ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

北の離島、利尻・礼文への旅2―利尻のサイクリングロードを行く―

2011-08-12 10:30:20 | お出かけ
本当は、利尻富士とも呼ばれる、利尻山に登ってみたかった。
利尻山には、リシリソウ、リシリシンドウ、リシリゲンゲなど、特有の高山植物が見られるという。
ぜひ、この目で見たいものだと思った。
だが、調べてみると、利尻山は、危険箇所が多いこと、本格的な装備をしなければいけないこと、時間がかかること、などから「上級者向け」の山であることがわかった。
途中まで登ったらどうだろう?とも考えたが、「高山植物」ゆえ、やはり8合目以上に登らないと目的の花々にはお目にかかれないらしい。
…ということで、登山はあきらめた。
だが、平地でも高山植物がいろいろと見かけることができるということを聞いていたので、それらをこの目で確かめる行動に出ることにした。
宿泊した沓形から野崎というところまで、サイクリングロードが走っている。
そこを走りながら、珍しい草花を見かけたら、写真に撮っていこうということにした。
しかし、その距離24.9km。
往復すると、約50km!!?
うーん、これはすごい。
私は大丈夫、行けると思うが、問題は、妻だ。
彼女は、日頃からデスクワークが多く、あまり歩いていない。
…という不安から、妻の自転車は電動アシスト付き自転車にしてもらった。

意気揚々と出発。

すると、まもなく、降水確率0%なのに、いきなり雨!
幸いにも、駐車場・駐輪場があり、東屋で雨やどり。
そこは、会津藩士の墓があった。

昔、1808年、ロシアの攻撃に対して、江戸幕府から名を受けた会津藩士が警護にあたったが、病死したり海で沈没したり被災したりして亡くなった人も多くいたとのこと。
その人々の功績を認め、しのんで建てたものということだ。

さて、サイクリングロードは、時々普通の車道と交差したり併用となったりしながら、続いていく。
本州では、平地で見ることのない草花を次々と見かける。
ヤナギランが、ロード沿いや普通の家の庭にも何気なく咲いている。

ツリガネニンジンやヤマハハコ、
ハンゴンソウ

などをそこかしこに見つけることができる。

ほかにも、
カセンソウ

や、ハクサンフウロに似た花

(エゾフウロ?)にも出合うことができた。

そして、何より、名も知らぬ花々を次々に見かけるのが楽しい。

お初にお目にかかったのは、この花、リシリヒナゲシ。

やさしい黄色の花の色。
ポピーのようでもあるが、咲く土地は、砂利のところばかり。
これでは地中の養分は期待できないだろうに。
でも、高山植物の女王コマクサは、小石ばかりのような斜面に生えていたっけ。
養分の少ない厳しい地面という点では、共通点がある。
エゾカワラナデシコ、
キタノコギリソウ

他にも、クサレダマ

エゾオグルマ、
トウゲブキ

ミヤマキンポウゲ

エゾノカワラマツバ(?)など黄色い花々も目立つ。

富士野園地というところを過ぎると、めちゃくちゃ向かい風が強くなった。
二人とも、必死で自転車をこいで、やっと風向きが変わったところは、残り3分の1くらいを示す7.8kmの標示。

やれやれ、あとそのくらいになったか…。
…と、ほっとしたのは、実は間違いだった。
こともあろうに、そこからは、自転車道なのに、上り坂、上り坂、上り坂…の連続。
いやあ、電動アシストでないわが自転車は、苦しい、苦しい。
もっとも、電動アシスト車の妻も、上りで苦しんでいた。
やっと頂上へ。

橋上から、こんなに高いところまで登ってしまった、と感慨。

しかし、さらに苦難は続く。
妻の自転車はブレーキの効きが悪い。
キャアー~!!!!なんて声を出しながら、時折の下り坂で、たびたび私を追い越して行ってしまった…。
結婚30周年が、別の記念になってしまいませんように、アーメン…!
―そんな不埒なことを考えたせいか、すぐに私に天罰が下った。
山の小さな虫が、もろに右目に飛び込んできた。
自転車を止めて、取ろうとしたが、ダメ。
い、痛い。
目を洗う水がほしいが、ない!
涙をためてみるが、ごろごろしていて、痛みは消えない。
いやあ、まいった…。

やがて、だいぶ下りて行ったところで、生きていた妻と合流。
ほどなくして、やっと終点野崎展望台まで行き着いた。
約25km、完走です。

トイレで目を洗い、一段落。
ふう~。やっとだいぶゴロゴロ感がなくなり、痛みがとれた。
痛みのとれた目で見ると、ガードレールがこんな粋な模様

になっていた。

ひと休みして、帰ることにした。
帰路は、もうあんなアップダウンの激しいサイクリングロードを帰る余力はなく、下の自動車が通る道を延々と行くことにした。

しかし、帰路もまたひどかった。
鴛泊の街を出るまでは、よく晴れていて、すごく暑かった。
おまけに、鴛泊の港から街の中、結構アップダウンが激しいのだ。
さらに、鴛泊地区から遠ざかるにつれて、向かい風がきつくなってきた。
道は、やはり小刻みなアップダウンが続く。
下り坂も、向かい風の強さのせいで、ペダルを踏まないとなかなか進まない。
立ち乗りしながら、前傾姿勢で座りながら、頻繁に3段変速を繰り返しながら、ひっきりなしに、ペダルをこいだ。
20km近くの道のりが、とてつもなく遠く感じた。

「沓形」の集落に入った時は、やっと帰って来たぞ、と思った。

50代半ばの夫婦は、それこそ「ふうふう」言いながら、宿に帰り着いた。
40km以上も自転車に乗るなんて、今までもなかったし、これからもないだろう。
30周年の、まさしく「よい思い出」となって残ることであろう。
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北の離島、利尻・礼文への旅1

2011-08-09 21:27:31 | お出かけ
目指した北の離島は、利尻島・礼文島である。
緯度が高いので、低地でも高山植物が見られるというのが、魅力的であった。
もっとも、花の開花時期が、6月から7月というものが多い。
最盛期はその時期なのだろうが、さすがに仕事が休めない。
最近は、8月だってまとまった休みがとれないご時世だ。
しかし、それでも、なんとか3日間、土日を含めて5日間の休みを取らせてもらうことにした。
新潟―千歳の飛行機がとれればよいと思っていたら、とんでもない。
千歳から稚内まで、約400km!!!
稚内港から、利尻島までフェリーで、およそ53kmもある。
とんでもなく遠いです!
新潟からだと、1000kmを越える!?
ということで、新潟―千歳だけでなく、千歳―稚内までも飛行機。

2本の飛行機を乗り継ぎ、正午ごろ、稚内空港に着いた。
さすがロシアが近い土地。
空港には、こんなビールのCMが。

空港から市内へのバスとスムーズに乗り継いでも行っても、稚内港から利尻島へのフェリーが出るのは、16:05。
3時間近くもあるではございませんか。
港で、観光案内所に尋ねると、ノシャップ岬を勧めてくれた。
路線バスに乗って、ノシャップ岬へ。

ここの灯台は、日本で2番目の高さなのだそうだ。
夕日の絶景ポイントで、利尻島なども見られるはず…なのだが、あいにく視界不良。
近くの水族館は覗かずに、ぶらぶらとバス停へ。
途中、まだまだ咲き始めと思われるアジサイやタチアオイなどをあちこちの家の庭に見かけた。
こちら新潟では、もうとっくにそれらの花は終わっているのに。
われわれ夫婦の目的や楽しみは、花見なので、日頃見る草花と違ったものを見つけるのは、楽しい。
名前は、今後調べることにして、いくつか珍しいものを見かけると、草花に向けて、シャッターを切った。


16:05に出航したフェリーは、17:45に、利尻島の鴛泊(おしどまり)港に着いた。

ホテルのマイクロバスが来ていることも知らず、路線バスに乗って、ホテルの所在地の沓形(くつがた)まで行ったのであった。
(地元のバスに利益をもたらしてしまった。)
結果的には、このことが島内の地理に少し詳しくなることにつながるのだった。
道路沿いには、背の高い木がなく、低いやぶの連続で、草原といった雰囲気だった。
その草原のあちこちには、大きな岩がごろごろしていた。
そんな風景を見ても、過去に火山の噴火があったところだとわかった。

出発してから、到着するまで、1日がかりの旅となった。
この移動距離、かかった時間を考えてみるだけでも、国内とはいえ、遠い土地へ来た気がした。
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旅に出るので、アルビホーム戦欠席です

2011-08-04 22:28:31 | 生き方
うわあ、見たかったなあ!
だって、今をときめく、なでしこジャパンの中心選手対決だよ!
澤と阪口という、なでしこジャパンの中心人物たちが対戦するのだ。
アルビレックス・レディース対INAC。
それが、J1リーグ戦、ホーム新潟対清水の前座試合ですよ!
これは、新潟のサッカー大好き人間には、見逃すわけにはいかない!
…のが、当たり前!!!

しかし、残念ながら、見には行けない。
そのとき、私は、新潟にはいないから。
結婚30年目を記念して(?)、5日間ほど夫婦で旅行に行くことにした。
花見好きには、多少憧れだった、北の離島へ。

ということで、アルビともしばらくお別れ。
がんばれ、アルビレディース!
がんばれ、アルビレックス新潟!!

いない間もがんばっておくれ!
北の島で心の中で応援しています。
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アウエー山形、参戦顛末記

2011-08-02 23:15:10 | アルビレックス新潟
やはり先週土曜日のことである。
アウエー山形戦のチケットは購入済みであったが、福島・新潟の集中豪雨のために、山形に行くかどうか、ずうっと迷っていた。
雨は既に止んでいた。
青空になり、強い夏の日差しが頭上から降って来ていた。
だが、まだ迷っていた。
川の氾濫が怖かった。
上流ですさまじい流れになっている。
それが、やがて下流に来るはずだ。
どのくらい後にやってくるか?
大丈夫という、確たる情報がないうちは、新潟県を離れてはいけないように思えたのだ。
ただ、昼を過ぎて、川の水位が下がり始めたという情報も入って来た。
よし、山形行こう。
と、決めた。

山形には、スムーズに行けた。
道路沿いの川の水も、さほどにごっていないし、量も少し多いだけだった。
3時間30分くらいで、NDソフトスタジアム到着。
ここは、基本的に車での来場を考えているらしく、駐車できる台数は6000台。
駐車場が広い。
車を降りて、スタジアムへ。

さすがに山形のホームスタジアム。
こんなキャラの大型車が。

さすがに早く来場しているのは、新潟から来たサポーターたち。
スタジアム周辺のあちこちにオレンジの人々ばかりが目についた。

オレンジの列ができていた店は、「炎のカリーパン」を売る店。
普通のもの、チーズ入り、ズワイガニ入りなんてのもある。
今日は、新潟との対戦だから、特別製のカリーパンが売ってある。
たとえば、新潟名物の笹団子入りカリーパン。
そして、タレかつ入りカリーパン。
新潟のタレかつ丼がちょっぴり有名だからね。
この、「敵を食ってしまえ」という、粋なカリーパンは、楽しい。
さっそく、私は、味方を食うことになるかもしれないが、笹団子入りを買う。
ついでに、わが家は4人で行ったので、5種類全部購入。
敵を全部食ってしまえ、ということだ。

ラッキーは、尾花沢のスイカのサービス。
うちわを配るだけではなく、本物のスイカを切って配っていた。
全農やまがた、いいねえ。
おいしかったよー。

さて、そろそろスタンドに、と向かう。
ところが、指定されたゲートに行くと、「ここは、山形の応援専門のスタンドです」と書いてある。
な~に~!!!?????
バックスタンドだろ、ここは。
すると、よく見ると、チケットにも、「バックスタンドは、山形の応援専門のスタンドです。」というようなことが書いてあった。
ええ~!!!?????
そんなバカな!!!そんなことは知らなかったぞ。
ここまで来て、敵の山形ばかりのスタンドで観戦!?
勘弁してくれよ~…(トホホホホホ…)。
おまけに、持って行った5本のペットボトルは、すべてキャップを取られてしまった。
このスタジアムでは、危険防止のために、ペットボトルは、キャップを外さないと入場させないらしい。
なんてこった!

しょぼんとした気分で、バックスタンドに入る。
でも、悔しいから、せっかくだから、新潟の応援スタンドに近い方に行く。
すると、そこには、オレンジのものを持った人々もいた。
おお、同胞、同胞。
パラパラと10数人はいただろう。
…皆さん、バックスタンドは、山形の応援だけだと知らなかったのだね。
まあ、仕方がないから、皆でまとまって、ここで応援しようか…。
そんな私たちオレンジ仲間に、追い打ちがかかる。
「ここでは、レプユニ(ユニフォーム)を着てはいけません。」
「タオル・マフラーもダメです。」
と、若い係員の人々が声をかけて行く。
「おらぁ、この服しか持ってないんだ。」
というオジサンには、なんと別なTシャツを持って来て、
「これを着てください。」
という徹底ぶり。
最悪ぅ~!!!!!

まあ、そんなアウエーの中でも完璧アウエーの中で、山形戦の観戦となってしまった。
山形は、ひいて守る。
あまりFWがこちらのDFに寄って来ない。
ほとんどのボールが、新潟のポゼッション。
しかし、シュートを急ぐでなし、まったりとしたムードで試合が進む。
それでも、新戦力、右サイドバックの村上選手の動きのよさが目を引く。
さすが、と思える動きだ。
突然、酒井高徳選手が駆け上がり、鋭いシュートを放つ。
が、惜しくもボールはサイドネットへ。
そうだよ、高徳。今は君の出身地三条市全体が、水害で大変な目に遭っているんだ。
GO!GO!GOTOKU!!
かと思えば、やはり新潟県出身(新潟市)の田中亜土夢のシュートが、バーをたたく。
か~っ、惜しい!
完全に押し気味ながら、まったりしたムードの中、ハーフタイムの笛が鳴った。

ふと、メールが届いていることに気付いた。
職場の方からだ。
「河川の水が引き、危険回避。当地の避難勧告解除。避難所閉鎖。」
という内容。
よかった。
ただ、まだ多くの市町村で避難は続いていることだろう。
でも、少しずつでもこの災害の度合いが少なくなっていくことを願う。

さて、あまり変らぬムードで進んだ後半17分。
村上が右サイドを深くえぐり、ボールを中央へマイナスのパス。
そこに、DFをかく乱して飛びこんだ田中亜土夢が、つま先から滑り込み、ボールをゴールへ突き刺す。
やったあ!やったあ!!やったあ!!!
バックスタンドの隠れオレンジの皆さんは大喜び。
この後も、ヒヤッとする場面は2度ほどあったが、シュートが枠を外れたり、GK小澤さんのナイスセーブが出たりで、同点のピンチは防がれた。

そして、今季何度も苦杯を喫したロスタイム。
選手交代を上手に使って、時間つぶし。
1-0のまま、逃げ切った。
勝利だ。
連勝だ。

選手たちも笑顔だ。
バンザイが気持ちよさそうだった。
あっちに行きたかったなあ…。

スタンドから出ると、やがてオレンジの波に出合った。
わが子たちは、今まで禁じられていたレプユニを着たり、タオマフを首に巻いたりして、その人波の中に入り込んで、勝利の余韻に浸った。
駐車場から出るのに多少時間がかかったが、なんとか脱出。
新潟までの道は、節電に伴い、街灯がほとんど点いていず、暗かった。
そんな中を、何台も何台も、列をなして新潟を目指して帰っていく車。
アルビレックスのステッカーが張ってある車ばかり。
途中、数少ないコンビニは、どこもひと休みする新潟ナンバー車ばかりだった。
コンビニで、「メガシャキ」飲んで、睡眠不足の眠気を押さえ、帰って来た。
深夜0時半過ぎ、無事自宅に帰り着くことができた。

帰り道も遠かったが、それでも勝利の喜びは何にも勝る。
朝からの豪雨による安否確認も、バックスタンドでのつらい接遇も、遠い道のりの運転も、勝利で笑い飛ばしてしまうことができたのであった。
…ただ、翌朝は、グッタリだったのだ…。
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