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カナダの航空祭コモックスエアショーを堪能する その4【2015/08/15】

2017-04-18 20:19:25 | 旅行・イベント記

まだまだ続くぞ、地上展示機。
次はボンバルディアCC-144チャレンジャー (144614)
CRJじゃん・・・と思いましたが、機体の愛称からも分かる通り正確にはビジネスジェット機「チャレンジャー」を原型とした輸送機です。CRJはチャレンジャーを原型にしたリージョナルジェット機なので似ているのも道理なのです。
機体の用途はVIP輸送です。カナダ総督、政府高官、国賓、首相などなど。ビジネスジェットを使っているので納得。
機体の所属はオンタリオ州トレントン基地の第412輸送飛行隊。トレントン基地には他にも輸送機を装備した飛行隊がたくさん・・・というか輸送機しかいない。



レイセオン・ビーチ(ビーチクラフト)CT-156ハーバードII (156114, 156109)
パイロット養成用の初等練習機です。元はアメリカのT-6テキサンIIを輸入したものです。T-6は、この目の前にいるビーチクラフトさんのT-6(ニ代目)と博物館の常連ことノースアメリカンさんのT-6(初代)の2種類がいるのですが、何せ初代が有名すぎるのでニ代目は影が薄い。
なお両者とも愛称は「テキサン」で、ニ代目はたまたま型式が初代と被ったので初代の名前にあやかって命名したんだと思います。ついでに脱線すると先代の機体の名前を襲名(?)する時は先代と今代とで同じメーカーである場合が多いんですが(ロッキードのライトニング、ヴォートのコルセア、マクドネルのファントム......)、T-6の場合ノースアメリカンとビーチクラフトとメーカーが異なっています。これは単純にこの時既にノースアメリカンは消滅していたからですね・・・ショッギョ・ムッジョ。

カナダでは型式と愛称をCT-156ハーバードIIに変えています。その内愛称のハーバードIIというのはT-6テキサン(ノース・アメリカンさんの方)のイギリス連邦での呼称「ハーバード」にちなんだものです。



小さな胴体に大きなコックピットのキャノピーが特徴的です。
この機体達は第2カナダ軍飛行訓練学校の機体です。



箸休めに昔の軍用車両の展示。コモックス空軍博物館の所蔵なんだと思います。
これは超おなじみウィリスMB(1945年式)。いわゆるジープ。アメリカ陸軍に1945年3月13日に納品された車両です。後ろには荷台も連結されています。



こっちはダッジM43 CDN救急車(1952年式)
ダッジM37 CDN 3/4トントラックを原型にした野戦救急車です。409台が製造されてカナダ陸軍と空軍で1970年代まで使われました。本国の他に在独カナダ軍や国連軍にも配備されました。
この車両は1952年6月5日に納入され、1990年にここにやってきました。



デ・ハビランドDH.100バンパイアMk III (17031)
第二次世界大戦中にイギリスで開発されたジェット戦闘機です。最初期のジェット戦闘機で、グロースター「ミーティア」やメッサーシュミットMe262と同世代です。もちろんカナダ軍のではなくて博物館の持ち物。
1943年に初飛行は済ましたものの量産型が納品されたのは1945年4月20日ともうドイツが降伏寸前でして、結局実戦配備は1946年3月までズレました。終戦で気が抜けたんでしょう。
カナダでは1948年から導入が始まり、バンクーバー、シーアイランド基地の第442飛行隊「シティ・オブ・バンクーバー」などに配備されました。全部で86機配備されましたが、1958年までにF-86セイバーに更新されて退役しました。いやはや寿命短いな・・・。

この機体は第442飛行隊所属だった機体で、退役後は個人所有を経て2000年にこの博物館が取得したんだそうです。今は多分もう飛べないと思いますが、少なくとも1980年代までは飛行可能な状態だったようです。そのせいか機首の機銃が姿を消すなど手が加えられているようです。
ちなみにMk IIIというのは聞き慣れないサブタイプですが、たぶんF.3型のことだと思います。F.1型の設計を改良したもので落下式増槽を付けられるようにしたものだそうな。



デ・ハビランド・カナダCT-142ダッシュ-8 (142805)
おなじみのコミューター旅客機DHC-8を軍用機として採用した練習機。DHC-8-100に相当する機体です。
カナダ軍航法学校が航法訓練機として使っています。カナダ軍の他にシンガポール、韓国、ニュージーランド、ドイツなどなど他の国も訓練にやってきてこれに乗るんだそうです。国土が狭いと訓練に必要な空域が確保しづらいというのは聞いたことがあります。



後ろから「これまんまDHC-8やん・・・」と思いながら前に回り込んでみると「ギャア!!」となったんですが、なんだこれ、鼻すげー。訓練に必要な機器が詰まっているってことなんでしょうけど、ウソップみたいな長鼻だな。
実際隊員の間でもネタにされているようで、「ゴンゾ Gonzo」というあだ名が付けられています。これはマペットの人形劇に出てくるキャラクターで、CT-142に似た長鼻を持っていることから付けられました。ちなみにgonzoを辞書で調べると「イカれた奴」という意味が出てきて、こっちもあながち外れちゃいないよなとも思ったり。ダブルミーニングなのかも。

所属は第402飛行隊「シティ・オブ・ウィニペグ」。現在はCT-142の運用を専門にしています。その昔はレイサンダー、スピットファイア、バンパイアなどを運用していたバリバリの戦闘飛行隊だったようで。



デ・ハビランド・カナダCC-115バッファロー (115456)
これは初めて見る機体です。デ・ハビランド・カナダがアメリカ陸軍の要求に応える形で開発した輸送機です。DHCでの呼称はDHC-5。DHCシリーズの一員です。
簡単に言うと前任のDHC-4カリブーのエンジンをターボプロップ化したものですので、形状はよく似ています。ただしDHC-5は水平尾翼がT字翼に変更されたのでDHC-4との識別は簡単とのこと。
1964年に初飛行してその後開発は完了したものの、ローンチカスタマーであるところのアメリカ陸軍はその後急速に興味をなくしてしまい、採用は見送られてしまいました・・・。
ところがその後カナダ軍が15機発注してどうにか(?)なった模様。アメリカに梯子を外されたんでカナダに泣きついて採用してもらったような気がしないでもないですが・・・。それでもこれがきっかけとなったのか、他国の空軍でも発注が出てきて最終的に120機ほどが生産されたとか。失敗しなくてよかったな。

この機体は地元コモックス基地の第442輸送救難飛行隊の所属。6機のCC-115と5機のCH-149を運用しています。カナダ空軍でも最大級の救難隊だそうで。
灰色だったり紺色だったり地味な色ばかりのカナダ空軍機の中で救難機はやはり識別性が大事なのか真っ黄色に塗られていて華やかですね。稲妻状の赤帯もナイスです。若干古臭いんですけどね。



第442飛行隊のもうひとつの機体、アグスタ・ウェストランドCH-149コルモラント (149907)
CH-133ラブラドルを更新するために2001年にアグスタ・ウェストランドAW101を15機導入したもの。cormorantというのは鵜の意味。
黄色に塗られていることからも救難機として運用されています。比較的新しい方の機体なんですが塗装のせいで老けて見える・・・。

カナダ空軍のヘリコプター導入計画はグダグダしていて、1987年には既に先のCH-133ラブラドルとCH-124シーキングの2機種をこのCH-149 43機で一気に更新するつもりでした。ところが1993年の政権交代で計画がキャンセルされてしまいました・・・。既にある程度購入契約が進んでいたようで、キャンセル時に1億5800万ドルの違約金を払ったらしいで・・・。
置き換えるはずだった旧型は延命して使い続けていきましたが、1998年に再び更新計画が持ち上がりました。この時はCH-133だけを置き換えることが決まったようで、CH-124はまたも先送り。そして2016年にようやく部隊配備が始まりましたが2017年でも未だバリバリに使われていますね。



もう1機いたアメリカからのゲスト、シコルスキーMH-60Tジェイホーク
沿岸警備隊の救難ヘリでHH-60Jの強化型。日本でも自衛隊がUH-60とかSH-60とかを運用していますがそれの兄弟機ですぞ。
この機体はオレゴン州アストリアに所属している機体だと思われ。



ロッキード・マーティンCC-130Jハーキュリーズ (130602)
前回出てきたCC-130Hの発展型で、現在生産されているのはこのJ型です。エンジン、プロペラ、アビオニクスが刷新されていますが、外観はほとんど変化がない辺りこれの基本設計の優秀さが見えてくるわけです。
従来型と見比べた時に分かりやすいのはプロペラで、4枚→6枚に増えています。まあ飛んでしまうと分からなくなってしまうんですが。あとは主翼より前の胴体が延長されているのも特徴ですが、従来型にも胴体延長型がいるので、まあそうね・・・という感じ。
これの所属はトレントン基地の第436輸送飛行隊です。



コンソリデーテッドPBY-5Aカタリナ
第二次世界大戦時に使われていた飛行艇です。詳細はここで既に書いているので今回は割愛。
3週間前はビクトリアで見たものが今はコモックスにいるわけだから、明らかに飛行してここまで来たんだろうなと。よく飛ばせるものだなと思います・・・。

今日はここまで。地上展示機は次回でひとまず終わります。


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