5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

田の草取りロボット

2014-02-17 22:09:46 |  経済・政治・国際
今日の中日朝刊「発言」欄に、「無農薬の農家広がって」という岐阜のK氏の投稿が掲載されていた。

TPPの外圧によって日本の農業は大打撃を蒙るという農業団体の反対はあるが、21世紀経済はグローバル化は避けて通れないのだから、量より質で勝負したらどうだという提案である。和食が世界的にブームになってきたのだから、高くても美味しい無農薬の日本米で世界に勝負を挑めとおっしゃる。

無農薬の米作りは田草取りが大変だというから、今流行のお掃除ロボットを改造して人力を軽減し、畜産業とコラボして質のよい堆肥を大量に供給してもらう。無農薬農業は周辺農家全体が協力しなくては経済的に有効ではないだろうなど、K氏は御歳83歳とは思えぬ柔らかなアイデアをお持ちである。

日本の農業生き残りのために必要なのは、農家の熱意、各省庁と民間相互の智恵と技術を結集することだと思う、と結んでおられるが、そのとおりだと思う。

GM(遺伝子組換)作物が生産される穀物の9割を占めているアメリカの集約農業、大手モンサントが全世界から指摘を受けたのもGMである。レイチェル・カールソンが「沈黙の春」で農薬を使う危険性を指摘してからすでに半世紀が経過したが、現在もリスクはなくなるどろころか、静かに増殖しているようである。

健康志向は人一倍にあって、ケミカルやGMの問題を強く認識するアメリカ人消費者も多いのだから、オーガニック(正真正銘の無農薬)農産品を日本のTPP対抗戦略オプションのひとつに据えるというのも充分にある話ではないのか。

朝日新聞の日曜版「グローブ」は、アメリカと中国の関係を読む特集を組んでいたが、「深まる相互依存」として、経済拡大とともに中国は食糧や肉類の確保という点からアメリカを頼りにしつつある。小麦、トウモロコシ、大豆は米国産が多くなっており、アメリカの豚肉加工業者が中国企業に買収されたと書いている。両国の相互依存はさまざまな分野で絡み合いはじめているというのだ。

こうした対中国食糧貿易が眼の前にぶら下がったアメリカの農業関係企業は今後さらに、天候不順などのマイナス条件にも強く収量の多い穀物や肉類を生産しようと躍起になるはずだ。そうなればGMは不可欠だろうし、強力な薬品を使った「量的」生産が正当化されるのだとすれば、日本農業がこれを真似て追従するというのは愚策であり、やはり「質的」生産に舵を切るべきなのだろう。TPPがあろうがなかろうが、日本農業の体質改善を急がねば。外国産品の攻勢にあうのは必死だ。

雑草を取ろうと田圃をくるくる動き回る「田の草取り」ロボット。イメージするだけでも楽しい。








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