原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ウクライナ侵攻によってプーチンはパンドラの箱を開けてしまった…

2022年04月22日 | 時事論評
 本日は、朝日新聞2022.04.20付「時事小言」より、国際政治学者・藤原帰一氏の論評「ウクライナ侵攻から2ヶ月 残酷な戦争・長期化覚悟」の一部を以下に要約引用しよう。


 プーチン政権がウクライナに侵攻した2月24日から2か月が経とうとしている。 いま、ウクライナ東部と南西部に兵力を集めて態勢を立て直したロシア軍は、新たな攻撃を開始している。
 これからどうなるのか。 もっとも公算が大きいのは戦争の長期化である。
 停戦交渉は断続的に行われているが、ウクライナとロシアが停戦合意を結ぶ可能性は低い。 NATO諸国はウクライナへの武器供与を拡大し、直接の軍事介入をすることなくウクライナが持ちこたえ、ロシアに反撃することを目指している。 NATOからの更なる軍事支援が期待できる以上、現在の戦況に基づいてウクライナが停戦する意味は少ない。 さらにブチャを典型としてロシア軍の虐殺、略奪、性暴力が明らかとなった。 ロシア軍が全面撤退をしない限り停戦交渉は膠着し、戦争が長期化することとなる。
 第二の可能性は、ロシアの一方的停戦だが。 全土制圧の展望が見えない中、ウクライナ東部への全面攻撃で成果を上げ、ドンバスの安全確保はした、目的は達成したなどと主張して攻撃を一方的に停止する選択がここから生まれる。 (中略)
 だが、戦闘の停止は次の戦争の準備に過ぎない。 西側諸国のロシアに対する経済制裁は続行し、ロシアはウクライナに獲得した地域の軍備を強化し、NATO諸国はウクライナへの武器供給を続けるばかりか、新たな同盟国にスウェーデン・フィンランドを加え対ロ防衛強化に腐心する。 ここで仮に中国の習近平政権が中ロの軍事連携を維持したとすれば、米ソ冷戦の時代にも存在しなかった規模における東西の軍事対峙が生まれてしまう。
 第三の可能性が、戦争のエスカレートである。 プーチン政権の示唆する核兵器使用の可能性は、NATO諸国により軍事介入を拒むための威嚇とみるべきだろう。 (中略)
 だが、戦争の目的をウクライナ東部・南東日の安全確保に絞り込んだとしても、通常兵力で既に打撃を受けたロシア軍が、武力によって支配地域を拡大することは難しい。 ロシア軍自軍の犠牲を伴う事を恐れずにプーチン政権が静物化学兵器や核兵器を実践で使用する可能性が存在しないとはいえない。 (中略)
 ウクライナ侵攻がロシア国民の安全が脅かされていないにもかかわらず行われた侵略戦争であり、軍人ではない国民の殺戮と文民施設を破壊した戦争犯罪である以上、侵略されたウクライナ国民を見殺しにすることがあってはならない。 他方、戦争がエスカレートし、大量破壊兵器が実践しようされたなら世界戦争に発展する危険がある。 (中略)
 たとえ一時的に停戦が実現したとしても、軍事対立は継続し、国際政治における東西の分断は固定化してしまう。
 ウクライナ侵略によってプーチン政権はパンドラの箱を開けてしまった。 ロシア政府がこの愚かで残酷な戦争を断念して兵力を撤退しない限り、世界は箱の底に残された希望を手にすることはできない。 この残酷な戦争がこれからも続くことを覚悟しなければならない。

 (以上、朝日新聞「時事小言」より国際政治学者・藤原帰一氏の論評の一部を引用したもの。)



 原左都子の私見に入ろう。

 上記の国際政治学者・藤原帰一氏の論評を読ませていただくと。
 プーチンがウクライナへ侵攻して以降、現在に至るまでの2か月に及ぶロシア軍のウクライナに対する侵略歴の程が一望可能だ。
 それと同時に、NATOをはじめ諸外国がウクライナを助けるために何を考え如何なる動きをしたのかも把握可能である。

 藤原氏が書かれているが、NATOがウクライナへ軍事支援を続行している以上、ウクライナが停戦する意味は少ないのだろう。
 そして確かに、ロシア軍の惨殺、略奪、性暴力等々粗暴な侵略者を前にウクライナが妥協するのは難しいことでもあろう。

 そのNATOの新たな同盟国となったスウェーデンとフィンランドだが。
 こんな侵略戦争が勃発しなかったならば、NATOへの同盟国になるなど想像もつかない国々だが。 地図を見ると、特にフィンランドなど国境線がロシアと接している。
 やはりこのロシアのウクライナ侵攻に現実的に怯えざるを得ない情勢であり、取り急ぎNATOの同盟国となり対ロシア防衛強化を目指したことと想像する。

 この件で我が亭主とくだらない話し合いを私が持ち出したのだが。
 「日本はどうだろう? 日本の場合、島国であることが功を奏してとりあえずどこからも攻めて来られないだろうか??」と私が子供じみた馬鹿な発言をすると。
 亭主応えて、「日本の場合は米国に逆らうと今後一切守ってもらえなくなるなあ。」

 まあ結論としては日本とはあくまでも、いつになっても一弱国の立場だろうねえ…
 
 とりあえずは、ロシアが直接日本を侵略する理由は今のところ無いのだろうが…
 

 このプーチンによるウクライナ侵攻から、既に2か月が経過した。

 世界中に生を営む庶民が何をしたら、プーチンはウクライナ侵攻を中止するのだろうか?!?
 そればかりを思う、何の力も無く世界の底辺にただただ生きるこの私だ…