野に撃沈

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。ペンタックスK10Dをバッグに野山と路地を彷徨中。現在 野に撃沈2 に引越しました。

初秋の花

2008-09-11 | 野の花
 あれだけ暑かった夏もどうやら峠を越したようだ。二十四節気も立秋、処暑、白露と進んで、何時の間にか降り注ぐ陽射しもさほど苦ではなくなった。

 秋の七草の初めの萩。鹿鳴草、秋知草、野守草の古名も良い。



 ススキの下にナンバンギセルを見つけた。例年より色艶が鮮やかだ。


 ヒヨドリジョウゴが秋のおだやな日を浴びている。


 同じような花だが、こちらはアメリカイヌホオズキ。


 ゆっくり歩いていると踏み出した足の先から虫たちが次々と飛び跳ねて行く。このショウリョウバッタは擬態しているかのように、手を差し伸べても動こうとしない。


 図鑑で調べるとアカスジキンカメムシの幼虫のようだ。流石にこれは手にとれない。


 キンミズヒキにはコガネムシ。


 ツユクサにはシジミチョウが止まっている。



 散策していると一番目に付くのは、可愛らしいピンクの花をつけたキツネノマゴだ。


 珍しいことに白花もあった。


 湿地帯まで来た。この辺は里山風景が保存され、狭いながら田んぼも作られている。


 普通の稲に混じって黒米も植えられていた。


 あぜ道にはタコノアシの花も咲いている。



 ツリフネソウ


 ハッカ


 ツルマメ


 ヤブツルアズキ


 ジュズダマ

 秋の花は春や夏のそれと違って、優しげなそれでいてどこか儚げな雰囲気を持つ花が多いように思える。

 生垣から顔を覗かせているのはサネカズラの花だ。


 ムラサキシキブの実も段々と鮮やかな色彩に染め上げられてきたようだ。


 白露の第一候は草露白(くさつゆしろし)、第二候は鶺鴒鳴(せきれいなく)、そして第三候は玄鳥去(げんちょうさる)と季節は秋の真っ只中に移り変わって行く。

富山県中央植物園

2008-09-08 | 植物園
 富山県中央植物園はJR富山駅からバスで20分、植物園入り口バス停で降り、更に10分以上歩いた所にあった。

 入園料は600円と少し高いが、その分施設は充実している。入園口すぐのサンライトホールからは特色のある5つの温室へ行くことが出来る。屋外施設は中央の花のプロムナードで世界の植物ゾーンと日本の植物ゾーンとに2分されていて、それぞれ真ん中に大きな池を擁している。平成8年開園、約25ヘクタールの敷地に国内外から集めた5000種以上の植物を展示している。私のよく出かける神代植物園より僅かだが広さ、植物の種類ともに多いというのはすごい。

入口すぐ脇には熱帯スイレンやハイビスカスの鉢が並べられていた。




 ラン温室を覗いてみる。

バンダ

 熱帯雨林植物室にはヘリコニア・ガリバエア、通称「ロブスターの爪」がさいていた。


 葉の模様が博多織に似ていることから名付けられたハカタガラクサ


 雲南温室のギンコウボク。中国雲南省と友好提携していて、約600種の植物を温室と屋外に展示している。


 香りのよいゲッキツ(月橘)



 北池越しに見た展示温室。手前はオオオニバス





 ナツズイセン


 日本在来種のオニバスの花。



中央の花のプロムナードをこえると日本の植物ゾーンへと入る。
 照りつける陽射しを浴びて真っ赤なハマナスが咲いていた。


 秋を感じさせるススキとオミナエシ


 マツムシソウ


 エゾリンドウ

 
 一番奥まった所はミズナラ、ブナやコナラ、シイなどの森になっている。ミヤマガマズミやナナカマドなどの秋の実が既に色づき始めていた。




 南池の周囲は沼沢や湿地の植物のエリアだ。ホザキシモツケの赤い繊細な色彩が池の縁を彩っている。



 サワヒヨドリ




 トチカガミ



 サワギキョウ




 時折、赤紫色のサワギキョウも見かけた。




 園内を3時間近くかけてほぼ一周してきた。東側の一角には芝生広場があり染めの植物や香りの植物がコーナーごとに分けられている。
 ツルパギア(ソサエティガーリック)はネギの臭いがする。


パイナップルリリーはアフリカ原産のユリ科の花。




 本当に工夫の凝らされた楽しい植物園だった。が、3時間ほどの在園中に出合った入園者は10数人足らず、作業中の職員の数とほぼ同じだった。見所の多い素晴らしい植物園なのに、どうして入園者がこんなにも少ないのだろう。とりあえず考えられるのはアクセスの悪さ。富山駅からのシャトルバスを考えたらどうかと、出口に置かれていた提案書に書いておいたのだが……。
 いつの日か機会があって再び来る時まで植物園が閉鎖されてないのを願うのみだ。


小浜線に乗る

2008-09-05 | 旅行
 福井の敦賀駅と京都の東舞鶴駅の間84.3kmを、24駅で結ぶJR地方線が小浜線だ。若狭湾沿いに走り、沿線には海水浴場が多く、三方五湖などの観光地もある。 全線単線で通常は2両のワンマンカーで運行されている。

 敦賀から乗り、降りる駅は何処にしようか迷ったが、海の近い所ということで若狭高浜駅で降りることにした。



 駅前の道を真直ぐ10分も歩けば海岸に出られる。古ぼけた民家の軒下に懐かしいホーロー看板があった。


 冬の寒風をしのぐためか、路地の地蔵も手厚く保護されている。



 この建物は「高浜町漁村文化伝承館」とあった。


 海水浴場にでた、流石に人気はもう少ない。


 明鏡洞と呼ばれる海食洞。


 城山公園を歩いてみる。突端の灯台付近では数人の若者がルアーフィッシングを楽しんでいる。






 遠く島にかかる海釣り桟橋も見える。


 漁港を見下ろす小さな祠があったので思わず手を合わせた。


 段々と日も傾いてきたようだ。潮を含んだ風もわずかだが吹き始め、火照った体に心地よい。


 夕景を撮るのが楽しみで来たのだが、今日はどうやら雲が多く、茜色の空は望めそうもない。


 釣り人たちも残された時間の中、何度も投げ釣りを繰り返している。





 雲間から差し込んだこの瞬間が最後だった。後は厚い雲にさえぎられてしまった。


 黄昏時の漁村特有の潮風を味わいながら、駅近くまでゆっくりと戻った。駅前のスーパーで缶ビールとつまみを買って、夕色に染まり始めたホームでのんびりと汽車を待った。





敦賀を歩く

2008-09-04 | 散歩
 池河内湿原行きのバスに乗り遅れ、歩いていける中池見から金ヶ崎公園方面をぶらつくことにした。雲ひとつない晴天で思ったより陽射しが強烈だ。途中の田んぼではもう稲の刈入れが始まっている。北陸本線沿いに小一時間歩いて中池見入り口へ。



 蓮田の向こうに管理棟が見える。


 昔ながらの田んぼの原風景と古民家はよく似合う。


 屋号なのだろうか「水」の文字がある。


 板塀の模様が洒落ている。


 田んぼの脇の草原にはミズトラノオやノアズキが咲いている。




 ヒメガマ


 トンボや蝶の種類も多いが、ちょうど昼前だったせいか少しもじっとしてくれない。暫く木道を散策してから金ヶ崎宮へ廻った。陽射しはますます強く汗が噴出して止まらない。


 天筒山城跡に立つ展望塔。


 金ヶ崎城跡の岬の突端、月見御殿からは敦賀港が見下ろせる。余りの景色のよさと人気(ひとけ)のなさで暫くここで休んだ。

 港では大きな貨物船がひっきりなしに黒っぽいアスファルト材のようなものを忙しげに荷卸している。


 山を降り金ヶ崎宮の境内を抜けた。赤レンガの倉庫や古い駅舎が立ち並ぶ一角に出る。


 北前船の帆をデザインしたモニュメント。


 人の顔の形をしたみなとつるが山車会館。


 すぐ近くには安部清明を祀った清明神社があった。境内はなく建物も意外と小さいので驚いた。


 こちらは随分大きい気比神宮。9月2日からの祭りの準備のためか、広い境内には夜店の屋台が置かれごった返していた。



 ここから敦賀駅まではシンボルロードが続く。駅に向かって左側に銀河鉄道999、右側に宇宙戦艦ヤマトのモニュメント像が27体飾られている。






 モニュメントを見ながら歩くと10数分足らずで駅に着いた。

駅ビルもなく親しみのもてる敦賀駅。

18キップ北陸旅行

2008-09-02 | 旅行
  上の写真は旧敦賀港駅舎

18キップを使って北陸方面へ3泊4日の旅をしてきた。目的はJRの地方線に乗ること、富山中央植物園と出来ればハイキング、越中八尾のおわら風の盆見学だった。植物園を除いては何れも中途半端な結果になってしまい残念。

 <旅程概略>
(一日目)  朝7時過ぎ自宅を出る→東海道線の普通列車を乗り継ぎ、岐阜17時到着。乗り換え7回乗車時間8時間半。ホテルに着いてから市内散策を2時間程する。長良川の夕焼けがきれいだった。

(二日目) 6時台の電車で大垣を経て米原へ→米原からは湖東線で敦賀へ9時前に到着。当初の目的地の池河内湿原はバスが行ったばかりでダメ。歩いていける中池見のハイキングに切り替える。ハイク後、敦賀港付近を観光。→敦賀駅に戻り小浜線に乗って若狭高浜へ、夕方になって雲が多くなり夕景色冴えず。→夜8時前に敦賀駅に戻る。→駅前の屋台ラーメンゴンちゃんでラーメン大盛り、これも評判ほどでない→敦賀泊ホテルがやけに遠かった。


 敦賀港貨物線



 小浜線の車両はこぎれいで気持ちが良かった。

 (三日目) 朝7時過ぎのバスで敦賀駅へ、北陸本線に乗る→福井と金沢で乗り換え富山に着いたのは11時→すぐにバスで富山県中央植物園へ、20分ぐらいで着き3時間見学、一日中居ても良いと思えるほど良かった。→30分歩いて高山線速星駅から越中八尾へ。小一時間ステージを見て、いったん高岡のホテルまで戻る。→どうしても夜の街流し踊りを見たくて、再び八尾へ。列車の混みようも半端じゃなかったが、やっと着いた八尾の町は人の渦で踊りに近づくことさえ出来ず、早々に退散。止せばよかった。→帰りの電車も混んでホテルに着いたのは10時半過ぎだった。



 (四日目) 朝6時に高岡を出て7時51分糸魚川着→大糸線に8時15分に乗って南小谷で乗り換え23分、11時32分松本着→1時間半の空き時間で昼食。13時小淵沢行きに乗る、1時間少々で到着→高尾行きに乗り換え、2時間半かかって16時32分高尾着→それから1時間弱、17時半過ぎ自宅到着。

 今日は嬉しくも10時間近く電車に乗っていたことになる。隠れノリ鉄としては鉄道を充分堪能できたので精神的には満足しているが、少々疲れた四日間だった。地方線に乗る楽しさはボックスシートに尽きる。今回もいろんな人とその人生を垣間見ることが出来た。旅をしながら、その途次において様々な人の人生模様、つまりそれも旅なのだが、を見ることが出来るのが嬉しい。


 糸魚川駅に停車中の大糸線の車両、一両編成トイレなしだった。

 以上4日間の交通費総額、2,300円×4+バス代370円=9570円。18キップは庶民の味方だ。