5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

抹茶リラックス

2019-08-08 21:33:18 | 健康

駅前地下にあるM茶舗で家人御用の抹茶を買った。20グラムで2000円。思ったより安い。いつも買い出しなどで世話になっている、近くの親戚の婆さんが抹茶を点てて飲むことを生活習慣にしているのだそうだ。家人御用達だった町内の茶舗が主人の高齢化と客離れで夏前に店を畳んでしまった為、久しぶりにM茶舗ののれんをくぐった。眺めみると抹茶を買っていく客がけっこう多いのだ。時節柄、我が家同様にお中元にする人たちも多いのだろう。

包装を待つ間に、薄茶が運ばれてきた。どうやら買ったブランドと同じものらしい。久しぶりの抹茶である。ゆっくりと味わいながら飲んだ。甘味があってスルリと喉元を過ぎていく。まことに結構といいたいところだが、昔、母親が点ててくれた薄茶はもう少し苦みがあって抹茶を飲んだ感覚が残ったものだったがと、ちょっと気持ちが引っかかった。何でも甘ければオイシイとなる今の世の中、どうやら抹茶も例外ではないようだ。

抹茶は世界的なブームになっていると今日の中日夕刊が一面で宣っている。「抹茶、ホントにホッと」という大見出し、「癒し効果 西尾産で実証」というのが中見出し、小見出しは「研究者は西尾出身の抹茶好き」である。

熊本大生命科学研究部が、抹茶には不安を和らげ気持を穏やかにする効果があるということを、西尾茶をつかって解明したのだそうだ。緑茶のリラックス効果はこれまでも経験則的に感じられてきたものだろうが、これで科学的にもそれが裏付けられたことになるのだという。

実験では、水だけを飲ませたマウスと抹茶を飲ませたマウスを使い、それぞれ開放的な場所と閉鎖的な場所を使って、5分間のマウスの行動を観察した。開放的な場に長くいられるマウスにはストレスが少ないという想定だ。結果は、水だけを飲ませたマウスが1分程度だったのに対して、抹茶を飲ませたマウスは飲んだ抹茶量に応じて1.5分から2分の間滞留をしたのだそうだ。抹茶量は人間にしてみると多めの一杯から3杯程度までということだ。

成分量からして茶葉を煎じて飲む緑茶よりも溶けにくい成分も含んだ抹茶の方がより高いリラックス効果が得られる可能性がある。抹茶を飲ませたマウスの脳は、ドーパミンやセロトニンの働きが高まっていたことから、抹茶が脳内の神経伝達物質を働きやすくすることでリラックス効果につながったと考えられるのだそうだ。

研究責任者の助教は西尾出身の抹茶好き。自宅や研究室に茶碗や茶筅を用意してあり、学生たちと茶会を開くこともあるという。

佐々成正、加藤清正、小西行長といった秀吉の重臣たちが治めた熊本の地であれば、太閤の好む茶の湯にも関心を持ちつづけたことだろうし、江戸時代の細川家歴代藩主も数寄好みであったわけだから、熊本藩校「再春館」の流れを汲んだ熊本大学が歴代領主たちも感じたかもしれない〈抹茶のリラックス効果〉について研究するというのも歴史の縁を感じられそうではないか。

M茶舗で飲んだ抹茶効果のおかげか、午後の灼熱万歩も腰くだけにはならずに済んだ。



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