当時私の愛車は、ホンダZ。
しかも、空冷エンジン(笑)
ほとんど、バイクに屋根がついたようなものだった。
もちろん中古の車で、伯父貴が紹介してくれたとなり街の車屋さんで、手に入れた。
免許が取れた夏、暑い車内は、もちろんエアコンなどなく、その車にべったりと初心者マークをつけて、走り回った。
艶消しのボディーはしかし、くっきりと跡が残り、1年過ぎてもとれなかった。
塗装も、くたびれていたのだ。
もっとも、つけ始めた初心者マークを、駐車中もとりはずすのを忘れたからだが。
真夏の直射日光で、焼けたのだ(笑)
18歳になったばかりの私は、もちろん給料も安く、その程度の車しか持てなかった。
が、ツインキャブだった。
高性能が売りの、そのエンジンにあこがれて、手に入れたのだった。
だが、しかし調整がやたらむずかしかった。
下手すると、坂が登れなかった(笑)
いや、ほんと。
おふくろさんと弟を乗せ、ドライブとか言って、ちょっとした丘を登るのに、四苦八苦。
もう、笑うしかなかった。
しかも、季節によって、機嫌が悪くなり、すぐアイドリングが不安定になった。
ギアチェンジしようとして、クラッチを切っただけで、エンスト。
走れなくなったと思う。
それで、いろいろやってみて、かかととつま先で、ブレーキとアクセルを同時に操作することを、思いついた。
自分としては、苦肉の策なわけだった。
エンストしないように、アクセルを操作しながら、同時にブレーキも操作できた。
「それ、ヒールアンドトゥーだよ!」
友達が、叫んだ。
レーサーが使う、高度な運転技術だというのだ。
私は、へ?てなもんだった。
レースなど興味もなく、ただただ、てめーの車を、まともに走らせたかっただけだ。
だいいち、がっくんがっくんエンストしまくりの車では、デートもできん。
もっとも、当時は彼女すらいなかったのだが。
あれから、何年たっただろう。
今、私の息子の運転する車は、AT車で、エンジンをかけてアクセルを踏むだけで走る。
現在、ほとんどの車は、AT車だろう。
もっとも、AT免許なので、私の軽トラ(もちろんMT)は運転できないし、しようとも思わないだろう。
ほとんど車には興味がなく、ただの通勤用。
しかも、免許取り立てのころ、エンジンがかからないと電話が来たので、行ってみるとエアコンをかけていたという。
エンジンはというと、うるさかったので止めたというのだ。
お前・・・エンジンを切って電装品を使うと、どーなるか知らないのか・・・と、愕然としたものだった。
そーいえば、免許を取ったというので、ほとんどポンコツだったが私が買い与えた。
まだ、学生だったからだ。
当初は通学で、のちに通勤と、けっこう使いまわした。
それが、とうとうタイミングベルトの交換を宣言されたらしい。
なんか、後ろのほーで異音もするとかで、いよいよ車を買い替えることにした。
もっとも、私はすでに無職なので、カネはない(笑)
息子も自分で払わねばならないので、「金が・・・」とか、現実に直面しているらしい。
近所の修理工場の社長さんに、相談に乗ってもらうことにした。
雪道対策で4WDは必要だが、軽自動車のしかも中古で・・・と、お願いした。
やはり、私が手をかけすぎると、息子は成長できないのだろう。
しかし、こどもらには、苦労をかけたくないのだ。
自分も、しんどかったから・・・