原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

“色白七難隠す”の格言とは、妄念に過ぎない…

2013年08月10日 | 時事論評
 カネボウ化粧品が販売した美白製品により、肌がまだらに白くなる症状を訴える使用者が後を絶たず、自主回収を発表したのは7月23日の事だ。
 その後のカネボウの発表によれば、症状や不安を訴えた使用者は6808人に上り、内2250人が重症症状に苛まれているらしい。

 「首がまだらに白くなった」、「白斑が3箇所以上ある」、「5cm以上の白斑がある」、等々…   顔、首、手、指等に症状を訴える人が目立つとの報道だったが、その後、被害者達は回復に向かっているのであろうか? あるいは症状が長期化して未だに皮膚に白斑を抱えているのだろうか?


 現世には、美白製品をはじめとして、保湿や潤い、ヒーリング、紫外線カット等々を殊更歌い文句にする「美肌」商品が溢れ返っている。
 テレビ(特に民放)をほとんど見ない原左都子だが、一旦ネット画面を開くと各社が発売しているそれら商品広告が暴力的とも表現できる勢いで所狭しと画面を占領している。 そのため、嫌でもそれら鬱陶しい広告画面を一見せざるを得ない。 「歌い文句」に踊らされ、この種の商品の購買行動に走る消費者がどれだけ存在するのだろう? と他人事のように横目で通り過ぎる私だ。


 かく言いつつ、実はこの原左都子も数年前から「保湿」を歌い文句としている某美容液を日々使用中である。
 やはり加齢には勝てないもので、肌(特に顔)の乾燥症状に見舞われ始めたためだ。 種々の「保湿」商品を試した結果、某美容液が我が肌には一番保湿効果が高いとの結果が出た。 その後は朝夜はもちろんの事、在宅している日は乾燥を感じたら即その美容液を顔に塗り込む日々である。 

 2,3年間その保湿美容液を使用し続けた頃であろうか。 顔に「痒み」症状が出現し始めた。(その発症原因は未だ不明だが。) 忍耐強い私は起きている時間帯はその痒みを我慢できるのだが、一旦睡眠に入ってしまうと無意識に掻き潰してしまうようで、朝起床時に顔が“血だらけ”の事もあった。

 花粉症も併発した初春の頃、昼間も顔が痒くて我慢できなくなり私はやっと病院を訪れた。 問診後に医者が告げるには、「真菌症とアレルギーを併発しているのではなかろうか」との事だ。
 「真菌症」には多少驚かされたが、医師の診断に何となく“ガッテン”の私である。 もしかしたら、私が長期間使用している保湿美容液に含有されているコラーゲン等の“栄養価”が高過ぎる事が一因で、私の顔から分泌される脂質も栄養源としつつ、脂質分泌が多い顔の部分に真菌が増殖してしまったのかもしれない。 しかも、元々アレルギー体質気味の私はその時は花粉症にも苦しめられている時期で、それら体内要因の相乗作用故に痒さが増強されていたとも考察可能だ。
 この時、医師には某美容液を継続的に利用している旨は一切告げなかった。 帰宅して原左都子なりに分析・診断したのが、上記美容液成分にも「真菌症」発症の由来があるのではないかとの事であった。

 その後再度美容液を変えるべく、私は数種の「保湿美容液」を試してみた。 ところが残念な事に前回同様、現在利用中の美容液に勝る代物が存在しないのだ……
 やはり私が頼るべき保湿美容液は現在使用中の商品しかない! と結論付けた私は、これを継続使用した上での今後の我が「痒み」対策こそを講じようと志した。

 そうこう試行錯誤していた後に、夏になって私は「花粉症」からやっと解放された。 と同時に、夏場は高湿度と共にアレルギー症状による「痒み」症状も緩解期に入る。(あくまでも原左都子の事例範疇の話だが) 
 その後うれしい事に、我が顔の痒みは実際問題緩解したのだ。 次訪れる初春には、また「花粉症」アレルギーの影響で我が顔に強烈な「痒み」が再発するのか!!との懸念は「懸念」に過ぎず、次なる春は顔の痒みが再発しなかった。


 原左都子の私論に入ろう。

 上記カネボウ化粧品「美白製品」を使用された方々とは、どれ程ご自身の体質や医学的経歴を把握・理解された上でその商品を購買したのであろうか?
 
 いやもちろん、たとえ美容商品であろうが、製造・販売元企業こそが市民の健康上の被害発生をとどめるべくきめ細かな商品開発に精進するべきである。 そのために、幾重の研究開発がなされている現状と私は信じたかったのだが…。
 ところが、どうしたことだろう。 
 現在の美容業界の販売促進の実態とは、冒頭に示したごとく「野放図」とも表現可能な傍若無人ぶりではなかろうか?  「売れるならば何でも売る!」そのポリシーに基づき(元大手だった)カネボウ化粧品までもが、その名声力を信じ“盲滅法”商法でこれ程までに多大な「美白」重症者を出すに至ったのか!?! 


 原左都子の、上記“顔の痒み症状”発症も反省材料としつつ、最後を締めくくろう。

 やはり自分がもって生まれたDNA体質は、たとえ一般市民とは言えども人生の早期よりある程度認識するべきではあるまいか?
 自分のDNA体質を如何に理解・認識するかの課題に関しては、そもそも今時の小中高学校教育を真面目に受けたならば、ある程度の認識力が満たされるはずと私は慮るのだが…。

 ところが科学が未ださほど発達していない時代背景下に、DNA教育を受けていない高齢人種が多数存在するのが今の世の現状でもあろう。
 それら旧人類を食い物にして、「美白」「保湿」等々との商品を“盲滅法商法”で販売したならば、それに対する科学的知識疎くして、購買行動に走る素人消費者こそが大多数の現在の末端社会であろう。

 それ故に、カネボウ化粧品は今後「白斑」被害者に最大限の補償をするべきだ。


 同時に、庶民にも「色白七難隠す」との格言の真の意味合いを理解して欲しいものである。
 肌の色を化粧品に頼って白くして化けたところで、自分が持って生まれている「七難」を隠せるはずがない。 
 そんな一時の願いは単なる「妄念」でしかない事をわきまえながら、自分が持って生まれたDNA体質によっては、化粧品により“白斑”との病理に生涯悩まされかねない事実をも承諾しつつ、今後の商業社会を自らの実質能力を養う事により力強く生き抜いて欲しいものだ。
この記事についてブログを書く
« 一少女が命をかけて給食で“お... | TOP | いい大人が“浮気”など隠れて... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 時事論評