5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

南砺のケースに学ぶ

2009-06-27 23:42:55 |  文化・芸術
東京と大阪の二つの歌舞伎座が新しく建直しの為、近々閉館するというニュースは最近よく耳にするが、今日は、「デジタル技術で歌舞伎を 富山の小ホール」という中日新聞のローカルニュースに注目したい。

「富山県の南西部、南砺市城端にある市営ホールの「じょうはな座」が最新のデジタル機材を導入し、歌舞伎公演を高性能カメラで撮影・映像化した「シネマ歌舞伎」を7月上旬に上映する。」のだとある。

南砺市城端伝統芸能会館が正式名称の市営「じょうはな座」はWEBで見ると、伝統の二階建て日本家屋を模した作りで、収容400席と小型。其の名のとおり、市内各地の伝統芸能の発表の場であるらしい。

今回、フルハイビジョンの映写機や大型スクリーンなどを新たに設備投資した市側のPR発表によると、「シネマ歌舞伎は、東京などではすでに時々上映されて人気が高まっており、気軽に歌舞伎の魅力を知ることができる良い機会になる」としている。

演目は、玉三郎の「鷺娘」、玉三郎・菊之助による 「日高川入相花王 (ひだかがわいりあいざくら)」、野田秀樹演出、勘三郎による「鼠小僧」の3作品と、なかなか面白そうな初回の演目であって、入場料は弁付きで3800円というから、魅力的なローカルプライス設定でもある。観光によるローカル活性化を行政の柱としている南砺市だから、観光集客にも効果的な文化的企画展開なら議会の承認や予算の獲得もしやすいのだろう。

ところで、我が街にも、地域文化活性化の手段という名目で建設された立派な公共ホールが、なぜか二つもある。いずれも、「じょうはな座」以上のキャパシティを持っているのだが、経済不況のあおりをモロに喰らって、企画集め、客集め、予算集めにはだいぶんとご苦労の様子である。自分のような素人から見ても、同じようなアーティストばかりが再演するなどというのは、担当のネットワークのなさを公表しているようなものだ。

「じょうはな座」のデジタル映画装置には700万でお釣りのくる予算をかけただけということでもあるから、魅力ある「文化」映画をシリーズ化して上映集客すれば、資金回収の難しい金額ではない。

常設映画館のない我が街でも、市営ホールにこれを設備をすれば、たとえば、他所で見ることの無い「小国独立系」の優れた映画や、NHKのデジタルアーカイブの連続上映や、音楽系なら「シネマ歌舞伎」の向うをはった「シネマ歌劇」の紹介などもやってやれないことはない。

テレビもデジタルになる世の中。映像ぬきには文化も語ることなできなかろう。だから、我が町のお役人さま、週末のETC高速料金を活用してひとはしり、南砺の「シネマ歌舞伎」を見ていらっしゃい。参考になるかもしれませんよ。













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