5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

金沢の都心無電柱化

2013-07-12 22:28:08 | 社会
近頃の新しい住宅は道に面したファサード部分をコンクリートで埋めてしまうのが流行のようだ。結果、車路も歩道も住宅前庭も全面がコンクリート貼り。猛暑日が続けばヒートアイランドの原因をつくり、豪雨がくればオーバーフローのトラブルを呼ぶ。住宅前庭がガレージ兼ということなら、立木などがあっては却って駐車の邪魔。而して涼しい木陰をつくる樹木はどこにも見られない。

そんな炎天の歩道を歩くと、立ちはだかるのが電柱。ここにくれば車路に半身を出しながら回り込む面倒を幾度もくりかえす馬鹿らしさ。見上げればでっかい柱上トランスのその上にカラスが数羽、下の人間を睥睨しながらカアカアとあざ笑う。

中心市街化の工事がすすんでいる駅前だが、邪魔な電柱はどうやらそのまま残るらしい。美しい市街ではないが、電柱ぐらい埋設したらどうだと前から考えているのだ。そんなとき、NHK金沢のニュースが「無電柱化予定の現場を視察」というリードで報道をしているのを見つけた。

金沢市は、景観保護や歩行空間確保を目的にした市街の無電柱化を昭和61年から継続的に実施しているのだというから、今年で27年という長丁場である。コストもかかることで、これまでの実績は都心地域の市道全体の8%に留まっているのだそうだ。

今年度は浅野川の右岸、「ひがし茶屋町周辺重点整備エリア」の卯辰山麓地区が計画現場。今日は現場視察の日だったわけである。22ヘクタールの地域に寺や神社が39か所、伝統的な町家がおよそ800棟残されているというから、電柱の有り無しで町の景観はおおきく変化することだろう。

どうやら、平面展開には予算がかかりすぎるらしく、線展開らしいから、担当委員としても何処を無電柱にするかを決めるのは頭の痛い作業になるはずだ。

金沢市のHPにある「無電柱化プラン」の頁には、重点エリアが地図化されているが、今年対象の「ひがし茶屋町周辺整備エリア」のほか「駅前周辺」「金沢城周辺」「兼六園周辺」「西惣構跡周辺」「片町香林坊周辺」「寺町周辺」と7分割され、ほぼ中心市街地全体が対象になっている。

無電柱化には「完全地中化」のほか、「裏・脇道配線」「軒下配線」「既存ストック活用」「小型トラフ方式」「ソフト地中化」などさまざまなコストカットの方法があるようだが、これらを組み合わせたものが「金沢方式」ということになるらしい。

北陸新幹線の開通カウントダウンが始まろうとする今、行政としては、こうした「都市美化」への取り組みを広くアピールしたいところだろう。歴史文化都市を標榜する金沢であれば、ここは慌てずにじっくりと進行させるべきだろう。

既存の古建物をいたわりながら「金沢方式」で進むやり方があるのなら、スクラップ&ビルド式に灼熱の地面を掘り起こしているわが町の無電柱化などいともたやすく見えるのだが、、、。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿