5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ベートーベンの誕生日

2009-12-17 22:29:17 |  文化・芸術
チャールズ・シュルツの人気漫画『ピーナッツ』の登場人物に、おもちゃのピアノでベートーベンを弾く音楽好きのシュローダーがいる。

今日は彼にとって一年で一番大事な日かもしれない。ベートーベンが生まれたのが、1770年の12月17日ごろ(16日とも)といわれている。記念すべき239度目の誕生日である。

スヌーピーカレンダーのこの日には、皆がベートーベンの第9シンフォニーを聞き終わったところに、ルーシーがケーキを持って「ハッピィバースディ・ベートーベン!」と現われるところが描かれている。

だから、自分も今日はシュローダーを真似て、ひさしぶりの第9を聞きながら万歩することにした。

IPODに取り込んだのは、アンドレ・クリュイタンスがベルリンフィルを指揮したステレオ初期の録音。オランダのディスキーという廉価ブランドのCDからだが、結構音の分離はよく安心して聴けた。演奏も、ソリストこそ地味だが、堂々とした正統的なベートーベンで、時代のせいか今のBPOよりも線が太いように感じるが、どうなのだろう。

さて、チャールズ・シュルツが77歳で亡くなったのは2002年のことだから、すでに10年が経過ているが、子供と動物だけが出演者の『ピーナッツ』は、あいかわらず世界中で人気があるようだ。1950年以降50年にわたって自分ひとりで描き続け、全部で18000本にもなるというからスゴイ話である。

いろいろなものを失くし、皆から反対にあう主人公のチャーリー・ブラウン。小説家志望でパイロットにもなりたいビーグル犬のスヌーピー、誰も信じられない怒りんぼうのルーシー、安心毛布がないと安心できないライナス、スポーツが巧みなペパーミント・パティ、などなど。

愛すべき面々の特徴ある性格は、それぞれがすべてチャールズ・シュルツ自身の性格の一部分であって、『ピーナッツ』のエピソードは皆シュルツの経験に基づいているというのは、漫画家自身が語っていることのようだ。だから、熱狂的なベートーベンファンのシュローダーも、彼のクラシック好みを反映しているということになる。

漫画家の死後、2002年には、カリフォルニア州のサンタ・ローザに、チャールズ・シュルツ・ミュージアムが開館、近隣には彼の住居兼仕事場が残されて、『ピーナッツ』の制作現場が現状保存されているのだそうだ。クリュイタンスがの録音が1960年あたりとすれば、『ピーナッツ』がシリーズ漫画として売れ始めて10年経過したあたりになる。

ベートーベン好きのシュルツなら、当時新譜のベストセラーだったはずのこのクリュイタンス盤を聴いたであろうことは、ほぼ間違いない。シラーの詩を口ずさんで、音の流れに体を揺らしながら、犬小屋の屋根でひっくり返って瞑想するスヌーピーの姿を描くところを想像するなんて、なかなか楽しいではないか。










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