5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

春はあけぼの

2017-03-07 22:00:55 | 天候・気候
電子カレンダーで見ると今日の名古屋の日の出は午前6時13分だった。太陽のある昼間は11時間40分と知らぬ間にほぼ半分まで来ている。

東に向いた窓の下で寝ているから朝5時を過ぎた頃から窓の外がゆっくりと明るくなってくることがわかる。それにタイミングを合わせるように近くにある運送会社のトラックが家の前を通り過ぎると早朝出勤の自家用車が一台また一台と走り出すのだ。

冬の気温が戻った今朝は、窓外が明るくなっても暖かい蒲団から起きられなかった。トイレが近くなったから「暁を覚えず」という訳にはいかないのだが。

「春暁」「あけぼの」という季語について書いているのは「季語集」の坪内稔典先生。枕草子の有名な冒頭の部分が引用してある。

春は曙。
やうやう白くなりゆく。
山際少しあかりて紫だちたる。
雲の細くたなびきたる。

句点の効果で面白い読み方になっているが、これは新日本古典文学大系で渡辺実が示唆しているものだという。事物を個別的、即物的に表現する《枕草子》の特徴が一層はっきり出てくるだろうと坪内先生の指摘だ。

たしかに、文が一層クリスプになって明瞭な感じがしてくる。《枕草子》は俳句のさきがけのような本だと先生は云うがその通りだ。

そしてこの項の最後には自称曙派の先生の自作句が載っている。

  日本の春はあけぼの犬の糞

春のあけぼのは犬の糞まで素敵だというのだが、春眠派の自分は確認する術がない。


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