ロシアのウクライナ侵攻で驚いていたら、ハマスとイスラエルの戦いが始まった。
アメリカと中国、ロシアの対立は酷くなる一方。
最近の世界は破滅に向かって突き進んでいるとしか思えない。
そんな中で、国家間の対立や戦いに巻き込まれるのは、いつも一般国民ばかり。
為政者や富裕層は、一般国民の中から徴兵した兵士を戦わせ、それを安全な立ち位置から眺めるだけ。
為政者や富裕層にとっては、スポーツ観戦のようなものなのだろう。
為政者や富裕層は、「自由と民主主義」を守るためには、敵と戦わなければならないと声高に叫び一般国民を鼓舞して戦争をさせる。
「敵はお前たちだ」と言いたいくらいだ。
ところが、そんなことを言ったら、自分も為政者や富裕層なれると勘違いしている一般国民から袋叩きになる。
そんなことだから、一般国民はいつも為政者や富裕層の使い捨てになるのに、不思議だ。
国家というのは、21世紀の今でも、為政者や富裕層が、一般国民を支配し、搾取するための便利な仕組みでしかない。
そう考えると悲しくなる。
為政者は、自由と民主主義という世界で、国家という仕組みを利用して国民を支配し、自らの野心を満たし利益を追求する。
富裕層は、資本主義という世界で、国家に代わって労働者を支配し、自らの野心を満たし利益を追求する。
為政者や富裕層にとって、国家は野心や自己実現のためのインフラに過ぎない。
為政者や富裕層から見れば、自国に固執し、政治やイデオロギーに拘泥わる一般国民なんて、生存競争の敗者、自業自得だと見下しているのかもしれない。
民主主義をフルに活用して政治闘争を戦っている為政者にとっては権力が全て。
だから為政者にとっては、自由や民主主義なんて、権力を握るための都合のいいイデオロギー。
一方、AIやITをフルに活用して経済競争を戦っている富裕層にとっては富が全て。
何の力も利益も生み出さない、生産性の無い政治やイデオロギーなんて時代錯誤の遺物。
世界中が資本主義という経済競争社会になった今、政治やイデオロギーどころか、国家にこだわる富裕層なんていないのだろう。
富裕層にとっては、生まれた国なんて金を儲けるためのインフラ。
だから、自らの価値を高め競争力をつけて、より自分に合った資本主義的インフラを備えた国に行けばいいだけ。
羨ましい限りだ。
考えてみれば、自分の国に拘泥して、日本は凄いとか、日本人は優秀だとか、左翼だ右翼だとか言って、愛国心や政治やイデオロギーに囚われていたら、負け犬の一般国民で終わってしまう。
「自由と民主主義」を最高の価値観とする資本主義社会は、皮肉にも、国家観のない自己中心の野心家にとっての天国になってしまった。
国家や一般国民は、彼ら彼女らのための舞台やエキストラでしかないのだろう。