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ルードヴィヒ・ルネサンス46 ~2019年1月5日~

2019-01-05 00:00:00 | 音楽
《新たな時代》

2019年あけましておめでとうございます。
  昨年春には、父のピアノ作品を生誕100年の記念日にトッパンホールで演奏するという、またとない機会があり、多くの皆様の応援、ご協力により成功に導いていただきました。ほんとうにありがとうございました。

秋にはPFAの本拠地春日井市で「勝川藝術祭」に参加し、画家の古井戸芳生、バレエダンサーの渡辺茉里奈、ハンマーダルシマー奏者の稲岡大介、チェンバロ制作家安達正浩各氏とのコラボレーションから、音楽から学ぶべきもの、芸術から得られるものの深さに触れる機会を得て、新たな時代に向う予兆のようなものを感じています。

クリスマスには、春日井高等特別支援学校音楽部と堀内久世によるハンドベルとオルガンのコンサートが18回目を迎えました。

思えば18年前にピアノカレッジ・ルネックをJR勝川駅前で始めることになった時、独自のシステム5stepカリキュラムを考案し、恩師の寺西春雄先生に目を通していただきました。「これは面白いね。発表するように」と言っていただいたにもかかわらず、しっかりとまとめるまでに至らないうちに先生が他界され、そのままになっています。

これまで、5stepの方針に基づいてグループレッスンで皆と学び、私自身も学び続けて来ることができました。やり残しているもう一つの宿題をやり遂げられるのかが、次の課題です。
私たちは流動的な時代の空気を感じ、地域や自然環境の中で、その時々の気分に左右され、翻弄されながらも、それぞれの道を日々暮らしています。戦争の時代を生きてきた父や恩師たち、ひいては多くの先人たちの物言わぬメッセージは、愚かな争いのない「平和」の一言に違いないと思います。素敵な音楽、楽しいダンス、アート作品…。

幸多き一年となりますように
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ルードヴィヒ・ルネサンス45 ~2018年10月5日~

2018-10-05 00:00:00 | 音楽
《続・時代の変換》
 
 勝川という街は、JRの駅を中心に急激に発展してきました。なんといっても商店街が元気です。
 
 今年18回目を迎えるホテルプラザ勝川でのクリスマスコンサートは、春日井高等特別支援学校音楽部と堀内久世によるハンドベルとオルガンの協演という内容です。この催しが始まった2001年は、7階建てのビル、ルネックと新しいホテルだけが目立ち、雨が降ると足元がぬかるむようなバスターミナルから、当時の名古屋空港へ向かったことを思い出します。

 ちょうどその頃、「新しいピアノ教室」を思案中だった私は、当時の事務局長のご尽力によって、ルネック主催事業として開講することになりました。以来、新しいチャレンジの連続ですが、P.F.A.(ピアノ・ファイブステップ・アソシエーション)として、関係者の皆さんと共に歩み続けています。この秋からは、その間に完成した「ピアノの絵本」を教材にして、モンテッソーリ「カトリックこどもの家」でP.F.A.オリジナルの音楽教育法「5stepカリキュラム」を展開しています。
 
 5stepとは、一言でいえば時間の流れとともに生きるという事です。言葉にならないすべてのことを含有する「世界」であるにもかかわらず、私たちは言葉を使い、コミュニケーションをとっています。この世に生まれてから成長に伴って、言葉の約束を覚え、感覚と結びつける子供時代。更に学んで認識を広め、社会人として成長していく時代。大人として、更に「感性」を磨いていくその後の時代。

「言葉を超越した世界」を私達は持っています。例えば音楽の世界、絵画の世界、自然と触れ合うその時々。子供にも大人にも大切な「この世界」をともに歩みながら、自分の中の「その世界」を確認し認識する必要があります。
 
 勝川藝術祭が10月29日(月)から一週間開催されますが、どのような輝きが発せられることか、期待と喜びがわいてきます。
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ルードヴィヒ・ルネサンス44 ~2018年7月5日号~

2018-07-05 00:00:00 | 音楽
《時代の転換》

「伊藤毅生誕100年記念コンサート」は5月3日に無事終了し、各方面から興味深い内容のコンサートとご高評いただきました。
コンサートの報告を吉野武彦さんが書いてくださり、EWEウェブニュース№.297(6.12)に掲載されました。
http://www.ewe.or.jp/archives/3803

新潮社「波」7月号に連載中の山下洋輔旅日記にも取り上げていただき、コンサートの全容が再現されています。すべてにおいて大変感謝すべき結果となりました。皆々様に感謝です。

 今回のコンサートをきっかけに、伊藤毅の生まれた1918年の出来事を挙げてみると…。
1月:英国からウラジオストックへの共同出兵の提案。ウィルソン米大統領が十四か条の平和原則を連邦議会で発表。2月:英国選挙法改正で30歳以上の女性も参政権を得る。3月:ドイツ軍がパリへの砲撃を開始。4月:英国空軍創設。日英両軍が慰留民保護の為ウラジオストックに上陸。東京女子大創立。6月:英政府からシベリア出兵を要請。イマヌエル・カント(1724-1804)の「実践理性批判」邦訳。7月:児童雑誌「赤い鳥」創刊。シベリアへの日米共同出兵を同意。8月:英米仏軍とシベリア出兵を宣言。9月:日本初の本格的政党内閣、原内閣成立。11月:オーストリアが休戦協定に調印。ドイツ革命が起き、皇帝ヴィルヘルム2世がオランダに亡命。ドイツが休戦協定に調印して第一次世界大戦が終結。(ウィキペディア、他)

 苦渋の決断を迫られた日本と欧米の関係が浮き彫りになってきます。私が注目したのは、ドイツのプロイセン王国時代(1701-1918)-1788年に書かれたカントの著書が130年後にやっと邦訳されたという事実。その「時間差」と、ユーラシア大陸の東端に位置する日本との「距離」を再確認-その距離は今も変わらないのです。

 技術の進歩によって時間差は短縮されました。今こそ自己認識を深め、それぞれの選択をして学ぶ時。次の扉を開いて前へ進むべき時と思います。
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ルードヴィヒ・ルネサンス43 ~2018年4月5日号~

2018-04-05 00:00:00 | 音楽
《コンサートに寄せて》

 「ピアノソナタ第3番」…30年ほど前、初めてこの曲を弾くことになった時、譜面が音符で埋め尽くされるほど書き込まれた難曲だと思いました。出された楽譜は何でも弾くという若さと勢いで弾いてしまい、それがCDになっています。しかし、本当にこんな曲だったのかしら、という疑問がずうっと課題として私の中に残っていました。

 ある童話作家の戦国時代のお話を読んだときに、「このゾクゾク感は知っている」、と思いました。父毅の曲の底に流れているものとピッタリ合うように思ったのです。それを合わせてみることにしました。そして出来上がったのがオペレッタ『種子島』…「火縄銃と見た夢」-松原喜久子原作と「ピアノナタ第3番」を合体させたのです。お話からそのまま台詞を載せていくとすらすらとはまっていくのが本当に奇跡的。不思議な体験でした。

 ソプラノの黒川京子さんのご協力があり、オペレッタ『種子島』(ソプラノの黒川京子、山本由佳子、メゾソプラノの牧野庸子、バリトンの笠井仁、ピアノは堀内久世)を上演しました。

 今度の5月3日のコンサートでは本来の姿のピアノ曲として、作曲者・伊藤毅の生誕100年記念コンサートという機会を得て再挑戦することになりました。

 クラシックの名曲であれば、「あの人がこう弾いた」「今度はこの人がさらに深めてこう弾いた」というように名演奏が残っていくものです。しかし、この場合は、永い間私の中で熟成してきたものが、今回はどのように表現できるのかという、なにか独り相撲のような再挑戦になっています。細かく書き込まれた内容を楽譜通りに弾くことが求められ、聴く方は自由に聞いていい、そんな音楽です。

 第二部一曲目は「練習曲ロ短調」…父のいとこでもあるジャズピアニストの山下洋輔さんをお迎えし、連弾アレンジで全く違うテイストを聴いていただきます。また、100年前に青年プーランクが書いた4手の為のソナタ、山下洋輔のオリジナル曲「キアズマ」もおたのしみに・・・
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ルードヴィヒ・ルネサンス42 ~2018年1月5日号~

2018-01-05 00:00:00 | 音楽
《伊藤毅生誕100年に向けて》2

 2018年、あけましておめでとうございます。

 毎年行ってきたクリスマスコンサートは17回を数え、新春サロンは12回目となりました。前回、ショパン最後のマズルカを聞いてくれたバレリーナの渡邉茉里奈さんとのコラボレーション、「レ・シルフィード」が今回実現します。

 伊藤毅生誕100年記念コンサートでは時代を超えた父とのコラボレーションとして、伊藤毅のピアノ作品を演奏します。
(5月3日pm2:00トッパンホール)

 生前、父が家にいる時はいつも、あらゆるクラシック音楽が鳴り響いていました。特にベートーヴェンが好きで、ケンプの弾くピアノソナタ全32曲を隅々まで聴きこんでいたようです。それをシャワーのように浴びて育った私は、何にそこまでひきこまれるのか不思議に思っていました。それを探求するために全32曲を弾くという機会を得て、勉強することができました。以前CD制作の為に弾いたことがある父の「ピアノソナタ3番」を今の私なりの演奏でもう一度聴いていただきたいと思っています。

 記念コンサート実行委員会メンバーの吉野武彦さんは2012年EWE早稲田電気工学会第52代会長を務められた方です。1987年・第26代は伊藤毅。さらに1944年・第5代は黒川兼三郎。こんなところに母方の祖父の生きた痕跡を見つけることができました。黒川兼三郎(早大教授)の次女でピアノと油絵をしていた芳子は1948年に黒川の弟子の伊藤毅と結婚。戦時中から戦後のことはあまり語ってもらえなかったのですが、1949年に芳子が描いた新婚の二人の肖像画からは、その後の日本の躍進を予感させる勢いを感じます。身近なところから歴史を辿っていくことで実感としての「認識」を持てるものです。

 私たちの命の不思議な現象は、「5億年のファンタジー」としてジャズの山下洋輔さんとのコラボレーションを続けています。40億年の地球の歴史にまでロマンが広がっていきます。
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