黒鉄重工

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海王丸のセイルドリル見学 後編【2017/7/29】

2019-06-27 21:20:38 | 日常記

海王丸のセイルドリルが行われた御前崎港を後にして、その帰りに立ち寄ったのが牧之原市相良町にある「相良油田」です。ちょっと行ってみたいと思ってたんですよね。
日本では数少ない油田なわけですが、お察しの通り今は採油していません。埋蔵量は少なかったんでしょうねぇ・・・。
この建物は資料館です。明治初期に採掘が始まって昭和中頃まで採油してたとか当時のここの町並み(畑ばっかりだが)のジオラマとかそういうのがありました。田舎の資料館という具合でして、味がありました。



これは再現された井戸小屋。手掘りの井戸で石油を採集していました。屋根に明り取りの窓が出っ張っているのが特徴です。南向きに据えられたあの窓から入った光は井戸の穴の中を照らすのです。
ちなみに辺りは「油田の里公園」というなんか中東の砂漠の中にありそうな名前の公園になっていて、この時は一族総出のバーベキュー大会みたいなのをやってました。申請すればバーベキューできるっぽいですね。でも、石油を燃料にして肉を焼くというわけではないようで残念。



小屋の中に入ると、なんの奇もてらわずに真ん中に井戸が居座っています。現役時代の井戸の跡地ではなくて新しく掘ったものですが、寸法は当時と同一とのこと。
手掘りですが、穴は柱と桟木で囲いながら掘り進めていきました。深さはだいたい100~180mが一般的。最深記録は255mでした。

井戸と説明板の間にある板状のものはたたらです。これを踏むと坑内に空気を送り込むことができるのです。こうやって空気を坑内に送ってやらないと、坑内がたちまち酸欠になって坑夫がくたばってしまうのです。



いかにも油田の資材を転用したような時計の柱。井戸の穴の上に立てた櫓でしょうな。本物かどうかはわからぬ・・・。



ここだけ弥生時代でした。
基礎の高さがやけに低いな、というか基礎造ってあるのかしら?雨が降ったらすぐに床上浸水しそうですが。



資料館にあるジオラマ模型。設定年代は忘れましたが、たぶん末期の頃?
油田の周りだけひとけがあって、あとは山と田んぼだけという。今もそんなに変わらんぞ。



採掘道具とか汲み出しの桶とか井戸に吊るす滑車とか。



原油を汲み出している敏三(左)とたたらを踏んでいる久夫(右)。サービス残業もこれで10日連続です。



見学の最後に、実際の採掘場(油井)がひとつ残っているというので、見に行ってみましょう。公園を出てすぐの道路を少し歩くとこんな看板が目に入ります。



道が観光用に舗装されていなければ、本当にこの先に油井があるの?という道を入ります。周りは普通に人の茶畑ですからね。



行き着くところまで行くと、櫓がドンと建てられていました。やっぱりさっき見た公園の時計は油井の櫓を再利用したのかもしれない。



坑口は塞がれてました。残念。
ただしたまに調査のために採油されることがあり、その時は観光客向けに一般公開されてます。


ひと回りしたところで撤収、帰宅しました。
おしまい。