5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

かじかむ指先

2012-12-10 22:01:41 | 自然
昨夜が冷えたなと思ったら早朝の名古屋には伊吹おろしが運んできた雪が降った。裏日本はともかく、この辺りで12月初めの雪は珍しいことだ。雪は午前中に上がり積もることはなかったが、外気は低いまま。最低気温は
零下0.2度、最高気温も3.9度までしか昇らなかった。

こんな寒い日の万歩はやはりちょっと厳しい。低血圧で手足の末端に血液が巡らず、動かす足先はまだしも、手の指先が感覚がないほど冷えて痺れてくるからだ。いわゆる「かじかみ」である。スーパーやパチンコ屋のトイレを借りて手を洗い、熱風の出るハンドドライヤーを使うと、少しの間は楽になるが、すぐにまたもとの「かじかみ」状態にもどる。

「季語集」で坪内稔典はこの「かじかむ」を季語として冬の生活に分類している。「稲つけばかかる吾が手を今夜もか殿の若子がとりて嘆かむ」という万葉集の「東歌」を引用し、「かかる」というのがあかぎれができることだと云う。やさしい若殿を想いながら、あかぎれの切れた自分の手に息を吹きかけながら、冬の寒さに耐えた稲つきの娘達のいじらしさ、というわけか。「かじかむ」は近代になってことに愛されるようになった季語なのだそうだ。

自分の「かじかむ」指先も、あかぎれにもしもやけにもならずにすんでいる。外気は寒くても避難できる室内は暖房完備だし、結構にカロリーの高い食べ物を毎日食べられるのだから、昔の稲つき娘の辛さを感じることはないのだ。「かじかみ」の度合いが違うのである。

「ベツレヘムの星とおもへば かじかまず」 阿波野青畝





最新の画像もっと見る

コメントを投稿