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世界金融危機と心の病理

2008-10-16 19:17:20 | 現代日本および世界
今回は田原克拓先生が、世界金融危機と心の病理の原因が本質的に同根であることを明解に解説したレクチュアを掲載いたします。ーー

「●今、そこにある危機「金融不安」についての解説・・

すでにどなたもよくご存知のとおり、世界的な規模の「金融不安」が起こっています。
この「金融不安」は、もともとはアメリカの金融機関
(銀行、証券会社、など)が引き起こしました。
「サブプライムローン」という金融商品が
「売れない、買わない」という事態になり、
巨額の不良債権が発生したことが直接の原因です。

コンピューターをつかって「証券」という金融商品を複雑に組み合わせたので、
さながら、地面の下に広く根を張る巨木の木の根のように
掘り起こして調べるまでは誰にもよく分からない
という現象が「サブプライムローン」という金融商品です。

●「サブプライムローン」についての解説

「サブプライムローン」とは、
アメリカの低所得者向けの「住宅ローン」のことです。
アメリカでは、「金融商品」の一種として、
「住宅」が「値上りすること」を絶対の条件にして、
値上がりするごとに融資していました。
この「融資」の分をアメリカの国民は、
世界各国から輸入した商品を購入していました。
「バブル」をつくりつづけてきたのです。

もともと「低所得者」へのローンだったので、「ローンの支払い」をできない人が続出しました。
アメリカの国民(低所得者層)は、
「投資」の法則性を正しく学習していないまま、
「ローン」という「バブル」を膨らましつづけました。
返済の見込みもない、返済する自覚と知性もない
「借金」だけの生活をくりかえしてきました。
このような生活パターンをチューインガムのように
どこまでも引き延ばす技術が、
ノーベル賞級の金融工学者がつくった「バブル性の金融商品」です。
「金融派生商品」(デリバティブ)です。
その究極の金融商品が「サブプライムローン」であったわけです。

アメリカの「金融機関」は、
この「サブプライムローン」の金融商品を世界中に売ってばらまきました。
このために「アメリカの金融不安」が世界中に広がったのです。

●日本に迫っている「金融危機」についての解説

日本の「金融機関」は、
「比較的損害は少ない」(ダメージは軽い)といわれています。

その代わり、日本は知る人ぞ知る「超低金利」(政策金利)で
日本の国民に渡されるはずの「金利」の分のマネーを
アメリカの国債を買ったり、日本の大企業に投入し、
さらに、政府主導で日本の株式市場へと
「個人投資家」のマネーを集めて
「三つの過剰」(人員、設備、在庫)を解消して、
「不良債権」(日本のバブルがつくった不良債権)を解消してきました。
この「間接性のバブル」による擬似健全性の企業体質が、
今、「円高」となっています。
「円高」は、輸出型の企業の収益を減らしているといわれています。
アメリカ発の「金融不安」は、日本にはこのように波及しています。

日本の株価(東証)は、10月10日の時点で「8200円」となり、
5年前の株価の水準に戻ったと伝えられています。
個人投資家の資産は、約125兆円の含み損を抱えるか、
消失したと報道されています。(大和総研による)。

●「バブル性の商品」についての解説

このことは、何を意味するのか?というと、
「バブル」という投機的な膨張を支える「実体経済」への投資が
おこなわれてこなかったことを意味します。

その典型が「分裂病」を「統合失調症」と言い換え、
「薬物療法」を固定化させたことです。
「薬」を与えつづけて、何年にもわたって放置し、
「障害者年金」を支給して無能力化するという「医療」は、
実体経済への「投資の不在」を象徴します。

「分裂病」とは、特別な病気ではありません。
「人の目が気になる」とか「人から悪く言われている」などの妄想を
つねに意識して「対人関係」に緊張する心の病いです。
日本人は、もともと
「見る」「見られる」という「視線」を中心にして人間関係を考え、
理解して、不安や安心を感じつづけてきました。
これが「分裂病」の本質です。
このような問題の本質の解明や対策を放置して、
病気そのものを固定化させる、
という思想が「統合失調症」という言葉への言い換えです。
このために、ニート、フリーター、ネットカフェ難民、不登校、
年間3万人以上の自殺者の推移、などというように、
「人材」という資源を衰弱させてきたのです。

同じことは、「うつ病」にもあてはまります。
アメリカの「DSM‐IV」という診断基準が導入されて、
「症状」が該当すれば「抗うつ薬」を処方する、
というブローカー的な医療がおこなわれています。
「うつ病」の人間的な考察や対策への投資はおこなわずに、
「不登校」「年間3万3千人の自殺者が10年もつづく」という
「解体」だけがおこなわれています。

●日本人の脳の働かせ方が「バブル性商品」を支持してきた

このような、お金をつかった結果、
何の有益な結果ももたらさない役に立たないサーヴィスや商品のことを
「バブル性の商品」と定義することができるでしょう。
バブル性の商品は、なぜつくり出されるのでしょうか?

人間の脳の「大脳辺縁系」にある「トカゲの脳」(中隔核)が
「脳内の最高の快感のドーパミン」を分泌する記憶が生み出します。
このトカゲの脳を働かせるのが
「ブローカー言語野の3分の1のゾーン」での言葉の憶え方です。
日本人は、「人が自分を見る」「自分は人から見られている」
という距離の無い対人意識で「自分」や「人のこと」を考えてきました。
これは、人と自分は距離のないことが当り前で、安心することだ、
という「言葉の憶え方」になります。

ブローカー言語野の「3分の1」のゾーンは、次のような特質をもっています。
(1)クローズアップの視覚のイメージを思い浮べる。
(2)相手と自分は、皮ふ感覚のレベルで、触覚的につながっていると認知する。
(3)丸暗記しかできない。
(4)言葉の「意味」を記憶できない。
(5)短期記憶しかできない。
(6)行動が止まると、憶えていたことを忘れる。
(7)指示する人、命じる人がいないと「行動」が止まる。
 (半行動停止状態になって、不安や恐怖のイメージを思い浮べる)

このような日本人の「脳の働かせ方」が「バブル性の商品」を生み出してきました。
また、政府主導の「バブル性の商品」
(超低金利や、株式への投資)を下支えしてきたのです。
また、「統合失調症」という実体への「フタ隠し」を許容し、
DSM‐IVによる「抗うつ薬の消費」を受け容れてきたのです。
ごく一般的に見られる「バブル性の商品」とは、次のようなものです。

(1)川島隆太の脳トレ(丸暗記によってうつ病をつくり脳をシバりつける)
(2)茂木健一郎の「鶴の恩返し暗記法」
 (超丸暗記の方法で、転職、派遣などの仕事が変わるとうつ病になる)
(3)日本の暗記主義のテスト中心の教育制度
 (不登校をつくり出す。子どもの自殺、いじめの背景にもなる)。
(4)心の病いの薬物療法(企業の中の働く人にうつ病が増えつづける)・・」








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