黒鉄重工

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ビクトリアの公共交通機関BC Transitについて

2014-11-18 22:04:45 | バス・航空機撮影記

今回はカナダのビクトリアの公共交通機関であるBC Transitについてでも。
BC Transitは、ブリティッシュコロンビア州の公共交通システムを担っている事業者です。当然ビクトリアでも運行されていて、ビクトリアの公共交通はこのBC Transitが一挙に引き受けている形です。むか~しは路面電車も走っていたようなんですけどね。見る影なしです。

私は自動車を持っていないので、移動には必ずこれを使うわけですが、なかなか初見殺しなバスでした。

以下、ビクトリア営業所(仮称)の話となります。



じゃあバスに乗ってみましょう。バス停を探します。はい、この頼り無さそうなポール1本だけです。
まずバス停の名前がない。次に時刻表がない。つまり今どこにいるのか、このバス停に停まるバスはどこに行くのか、上りか下りなのかすらわかんねーわけで。
これはかなり初見殺しだと思います。時刻表は必須です。事前に調べていったほうがよいです。バスには無料配布の携帯時刻表が備え付けられているので、乗ったら必ず手に入れましょう。



これは系統番号に行き先、さらには時刻表も載っている大変親切なバス停です。ダウンタウンやターミナルなどの主要停留所、複数の系統が停まる停留所ではだいたいこんな感じで親切です。
上のようなポール1本だけというのは大抵田舎です。

ちなみにビクトリアのダウンタウンにはバスターミナルとかバスセンターとかそういうのはありません。ダウンタウン全体に各系統のターミナルが散り散りに点在しています。言ってしまえば街自体がバスターミナルです。こんな感じに。
どこからどの系統が出るかなんて気の利いた案内はそこにあるバス停以外に無いので、頑張って自力で探してください。あとは観光案内所。



まあ何とか乗れました。じゃあ目的地まで座ってましょう・・・・と思った矢先。
運賃表がないんですね。もっとも、ビクトリア営業所の運賃は$2.5均一なので運賃表は不要なのですが。余談ですが、1時間程度乗るような中距離路線でも均一運賃なので、かなり割り切った値段設定だと思います。
で、重要なのは、次の停留所を表示してくれないので今どこを走っているのかさっぱり分からないことなんですね。じゃあ自動放送があるかといえばそれもない(極稀に停留所名を肉声で言ってくれる乗務員がいますが)。
ダウンタウンのような主要エリアならまだしも、時刻表にも載らないような小さなバス停ですともうお手上げです。グーグルマップのGPSと睨みっこです。今でも初めて乗る系統だとマジ気が抜けません。あとは「Please tell me when you arrive at this bus stop.」と乗務員にお願いするとかですね。
どうにせよこれもかなり初見殺しだと思います。客がプロならそういう仕様でもいいんでしょうけど全員がプロなわけじゃないのよ?

まあ大抵の場合はグーグルマップのGPS機能があればどうにかなると思います。頑張ってください。




今回のメイン。バスの車種です。ビクトリア営業所には大きく分けて6車種のバスが走っています。
まずはこれ。New FlyerのD40LF。New Flyerは北米の企業。D40LFが車種名です。
D=ディーゼルエンジン、40=40f(約12m)、LF=Low Floor(低床車)という意味で、車種名というより型式名のほうがしっくり来る感じです。随分とあっさりと分かりやすいものです。日本のメーカーのは複雑すぎです。私には理解できないです。
アメリカらしいバスだなあ、という印象です。日本のだと日野ブルーリボンに近いかな?行き先表示器はマグサイン式です。幕式よりもこちらの方が普及しているようですね。
ちなみにBC Transitのバスは(恐らく)全てのバスがノンステップバスです。結構な台数がいる中でこれはすごいなと。
車内の構造は日本のと同じ扉間のみノンステップで中扉より後は床が高いです。また、エアサスを使って前ドアの車高を低くし段差を抑えることも出来るほか、前ドアからスロープが運転席のボタンひとつで展開し、車いすでも段差なしで乗降が可能です。実際、車いすの利用者は日本のそれよりも多くいる感触です。D40LFはもちろん他の車種全てで可能です。



BC Transitの塗装は2種類あって、赤と青帯の旧塗装と緑と青帯の新塗装があります。ちょうど過渡期なんでしょうね。
それが混在しているのががこのD40LFでして、趣味的に面白いわけですね。塗装以外にも行き先表示器がLED式だったりヘッドライトがHIDだったりします。



D40LFの亜種、DE40LF。DE=Diesel Electric hybridという意味なので、文字通りハイブリッド車です。
屋根上のバッテリー機器などを収めた大型のカバーが特徴なのですぐに見分けがつきます。日本のバスでも同様な感じですね。



側面には大きくHybridの文字が書かれていますが、大抵の場合広告で見えなくなっています。



DE40LFの新塗装。D40LF系統の新塗装は後述のLFSに合わせたような感じで、側窓周りを黒く塗って連続窓風にしているあたりがそうと思わせます。若作り的なそんなのを感じます。



次はこれ。Nova BusのLFSです。Nova Busは北米の企業で、Volvo Busesの傘下です。LFSはLow Floor Seriesの略で、文字通りノンステップの低床バスです。
D40LFに代わる新型の40f大型バスで、現在も増備されている・・・はずです。新塗装ばかり見かけるので、おそらく旧塗装はゼロ。
フロントに後退角を付けた路線バスにしては大胆なデザインです。側窓は連続窓で、中々スマートでかっこいい。



イギリスのAlexander Dennis製のDart SLF/Pointer 2。Dart SLF(Super Low Floor)はシャーシでPointer 2はボディです。35フィート(約10.6m)の中型バスです。タイヤの経も小さいです。
BC Transitのバスでは一番日本のバスに近いデザインをしている印象です。エルガミオ/レインボーIIあたりに近いですね。個人的にお気に入り。
サイズが他のバスと違うこともあり、投入される系統は限定されています。だいたい3系統や24系統、25系統で使われている印象です。



こちらは新塗装。ほっとんど見ることがないです。レア物。



ビクトリアの路線バスで驚いたのがこれですね。二階建てバス。これ路線バスです。はい。圧巻ですね。
メーカーは二階建てバスの本場(?)イギリスのAlexander Dennisで、モデルはTrident3。2000年から投入されています。北米では初の投入実績となっています。
二階建てバス導入の理由としては、連節バスよりも定員が多い(と思う)、全長が普通の大型バスと同程度なのでダウンタウンなど複数のバスが同時に停車するようなバス停のレーンを圧迫しないなどが考えられます。
これは旧塗装。なかなか見ないです。



こちらが新塗装。二階建てバスの旧塗装は躍動感があって好きなのですが、新塗装は無難でつまらないものに。
二階建てバスもやはり投入系統が決まっていまして、その輸送力の高さを活かして50系統、70X系統、72系統など中距離路線や14系統など輸送量の高い路線に充当されます。
ちなみにこのバスはフロントに自転車を積載しています。BC Transitの全車が自転車ラックを装備しています。これを利用している姿も時たま見かけます。



Alexander DennisのEnviro500。Trident3に続く二階建てバスです。よりスマートになった印象です。
1階はTrident 3も含めてもちろんノンステップ。
こちらの旧塗装はまだ割りと残っている感じ。



新塗装。
無理して連続窓風のダミー塗装しなくてもいいと思うんだけどなあ。2階のフロントガラスは行き先表示器と一体感を持たせたほうがかっこいいと思うんだけど・・・。



最後はこちら。Chevroletの4500classのシャーシにARBOCのSOM28D(Spirit Of Mobility)のボディを装荷した小型バスです。これでもノンステップなのには感心。
上記の組み合わせの他に数種のバリエーションがあるようですが、基本的な車体スタイルはいずれもこのような感じです。
ミニバンがベースと思われる車両です。日本ではいすゞエルフのシャーシにマイクロバスのボディ乗っけたやつとかそんな感じですかね。
輸送量の少ない系統に充当されるほか、写真のようなHandy DARTという戸口から戸口へ運んでくれる障害者用のチャーター便みたいな運用にも使われます。
一般の路線バスに充当される場合は時刻表にCommunity Busの注釈が入るので簡単に判別できます。


以上となります。中々楽しいです。
ビクトリアには鉄道の被写体が無いので、今後はバスばかりの撮影になると思います。細かい個体差なんかも紹介していくと思います。というかそれくらいしかすることがないんですね、はい。
ではでは。