原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

病気のリスクは究極の個人情報である中での今後の “ゲノム医療” のあり方

2022年04月07日 | 医学・医療・介護
 最初に、「ゲノム医療」に関するネット情報を引用しておこう。


 ゲノム医療とは
   1.個々人のゲノム情報を調べてその結果をもとに、より効率的・効果的に(1)疾患の診断、(2)治療、(3)予防を行うこと。
   2.ゲノム医療の対象となる主な疾患は、一部の難病やがんなどの単一の遺伝子が原因となる疾患や、環境因子の寄与 も大きいとされるが、複数の遺伝子が原因となる生活習慣病などの疾患などがある。
   3.ゲノム医療の実用化により、経済効率的かつ質の高い効果的な医療が実現できることから、世界的に取組を推進。 

 (以上、ネット情報より引用したもの。)



 次に、朝日新聞2022.044.07付記事「ゲノム医療 差別防ぐ法整備を 日本医学会・日本医師会が共同声明 病気のリスク『究極の個人情報』」の一部を、以下に引用しよう。

 遺伝情報を調べて癌や難病の治療や予防につなげるゲノム医療について、にほん医学会と日本医師会は6日、遺伝情報による不当な差別が起こらないように、法整備を進めることを国に求める共同声明を発表した。 欧米などでは法整備が進んでおり、患者団体などから日本でも整備を求める声が出ていた。
 ゲノム医療は遺伝情報から患者に会った治療法を探したり、病気を予防したりするねらいがあり、国内外で注目されている。 しかし、病気のリスクは「究極の個人情報」でもある。使われ方によっては、雇用主が従業員を解雇したり、保険会社が保険加入を拒んだりするおそれも指摘されている。米国・フランス等では、こうした差別を防ぐ法律がある。
 声明では、遺伝子をめぐる日本の現状について、「法律、自主ルールのいずれの形でも定められていない」と指摘。 民間保険会社の保険加入や、企業の採用での遺伝情報の扱いが「不明瞭」だとした。
 そのうえで、政府に対し、遺伝情報による不当な差別などを防止する法整備を進めること、遺伝情報を扱う保険会社や事業者などに対し、自主規制を進めるよう指導・監督する仕組みをつくること、などを求めた。 (中略)
 ゲノム医療についは厚労省が2019年に、遺伝情報の大規模データベースを作る国家プロジェクト「全ゲノム解析等実行計画」を開始。
 これに対し、癌の患者団体などが差別を防ぐ仕組みをつくるよう求めていた。

 (以上、朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 原左都子の私事及び私見に入ろう。

 そういえば、近年保険会社の疾患等による各種保険加入への拒否が緩和されている印象を抱く。 (とは言えども、私の場合医学関係者の立場で元々医療依存しない主義であるし、その恩恵もあり高齢域に達した現在尚、特段重い病にかからずに済んでいる。)
 過去に罹患した「皮膚癌」に関しては、ゲノム・遺伝情報どうのこうのが問題ではなく単に環境要因により発症した癌の事例であり。 既に全快しており、再発症の怖れもなく罹患後26年の年月が流れている。

 病気とはその種類によっては確かに「遺伝」がからむ問題であり、明らかに遺伝子要因により発症したものと推測できそうな疾患事例は多いことであろう。
 例えば「糖尿病」などはその最たるものかとも考えるが。

 現在は癌の患者団体などが、遺伝情報による不当な差別が起こらないよう国に求めているようだが。 国にはその整備を急いで欲しいものだ。



 最後に余談になるが。
 
 我が大学医学部恩師の医師N先生は感染症研究者でもあり、インフルエンザワクチン初期頃の研究開発者であられたが。
 そのN先生も糖尿病を患われたせいで、最期は感染症にて倒れ他界されたとの奥方氏の談話だった。

 感染症研究者にして感染症にて命を失われるとは何とも皮肉な現状と、我が心が痛んだものだ…