その昔、日本では、「アメリカの大学は、入るのは易しいが、出るのは難しい」とか、「どの大学を出たかは、あまり関係ない」などと言われていた。
これらは、全て都市伝説だ。
確かに、アメリカでは、いくらトップクラスの大学を卒業しても、4年制の学部卒の、「学士」の学歴では、必ずしもエリートにはなれない。
大学院に進まないと、エリートへの切符は手に入れられない。だから、アメリカの大学生は、一流大学院を目指して、必死に勉強する。
ハーバード、イェール、プリンストン、コロンビア、ペンシルバニア、コーネル、ダートマス、ブラウンのアイビーリーグやスタンフォード、MITなどの一流大学卒でも、学部での成績が悪ければ、一流大学院には、なかなか進学できない。
大学院課程であるロースクール、ビジネススクール、メディカルスクールや理工系大学院で、修士号や博士号を取らなければならない。
ただ、そうは言っても、一流大学から、一流大学院というのが、定番のコースではある。
私が留学していたニューヨーク大学のロースクールで、火災訓練が行われた。そのとき、校舎の外に出てきた学生の、バックパックの大学のロゴ名が、アイビーリーグの大学ばかりだったのを覚えている。
当時、ロースクールの学部長は、「一流大学の卒業生の、最終学歴を、ニューヨーク大に塗り替える」と豪語していたくらいだ。
有名大学の方が、大学院進学に有利なことは、間違いない。
まあ、アメリカの4年制の学部は、日本の高校だと思えばわかりやすい。ハーバードやイェールは、まさに、開成か灘と言ったところか。
アメリカでは学部、大学院とステップアップして、最終学歴となる大学院で、高成績で、学位を取らなければならない。
日本より熾烈な学歴社会だ。