棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

制作日記

2017-07-13 09:11:08 | 山郷の暮し
草花も一気に成長し、我が家の「ズクなし菜園」にもトマトがいくつか実をつけてくれました。
添え木をし、ワキ芽をつまなくては成らないようですが、ワヤワヤと伸び放題で、葉も茂っている。

パクチー(コリアンダー)毎日摘みながら、あのカメムシにそっくりな香りを楽しんでいる。
正直ほって、放てもどんどん伸びてくれるので楽である。

とまーー夏は楽しく制作も気合が入り、時には5-6時にはアトリエに入り午前中いっぱいの仕事になる。
今年は暖かくなった四月下旬から、いままでにないくらい爆発的に制作をしている。
次々と浮かび上がってくるテーマは、風 なのである。

最初の大作は桜の満開も過ぎた うてな の赤茶色の桜と、燃え上がるように咲いている赤い花桃。
そして、最後の花びらが吹き飛ばされる花吹雪。我が家の縁側の風景を感じたまま描き出したものだ。

その次の大作は(91x182 3枚)激しい風ではなく、優しく薫る 薫風 を描き出すために水面の模様や花いかだを描く。

そして、惰性ともいえる描き出しだったが、窓に吹き込んだ風風景を描き出す。
その発想の元がなぜか1997年にホンジュラスに行ったとき、赤道直下の激射で遺跡見学はおあずけ。
安ホテルに寝転んでいるときに、暇つぶしに花柄のカーテンがかかった窓を撮る。当然フイルム
たしか白光色に輝く中に教会の尖塔が見えていたのであるが、未熟な写真技術では写っていなかった。
なぜかフッとその写真を思い出し、ソレを元にイメージを膨らませて「窓・薫風 F30 73-91cm」




そして同じ構成で夜の風景だ。「ささやく夜」または ウインディの夢 は意図的過ぎるか・・・。
当初をは朧月夜に鳥や魚などをファンタスチックに描くつもりであったが、現実の月夜(その夜は薄曇りの上弦の月)
観月をしているうちに「何の説明的なことはせずにこのままの夜空が描けたらいいのだ」と悟る。

窓ガラスに映った食卓風景の構想は、1990年の旅で、ドイツのお宅に御呼ばれになった時を思い出す。
特に何も無かったが、ローソクに火をともし、ワインにクラシックが流れ、なんとなく時が流れた気がする。
まったく忘れていたことだったが、描いているうちに場所などをはっきり思い出したのは我ながら不思議だ。




ひとつひとつの経験がスパイスとなって、作品に味わいを加味してくれるものなのでしょう。

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