◇パークゴルフとは?
グランドゴルフをベースに、更にゴルフ的要素を加味したものです。
コースは天然芝、ホールは実際にゴルフのように穴を開けます。
ミニゴルフのような景観で、初めての方は、あまりにもホールが大きいのでビックリされます。
◇パークゴルフのグリーンとは?
⻑年パークゴルフをされている方でも「ゴルフのグリーン」のようでなければならないと
誤解されている場合が多いです。
「パーク」とは「公園」、つまり、どこにでもある公園の一角にコースを設け、
誰でも楽しめるスポーツを目指したものが「パークゴルフ」なのですから、
必ずしもゴルフ場のようなグリーンを設ける必要はありません。
それでも、ゴルフのグリーンと同じに捉えられ、お叱りを受けることもあります。
「ここのグリーンは凹凸があり、⼿⼊れができてない。芝も⻑い。」などです。
でも本来のパークゴルフの考え方から言えば、ゴルフと同じに捉える必要はありません。
北海道にはクラシックコースと呼ばれる草創期のコースが今も残されているそうですが、
凹凸があり、芝が剥げていたり、ワイルドな要素が沢山あるのだそうです。
コースの設置基準やルールを確認してみても、凹凸や芝の⻑さについての規定はありません。
YouTube などで全国のパークゴルフ場をチェックしてみても非常に多彩です。
要は凹凸や芝の⻑さも含め、⽼若男⼥問わず、楽しくプレイできるコースならば良いのです。
次に「どうしてゴルフ場のグリーンと同じように管理しないのか?」について、⼟壌の違い、
芝の種類、芝の刈り⾼、⼾島ふれあい広場の特殊事情の観点から説明したいと思います。
◇⼟壌の違い
ほとんどのパークゴルフ場では、既存の⼟壌を均し、⼟壌改良材や培養⼟などを3〜5㌢⼊れた
状態で芝貼りをします。公園などの造成と同じです。
一方、ゴルフ場では排水管などを埋設し、その上に 40〜50 ㌢の混合⼟壌を⼊れ、芝張り(⻄洋芝
の場合は種まき)をします。混合⼟壌の約9割は砂ですので、水はけが良く、凹凸の少ないグリー
ンとなります。
凹凸の主な原因は⼟壌の性質に左右されることが多く、⼟は固まりやすい性質ですが、均質な砂は
固まることがほとんどありません。特にゴルフ場のグリーンに使用する砂は大きさも一定で、貝殻
などを含まない洗い砂に近いものを使用するため、非常にサラサラとした感じがします。
定期的なコア抜き(エアレーターで⼟壌を抜くエアレーションのこと)と混合⼟の散布で、更に凹
凸が無い、良い状態の芝床になります。これがゴルフ場のグリーンに凹凸が少ない理由です。
◇芝の種類
パークゴルフ場においては、東⽇本では⻄洋芝、⻄⽇本ではコウライ芝が主流となります。
特に⻄⽇本においては、コウライ芝の他、野芝や姫コウライ芝も見られます。
⼾島ふれあい広場ではコウライ芝がメインで、一部、姫コウライ芝や野芝が⼊っています。
⻄洋芝は基本的に冬でも枯れませんが、コウライ芝、姫コウライ芝、野芝は冬になると
枯れることが欠点です。
一方、ゴルフ場では、ベント芝(⻄洋芝)が一般的で、⻄⽇本では姫コウライ芝のグリーンも
見ることができます。
◇芝の刈り⾼
パークゴルフ場においてグリーンの刈り⾼の基準はありませんが、⻄洋芝を使用している
東⽇本の仕様書を見ると 20 ㍉が多いようです。
また、コウライ芝を使用している⻄⽇本では 15 ㍉前後が多いのではないかと思われます。
⼾島ふれあい広場では刈り⾼ 12 ㍉のシングルカットをしています。
通常、スポーツ芝の管理で刈り⾼が 10 ㍉以下になると危険水域だと言われています。
ちなみにサッカー場などの刈り⾼は 20〜30 ㍉が多いように思います。
一方、ゴルフ場においては⽇本全国5㍉以下というのが基準のようで、成⻑点(成⻑細胞が
多くあるところ)をカットしてしまうと芝が枯れるので管理は非常に難しいものとなります。
しかも、⾼速グリーンにするためにダブルカットをしています。
◇⼾島ふれあい広場の特殊事情
ゴミ処理場跡地に作られているため、⼟中にゴミ埋立処分層が存在することです。
そして、その上に大量の粘⼟系の埋立⼟が盛られ、遮水シートなどが複数⼊った状態の上に、
コウライ芝が貼られています。
表層に平均3㎝前後の⼟壌改良材と培養⼟の層が⼊っていますが、遮水シートと粘⼟質の埋立⼟の
ため、⼟壌の呼吸(水分調整、排水性、空気の保持能力など)が困難な状態となり、植物にとって
は非常に過酷な環境となっています。
そのため、植物類は育たない、ツツジはよく枯れる、などの症状が見られます。
また、スポーツフィールドに芝を植えるのは、プレイヤーをケガから守るだけでなく、⼟壌に発生
する凹凸を補正するためでもあります。
芝は植物ですので、休眠期には養生期間を設け、次のシーズンに向けた準備をしてやることも必要
ですが、⼾島ふれあい広場の場合、休眠期に養生期間を設ける暇もなく、冬に枯れるコウライ芝を
用いていますので、芝が枯れれば⼟壌の凹凸が見えてくるのは当然のことです。
そうした状態を見て「砂や⼟を⼊れれば」と言われる方もおられますが、砂や⼟を⼊れるとボール
のスピードが落ちるなどプレイに支障がでてきます。
それを嫌がる人も非常に多く、シューズや近くの小枝で削り取るなどの行為が行われます。
また、ゴルフ場のように砂床構造になっていないため、エアレーター(穿孔機)によるエアレーシ
ョン(穴あけ作業)ができないため、凹凸の補正は小さなものにならざるを得ません。
◇まとめ
そこで、北海道のクラシックコースのことを思い出してほしいのですが、
凹凸や芝の剥げもコースの個性の一つとして捉え、ゴルフ場を目指した管理ではなく、
少しワイルドな要素を残したコースに昇華できればと思っています。
皆さん、パークゴルフはグランドゴルフから枝分かれしたものです。
比較するならグランドゴルフと比較すべきなのです。
そして、適度に凹凸があったり、芝が長かったり、短かったりする不規則性が、
パークゴルフを面白くするのではないでしょうか?