礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

『風と共に去り風と共に来りぬ』全五巻の概要

2017-12-17 02:20:37 | コラムと名言

◎『風と共に去り風と共に来りぬ』全五巻の概要

 森脇将光の主著『風と共に去り風と共に来りぬ』は、全五巻からなる。先日、国立国会図書館に行って、第四巻以外をザッと読んできた。一九五四年(昭和二九)から翌年にかけて、安全投資株式会社出版部から刊行されていた。
 その第三巻「疑獄篇 前篇」の冒頭に、宣伝のチラシのようなものが置かれていた。デジタル資料なので、詳しい状態は不明だが、原本においては、本に、はさまっていた宣伝チラシ(たぶん両面印刷)を、巻頭に貼りつけてあるのであろう。
 本日は、その「オモテ面」を紹介する。このチラシは、ヨコ長に印刷されており、上段に、〝「風と共に去り風と共に来りぬ」の書名の生れた理由〟というヨコ組みの文章がある。中段では、全五巻の表紙が、図版で紹介される。下段には、各巻の内容が、タテ組みで紹介されている。また、全体の左側に、「森脇将光著全五巻千八百頁の金字塔遂に成る」という文字、および「本書贈呈について」という短い文章がある。

「風と共に去り風と共に来りぬ」の書名の生れた理由
私の運命の一切は風と共に去ったが、廃墟の中から次第に蘇る〈ヨミガエル〉新芽を吹きつゝ、遂に三年ならずして、昔に勝る基盤と力を得たその奇蹟と、天下風雲の嵐を経て来た後の私、それは風と共に去ったその運命がまた風と共に来ったとも考えられる。そのことからこの書の題名を取材したもので、ミッチェル女史の名著「風と共に去りぬ」の模倣ではない。現にあった私の運命の表徴であるのだ。

   一、謀 略 篇   暴風怒涛は次第にその勢威を増す
 昭和二十七年〔一九五二〕八月二十八日、警視庁捜査二課永里主任一行によって、突如森脇将光は逮捕された。――二十二日に及ぶ拘留を終え嫌疑無しの処分によって出所してみると、彼の数億に及ぶ財宝は跡方もなく雲散夢消してしまった。それは昭和の岩窟王にも比される、悲惨な、そしてあまりにも奇怪な事実であった。

   二、捜 査 篇   魑魅魍魎の姿、爬羅剔抉される
 奇怪なる数億の財宝の行方。森脇の不眠の探査が続けられた。しかし突如迷蒙に陥った彼には生けるでも死せるでもない毎日が続いた。やがて深夜無人の声に励まされ獅子奮迅の努力が続けられ、逮捕満一週年記念日に検査庁に告訴状が提起された。正義の網をうちかけんとするもの、その目を逃れんとするもの、だが遂に彼らに逮捕こう留の運命は至った。

   三、疑獄篇(前篇)   蛇のとぐろの怪奇の行方を追う
 河井〔信太郎〕検事係による彼らの逮捕はそのまゝでは終らず、その底に渦巻く悪事の膿は遂に、〔一九五四年〕一月七日山下汽船の家宅捜索に始まる世紀の大疑獄へと発展、海に山に――それは底知れぬ泥沼の様相を露呈し、遂に二月十九日衆院決算委員会に喚問された彼は「森脇メモ」を提出、時の政府に一大波瀾を捲きおこし、その根底を揺さぶった。

   四、疑獄篇(後篇)   疑獄は噴火山となり遂に火を吐く
 政治の腐敗は時を追って進展、佐藤〔栄作〕、池田〔勇人〕の逮捕が請求され、吉田〔茂〕内閣は将に倒壊寸前に追いこまれた。そのとき突如法相犬養健は指揮権を発動、史上かつてない一大暴挙をなすに至った。これこそ吉田内閣が九千万国民にかけた謀略の罠といわずして何といえよう。正義は喪失して良心は棚上げ時代が現出されるに至った。

   五、終 曲 篇   動より静へ移り、春陽の静思至る
 だが天は照々として誠を照らす。指揮権発動によって、一時を糊塗した吉田内閣も遂に檀の浦の崩壊を免れることは出来なかった。それから約半歳森脇は正しい選挙のための地方遊説の旅に上り、九州・京阪・北陸・中国とまわった。そして瀬戸内海を望む鷲羽山〈ワシュウザン〉にたって、彼の感懐は油然〈ユウゼン〉として湧き上るのであった。嵐は過ぎて、静かな平和な日々が訪れんとしていた。

森脇将光著全五巻千八百頁の金字塔遂に成る

  本 書 贈 呈 に つ い て
〝風と共に去り、風と共に来りぬ〟全五巻を贈呈致しますが、本書中にて疑問などの点があれば何時にても御問合せ下さい、著者自ら回答致します。また御熟読の上、その読後感をお寄せ下されば幸甚に存じます。
      殿            森 脇 文 庫

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