黒鉄重工

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北米project 2 ~Major Leaguers und Jäger.  その17 【2015/06/24~26】

2016-05-10 02:40:29 | 海外旅行記

2015年6月26日(金)10時19分
ワシントン州シアトル 3rdアベニュー&ユニオンストリート

時間通りに9時までにレンタカーを返却し、その後ホステルで朝食を食べ(既にろくなものは残ってなかった(悲))、ダウンタウンへ繰り出します。
フェリーの出港時刻まであと4時間半ほどですがまだもう一箇所くらいはどこかにいけるので、昨日行こうと思って行けなかったところへ行きましょう。
そこへはバスで行くので、乗るバスが来るまでバス撮影。まずはキング郡メトロNFI D60LF(緑)。連接車かっこいいよね。



トロリーバスのGilling Phantom(緑)。執筆時点では新型車のNFI XT40が投入されていて、初期導入車はほとんど廃車になったらしい。たぶん数年後には全廃になってるかも。



NFI D60LF(青緑)。ツーステップ車ですな。今時ステップ付きなんて古いんでこれも廃車が進行中。



NFI DE60LFR。急行バス「ラピッドライド」専用車で、路線バスのくせにWi-Fi飛ばしてるすごい奴。黄色と赤の組み合わせはカッコいいよね。



アメリカンキュービックことBreda ADPB350(緑)。これも置き換え対象。
ていうかバス来ねぇな。



Breda ADPB350(青)。アメリカにもフルカラーLED表示器のバスがいるんですね。



ようやくバスが来たんで乗ります。乗ったのは(たぶん)33系統。



(たぶん)22nd Ave & Gilman Aveバス停で下車。歩いてすぐのところにあるのはBNSF鉄道の機関区バルマーヤード Balmer Yard。アメリカの機関区を覗いてみたかったんだよね。
本当は昨日、FHCに行く前に寄るつもりだったんですが迷ってるうちに通り越してしまったんで今日に持ち越し。今回はこのバルマーヤードを丸裸にしてやります。



とりあえず機関車を片っ端から。
GE Dash9-44CW形BNSF5458号機。
BNSFの塗装は何種類かあると遠い昔に書いたんですが、これはヘリテージ2というパターンです。オレンジと黒の基本塗装に黄色の帯、BNSFの文字とロゴが書かれたやつです。現行塗装のひとつ前の塗装ですが、まだまだたくさん見られます。



Dash9-44CW形BNSF4713号機。おおぅ、これはリバイバル塗装じゃないか!
BNSF鉄道は何社かの鉄道が合併して出来た鉄道なんですが、そのうちのひとつがアッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道ことサンタフェ鉄道(ATSF)でした。日本でも名前が知られている方の鉄道だと思います。
そのサンタフェ鉄道の旅客用機関車の塗装が「ウォーボンネット」と呼ばれるものでした。ボンネット部は赤、それ以外はシルバーの塗装で、ボンネットには丸と十字で囲まれたSanta Feのロゴが特徴でした。このロゴはBNSFの旧塗装にも引き継がれてます。
これが有名な塗装になったためか、BNSFに合併後も一部がウォーボンネットにリバイバル塗装的に塗られたようです。まさかこれを見られるとは。
塗られた機体は極一部だろうし運用範囲もバカみたいに広いし、これっきりだろうなと思ったんですが、意外とこれ以降も見かける機会は何回かあって、見かける時は見かけるんだなぁと。ただ、まともに写真を撮れたのはこの時だけでした。



もう1機珍しい物が。バーリントン・ノーザン鉄道塗装のEMD SD60M形BNSF1403号機。
BNSF鉄道の前身のひとつがサンタフェ鉄道(BNSFのSF)なのは今書きましたが、もうひとつがバーリントン・ノーザン鉄道なのでした(BNSFのBN)。BN鉄道は緑と黒の塗装が特徴ですぞ。
これはリバイバルではなく、BN鉄道時代に製造されてそのままBNSFに継承されて以降塗装はそのまま、って感じらしいです。キャブのロゴのBNSFへの書き換えとロードナンバー変更(BN9212→BNSF1403)以外は原型を留めているっぽいです。この角度だと見えないですがボンネットのBNロゴも残っているようですね。
あんまし塗装の塗替えに積極的ではないようですね、アメリカさんは。こっちとしては好都合なんですが。



整備工場っぽい区画。
手前の物置に掛けられているのは大量の連結器です。他には貨車の車輪だとかスイッチャーだとか色々。逆光なのがつらい。



ここは貨車の整備工場かな?
貨車の運用や検査周期は前から謎に思ってるんですが、本当にどう回してんだろう?会社間の貨車の貸し借りなんて当たり前だし、あの貨車はいまどこにいて次の検査まであと何日かなんて果たして把握しているのかしら?



車輪を利用したベンチ。2人座るにはきつそうですが(デブだと1人専用か...)これは面白いですね。大井川鉄道でも似たようなものを見た気が。
ここはインターベイ車両工場と呼ぶんですね。インターベイというのは地名です。



機関区の他に操車場も兼ねてるみたいで、編成済みの貨物列車が何本かありました。
これはタンク車GATX9588。GATXは貨車のリース会社らしく、車両の報告記号(GATX)がそのまま社名になってるというやつ。

報告記号(Reporting mark)について、まだ書いてなかったような気がするんでこの機会に簡単に説明しておくと、鉄道会社を識別するための記号です。
2~4文字で構成されていて、これでどの会社の車両なのかが分かるようになってます。BNSF鉄道ならばBNSF、バーリントン・ノーザン鉄道だったらBN、カナダ太平洋鉄道だったらCPといった具合です。
機関車など車両のロードナンバーを書くときには報告記号+数字と書くのがこっちのスタイルらしいんで、そう書くとそれっぽくなるぞい。

ちなみにXで終わる報告記号は、列車の運行は行わずに車両だけ持っている会社です。運行は他の会社に委託するか、リースしているか、あとは個人や博物館が持っているっていうパターンだそうな。
運行を委託している会社のひとつがシアトルの通勤列車「サウンダートレイン」です。これの報告記号はSDRXで、ちゃんとXが入っていますね。リースの方は今書いたGATXみたいなやつですな。
他にZで終わる記号、Uで終わる記号にも意味がありますが省略。



ホッパ車の群れ。これは風雨に曝されないクローズド・ホッパ車です。個人的にはホッパ車といえばこの形です。
何運んでるのか分かりませんが、どうも薬品系らしいです。



ここのヤードには転車台と扇形車庫が現役で使われているんですが、貨車が邪魔で全く見えないですな。
アメリカのディーゼル機関車は両運転台ですが、実質片運転台車です。後ろに進むのは入換するときか支線での短距離運転くらいです、確かそうです。
なので場合によっては向きを変えてやる必要があるわけで、そういった場合に備えて転車台が今も現役なんだと思います。まあアメリカの場合土地が広いんで、デルタ線で済ませることも多いようです。お値段もデルタ線のほうが安いでしょうし。



DWC627484。これは一体何を運んでいるのか、初見では恐らく見当が付かないだろう貨車のひとつ。私は教えてもらうまで全く分からなかったです。
これはセンタービーム・フラットカーという貨車です。長物車の一種ですが名前を出してもよく分からないな?
正解を言うとこれの積荷は、材木です。材木はかつてただの長物車に載せて運ばれていたんですが、もっとガン積みしようぜってことになってまず長物車に妻板をくっつけたバルクヘッド・フラットカーというのが現れます。
フラットカーって床が歪まないように台枠を丈夫に造ってあるので見た目の割に重いんですが、このバルクヘッド・フラットカーを軽量化させようぜ、という経緯で誕生したのがこのセンタービーム・フラットカーです。
積荷は2x4か4x8の材木なんだから床の真ん中に桁を通しても問題ないよね?って感じに床の真ん中から妻板の高さまで仕切壁が、それが車両全体にわたって伸びています。
これにより強度を向上させながら貨車の軽量化が出来、結果積み荷の積載量が増えたのでした。とてもめでたし。



積荷状態の貨車(DWC626649+WC37643)も連結されてたんで比べてみましょう。
材木は風雨に曝されると困るんで殆どの場合ビニールで梱包されています。なので積荷状態のセンタービーム・フラットカーを見ても中身が分からず、貨車の正体が掴めませんでした。この状態で積荷が材木だって初見で分かる人はいないと思いますよ・・・。教えてもらった時は目からウロコだったもんなぁ。ちなみにこの梱包シートは製材メーカーによりけりなんで、趣味的には奥が深いのです。
固定する時は桁から延びているワイヤーを使います。これは車体に予め用意されているようです。さらに床は仕切り壁に向かってわずかに内側に傾いていて、荷崩れ防止に役立っています。
なんというか合理化の極みみたいな貨車なんですね。姿が特異なんで模型でも集めてみたい貨車です。

こんなところで今日はここまで。


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