礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

ゴーン氏が読んだ仏教書「すべてがうまくいかないとき」

2019-01-14 03:09:06 | コラムと名言

◎ゴーン氏が読んだ仏教書「すべてがうまくいかないとき」

 先日、『週刊文春』の一月一七日号を買った。「ゴーンが獄中ですがる仏陀の教え」という記事を読みたかったからである。
 記事は、ゴーン氏が、拘置所内で読んでいるという本の紹介が主である。ゴーン氏は、すでに「数十冊」を読んでいるというが、記事は、そのうちの三冊の書名を紹介している。三冊のうちの二冊が仏教書で、一冊は、ペマ・チュードゥン(Pema Chodron)著の「When Things Fall Apart」(すべてがうまくいかないとき)だという。
 インターネットで、この本を検索すると、アマゾン英語版には、何と一〇七二件のレビューが寄せられ、そのうちの八〇パーセントは、星五つである。かなり評判の良い本のようだ。それを知っていたからこそ、ゴーン氏も、この本を取り寄せたのであろう。
 アマゾンのレビューのうちのひとつを紹介してみる。

Michele in Cincy
☆☆☆☆☆ This is A Must Have Book!
November 11, 2016
Format: PaperbackVerified Purchase
All of us face really hard times if we are alive and love lots of people. I love this book and give it as gifts when I know people are going through tough times. Pema Chodron has the unique ability to write in a way that you feel like a loving friend is giving you really solid, helpful, kind advice that is accessible. Her wise counsel and perspective throughs you a life jacket when you think you are going to drown. I read this book the first time when I was going through my divorce and read parts of it again when I lost my daughter to cancer. It is a book you will be glad to have and glad to give.
68 people found this helpful

シンシナティのミケーレ
☆☆☆☆☆ これは持っているべき本です!
2016年11月11日
形式:ペーパーバック 認証された購入
私たちが生きていて、たくさんの人を愛しているなら、私たちすべては、本当に困難な時に直面するでしょう。 私はこの本を愛しています。そして、知人が厳しい時にあることを知ったときには、この本を贈り物としています。著者の ペマ・チュードゥン(Pema Chodron)には、あたかも、あなたの親しい友人が、本当に信頼でき、役に立ち、親切なアドバイスを提供しているかに感じられるような方法で書ける独自の能力があります。あなたが溺れそうだと思っているとき、彼女の賢明な助言と見識は、あなたにライフジャケットを投げ与えます。 私が初めてこの本を読んだのは、自分が離婚を経験したときです。そして、自分の娘がガンで亡くなったとき、もう一度、その一部を読みました。 この本は、持っていて喜べる本であり、人に贈って喜んでもらえる本です。
68人が、この記事が役に立ったと言っています

 原文のthroughsは、throwsの誤記だろうと、勝手に解釈した。
 私は、まだ、この本の内容を把握していないが、「すべてがうまくいかないとき」には、きっと、ライフジャケットのように有益な本なのであろう。
 さて、週刊文春記事の執筆者(署名なし)は、キリスト教徒であるゴーン氏が、「仏陀の教え」にすがっていると捉え、そのことにニュース性を見出しているようだ。しかし、たとえ、ゴーン氏が拘置所内で仏教書を読んでいたからといって、彼が、「仏陀の教え」にすがろうとしたと断定することはできない。「すべてがうまくいかないとき」に読むべき本として、たまたま、数冊の仏教書が選ばれただけかもしれないからである。
 なお、同記事によれば、ゴーン氏は、「キリスト教マロン派」の信者であるという。インターネット情報によれば、マロン派は「マロン典礼カトリック教会」とも言い、レバノンにおける最大宗派であり、また、有力なレバノン商人を輩出してきた宗派であるという。マロン派という宗派の教えについては詳しくないが、おそらく、レバノン商人の「商活動」あるいは「蓄財」を、精神的に支えるものになってきた可能性がある。記事に、このあたりについての解説があると良かったと思う。

*このブログの人気記事 2019・1・14(8・9位に珍しいものが)

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