5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

水着戦争

2008-06-08 21:54:41 | スポーツ
北京五輪へのトライアルともいえそうな競泳のジャパンオープンの最終日で、北島の世界新が出たというニュースは、記録とはまた別の意味で注目されるものになりそうだ。北島をはじめとする日本のアマチュア競泳選手とその管理母体である日本水泳連盟は、北京で使用する水着の選択で、ここひと月ほど、日本中に話題を提供してきたからである。

先週末には、NHKの国際番組でアメリカのTVニュースを中継していたから、この「日本の水着戦争」はすでに世界が知っている訳だ。もちろん、アメリカのゴールドメダリスト・フェルプス選手もご存知のはず。

イギリス・スピード社対ミズノ、デサント、アシックスの国内3社で文字通り国際レースを繰り広げることになったのは、水連の指定会社でないスピードが開発してたLZR(レーザーレーサー)という新型水着が海外の水泳選手の新記録連続達成に貢献している事実がはっきりしたころから。

はじめは知らぬ顔を決め込んだ水連も、海外からもたらされる情報にやや浮き足立ったのか、指定する国内3社に水着の改良を指示、ジャパンオープンのスタートに間に合うように準備させることに、その態度を変えて臨んできたのだ。改良指示ということは、すでに、スピードの製法が優れているということを水連が認めたようなもの。

突然、時間もなく改良指示をされるメーカーも気の毒だが、スピードの真似をしたどろなわ作業の現実はどうやらオ-プンの成績が示したことになる。

男子二百メートル平泳ぎ決勝は、北島が従来の記録を0秒99更新する2分7秒51の世界新。この記録を含めて最終日は計7個の日本新、オープン3日間で計17個となったが、このうち16個はLZR着用選手によるものだというのだから、日本勢惨敗というわけだ。

LZRはスピードとNASAのコラボで開発した超軽量の素材だというのだが、NASAとのコラボならば日本メーカーあたりでもいろいろと実施しているはずで、要は日本のスポーツメーカーの開発力不足ということになりはしないだろうか。

水連指定が3社あるというのもいささかウサンクサイ。水着に限らずスポーツウエアや器材の開発にもカルテル的な話し合い運営(談合ともいう)も可能だろう。そうなれば、競争というよりは協調の力が働きやすいではないか。

いみじくも、あらゆる場面で顕在化する、日本的な馴れ合い商慣行に、実績でNOを突きつけるスピードの力、恐るべしだが善しとしたい。




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