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あれこれ雑記

鰒形大明神

2017-10-01 12:49:55 | 日記

津村順庵の譚海(巻の八)に北茨城市にある鮑形大明神の礒出し大神楽ことについて詳しく書いています。
鮑については万葉集には、幾首も詠まれています。
 伊勢の白水郎の朝菜な夕なに潜くとふ
 鰒の貝の片思にして
森澄雄先生は秋らしい句ですね。
夕焼けの ながかりしあと 鮑食ふ
何と言っても、鮑がステーキ同様の料理されたり、なかなか高値な食材です。礒の片思いは食いものにも及んでいますね。
津村順庵先生は、七二周年に当たる天明七年二月の初酉の日に来合わせました。神主さんが昔からの書きものに従って式が始まります。水戸家からも警固者が出ます。経費はかなり懸かりますので、二、三年前から予めの用意がされました。
神号は鮑形大明神で、応神天皇が垂迹、五穀成就が祈願です。御神体は鮑で潮水の満たされた壺においでです。七二年もの歳月経ています。潮は少なからず減っています。そこで御貢浜で新たな潮水が加えられました。此の潮水の多寡によって農作の良し悪しが占われます。供奉するのは、威儀を整えた稚児を始めとする神輿の行列が神社から、拾里四方を通行し、前後七日に及ぶ大祭礼が行われます。往古には奉幣使下向があり、そのため水戸藩からの警固ともなり、東鑑にも記載されています。


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