Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler

直接 アメリカの一流大学に入学する高校生

日本の大学には行かず、直接、アメリカの一流大学に入学する高校生が、増えているという記事を読んだ。

確かに、経済が成長しなくなった日本では、一流大学を卒業して、大企業に入っても、その大企業が、統合されたり、没落したり、破綻してしまって、「こんなはずではなかった」となる例が増えている。最近では、コロナの影響で、業績が悪化した大企業も多い。

将来のことを真剣に考える高校生が、日本の大学卒という肩書に魅力を感じなくなる気持ちはよく分る。私も、会社に入ってから、国際的な仕事をやりたくて、アメリカの大学院に行かせてもらった方なので、なおさらだ。

大企業は、昔から変わらず、ずっと指定校制。特定の大学の、特定の学部卒をかき集める。ただし、大企業だからと言って、採用者全員を、学歴エリートでそろえなければならないほど高度な仕事ばかりではない。

たくさんの学歴エリートを採用しても、その学歴がなければ、できないような仕事は半分位。残りの半分は雑用。だから、大企業では、簡単にリストラができる。酷い話である。

経済が右肩上がりだった、リストラなど無縁の時代、大企業に入社できれば、組織上の管理職(ライン職)になれなくても、年功で、名前だけの管理職(スタッフ職)として出世し、給料も上がった。実際は部下のいない平社員だが、管理職と呼ばれ、給料は、中小企業の社長以上なんて、ざらだった。

ところが、今では、大企業に入れても、コースから弾かれたら、たちまちリストラ要員というのが現実。資本主義を勝ち抜いた冷徹な営利企業なのだから、当たり前の話なのだが。

そんな現実を、毎日見せられている親だったら、自分の子供を、日本の大学ではなく、アメリカの大学に入れたいと思うのは、納得がいく。

ただ、アメリカの一流大学に学部から入学する場合、引き続き、一流の大学院に行かなければ、アメリカでは、一流の仕事にありつけないというのが現実。しかも、アメリカ人の場合、一流大学院に入るのが最終目的なので、必ずしも学部からスタンフォードやアイビーリーグに入るわけではない。地元の一流州立大学や各地の名門リベラル・アーツ・カレッジから一流大学院に進む学生もたくさんいる。

アメリカの学部は、日本の高校に近いと考えるとよく分るはず。だから、アメリカの学部生は、よく勉強する。ハーバード大学と言っても、学部では、開成高校のようなもの。一流大学院を目指して必死に勉強しないと、一流の仕事にありつけないのだ。

その点では、一流大学の学部卒というだけで、一流の仕事にありつける日本の方が、はるかに楽で、安上がりかもしれない。

それと、アメリカの場合、日本と違い、いろいろな試験制度が、IQの高い人間に有利な内容なので、ガリ勉だけでは、どうしようもない。この点でも、多少、地頭が悪くても、ガリ勉で、何とかできる日本の方が、努力に対して平等といえる。

ただ、アメリの場合も、私立の一流大学は、親が卒業生だと有利になるレガシー制度や、スポーツ推薦などがある。このあたりは、日本と同じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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