローターのブレードの幅がめっちゃ広いんですね。UH-1よりもよっぽど広いぞ。



あとはトラックが数台展示してありますが、このベトナムの間の飾り的に置かれているだけなんで、正体不明としか。



これは第二次世界大戦時のジープですよね。ベトナムでも使っていたという話は聞いてないけど。結構いい加減?



謎トラック。44WC-51なのかしら。

というところで今日はここまで。


その56へ→