揺れ、に思う

先日の福島沖地震で東京の高層マンションが１分以上揺れた、というメールをもらった。50階程度を想定すると、固有周期は3秒前後なのでユ～ラユ～ラと20回以上揺れたことになる。震度４なので応答変位は数10㎝程度かもしれないが、居住者は相当に気分が悪い。また応答加速度も数10gal程度で什器が移動したりＥＶの停止も起こらないにせよ、それなりに不都合はあっただろう。

超高層住宅に住むことについての議論が一時より廃れているような気がする。幼子の養育環境ということだけでなく、本質的に生活環境としてヒト属に適するものかどうか。為政者やﾃﾞﾍﾞﾛｯﾊﾟｰ、医療や建築関係者、その他各種の専門家が実際にそこでの生活体験を積み重ねることもなく、ただただ商品として無分別に提供し続けていることの是非はもっと問われてしかるべき。

建築物は大地震に対して倒壊しないようには設計されてるが、地震後再利用可能かどうかなんてことに対しては、頓着されていない。人命を守ることを理念にしてはいるが、災害後の財産権まで守るとは言っていない。また10年に一度の地震や台風に対して居住性などは保証されていないのだ。

スクラップビュルドも自然災害大国のなせる業、商業建築には限界があるなどと言っていないで、ここらあたりで、持続可能なSDGｓの精神をとりいれて、再度見直してみる必要があるのではなかろうか。