ロックダウンが続くパリだが、朝になればアパルトマンの窓をあけてフレッシュな空気を吸い込み、飛んできた鳥たちの合唱を聞く楽しさもあるというロイターのニュース。都市機能が停止したおかげで空気汚染度が減り、車の騒音が消えたからというわけだ。
同じく厳戒態勢下にあるヴェニスでも、名物の運河にはクラゲが悠然と泳ぐ姿が目撃されたと、こちらはabcのツイート。運河を走り回る船がなくなれば、水質が改善されて、アドリア海のクラゲも町中まで遠泳ができるということか。
地球温暖化とコロナウイルスの跳梁とはどこかで関連があるのではないかと思っているのだが、人間どもの過剰な経済活動が止まったために、自然が都会にも戻ってきたというのは、いかにも皮肉な出来事ではないだろうか。
今日の中日夕刊「世界の街海外リポート」には「コロナ禍による朗報」と題したソウル特派員の投稿が載っている。
「今年はミセモンジが少なくて快適でいいね」
という会話をすることが多くなったという特派員氏。ミセモンジ(微細塵)とは、PM25など大気中の微小粒子状物質のことで、毎年冬から春にかけてその濃度が高くなるのだが、今年は違ったというわけだ。空はすっきりと晴れ上がり、鼻や喉の不快感も少ない。
1月から3月までミセモンジ警報や注意報が出た回数は、昨年同時期の五分の一にまで減ったという韓国気象庁の発表だ。今年は北西の季節風が弱かったからだということだが、武漢のコロナウイルス爆発とちょうど時期を同じにしていることから、その関係を指摘する見方も出ているのだそうだ。
ミセモンジは工場からの排煙などが発生源。ウイルス発生で武漢を始め中国全土で経済活動が止まり、大気中に排出される汚染物質も減ったという指摘だ。
澄んだ空気の中で生活できるのはたしかにありがたい。だが、コロナウイルスに怯えて暮らすくらいなら、ミセモンジを我慢する方がましだ。「どちらもないのが一番いいのだが」というのが特派員氏の本音であるようだ。
ミセモンジ用に製造されたマスクがそのままコロナ用に回せたというのは、なんと間のイイことか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます