サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

優しくなりたい

2016年08月25日 21時44分25秒 | 介護日記
今、笑顔でサキさんの特養に面会に行けるのは、日々のせわしない介護から解放されたからだろうな。

人間はだんだんと記憶が薄れていく。
その中で、嫌な思い出、苦しい思いも、次第に薄れていく。

気が付くと、サキさんと過ごした楽しい思い出しか浮かんでこない。

でも実際には
テレビのリモコンを投げ飛ばしたり
大声で喚き散らしたり(もちろん、私が)
扉を思いっきり蹴飛ばしたり・・・

発狂寸前だった

今なら、きっと笑い飛ばせるようなことにも、一つ一つ目くじらを立てていた。

今なら、もっと優しく介護ができていただろう

こう思えるのは、実際に今、介護をしていないからだろう。
認知症の知識や、理解が進んでも、毎日の時間に追われる介護では、きっと同じことの繰り返し。
今は、介護に追われていたときの辛さを忘れているから、きっとのんきなことが言えるんだろう。

今も、在宅で慌ただしく介護に追われている皆さん。
決して無理はされないでください。
サキさんは、相性が悪くてダメだったけど、ショートステイを上手に利用し、少し離れてゆっくりできる時間を、一人になれる時間を、自由に振る舞える時間を、作ってください。

介護者が生き生きしていないと
介護者が笑顔でいないと
介護者が幸せな気持ちでいないと


きっと、介護される人は、どうしようもない悲しい気持ちになるでしょう。

2年前の荒れていたサキさんは、私のイライラを、そのまま写し取っていたんだと思います。
私がもう少し、穏やかでいられたら・・・。
もう少しゆとり(時間や心に)を持てていたら、もつ努力をしていたら

まず、介護する人が笑顔でいられますように。
笑顔っていいですね。優しくなれますね。
優しくなりたいですね


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夫64歳要介護3 (富江)
2016-08-26 12:44:30
いつも、拝読してます。私の夫も63歳で認知症発症、10年在宅介護、今年1月から特養入所貴方様と同じく限界でした。鬼のような顔で介護、今とても優しく夫に出来ます。一番辛いのは夫だったのに分かろうとせず、自分の辛さばかり訴えました。私は、過去を振り帰らない事にします。夫、私の為にも今が最善の選択だと自負してます。
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富江さんへ (サキさんの夫)
2016-08-26 20:41:04
富江さん、10年もの在宅介護、お疲れ様でした。
「今とてもやさしく夫に出来ます」富江さんのこの自信に満ちた言葉が、とてもうれしいです。私も励みになります。
本人の為にも、介護者の為にも、今の選択が一番だったのだと思います。思いたいです。
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