原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

またもや義母が「別の高齢者施設に転居したい」と泣きついてくる…

2021年11月16日 | 医学・医療・介護
 この義母からの訴えは、今回が初めてという事ではない。


 少し前の本エッセイ集内でも、同内容の義母からの訴えを取り上げた。
 その時の義母の訴えでは、自身が住んでいた地の近くに過去によく通った内科医院があり、そこの院長先生に親切にして頂いた。 その医院に付属高齢者施設があるからそこに入居したい、との訴えだった。

 その当時は義母の息子である亭主が、始めから義母の訴えを拒否したものだった。 その理由としてはその施設が存在する地が都心部であり、入居に高額を要する、というのが第一義だった。


 さて一昨日のことだが義母から電話があり、亭主が出た。
 別室で聞いていると、どうも電話の内容が深刻かつ複雑そうだ。

 後に亭主がその電話の内容を私に告げるには。

 「またもや、母が別の施設へ転居したいと言ってきた。 今度は、我が家の近くの施設に住みたいと言う。 理由はともかく、母が何度も同じことを訴えてくるので自分なりに考えてみた。 現在90歳だが、自分の推測では後数年で母は死に至るのではないだろうか? もしも、月々の費用が同等程度で初期入居金が不要な施設があれば、転居させてやってもいいのか?とも思い。 早速近くの高齢者施設へ電話で問い合わせをしてみたところ。 ちょうどその条件に合う高齢者施設が近くにあり、空室があって入居可能だとの返答だった。」


 ここから、私の激しい反論だが。

 「それは約束が違う。 そもそも我々夫婦は見合い結婚だが、義母からの要望で“子夫婦とは一生一緒に住まない”との契約で合意している。(要するに孫の面倒は一切見ない、とも解釈可能だろう。それは、こちらこそが快く同意したのだが。)  今回の義母の“我が家の近くに住みたい”との要求とは、すなわち我が家と頻繁に行き来したいとの意味合いだろう。 今更、それは私としては絶対的に勘弁願いたい。
 加えて、貴方(亭主)の予測は甘過ぎる。 現在義母は90歳だが、歩行がおぼつかなくて怪我の危険性は高いが、身体に難病等何らの疾患をも抱えていない。私の診断では貴方の母は100歳を超えて生きそうに予測する。 そうした場合、施設入居費に関してもそれ程甘くはないと考えるべきだ。
 それにしてもこの件に関して、私は言いたいことがある。 義母という人物とはそもそも主体性が無い人物では無かろうか? 
 若き頃には生まれ持っての美貌を活かして男にうつつを抜かしつつ、自身の趣味に励んでいたようだが、どうも私の判断では、本気で物事に取り組むとの経験が義母には不足しているように見受けられる。
 それが証拠に、義母の趣味(のはずだった)「料理」を現在の私の年齢よりずっと若い時点でやめて、高齢者宅食に切り替えているし。
 施設入居後は、何らの主体的行動を実施していないし。 
 新聞すら当の昔に読まなくなり、(難聴故に仕方がないのだろうが)テレビにすらまったく興味が無くなってしまい。 元々読書の趣味が一切無い義母は、もっぱら職務で多忙な施設の担当者を捕まえては話し相手をせがんでいる有様だ。 あれじゃあ、スタッフに嫌われて当然だろうし、邪険にされる運命にあるのだろう。
 だからと言って、施設を転居すれば“理想の世界”が待っている訳もない事実を、息子の貴方こそが義母に説得するべきなのに。
 義母の言うなりになって、我が家の近くの高齢者施設を探したなど、到底私は許容不能だ!!」


 その後、亭主とはこの話題に関しての話し合いは途切れているが。

 亭主も実に考えが甘いと感じるのは、現在義母が入居している高齢者施設へ支払っている費用額だ。
 当初、1000万円程の初期入居金(施設の主張では、その減価償却は既に終了していて残高無し、要するに退所時に返金無しとのこと。)に加え、月々30万円超の実費を収めている。 
 それを亭主も認識しているはずなのに、義母の転居わがままを聞いてやるとはあまりにも親孝行が過ぎるというより。


 過去に母親にお世話になった“息子”の特質なのか?? とも思えてくるなあ。

 娘の立場としては実母への思い入れなど何もないどころか。

 “死んだら骨ぐらいは拾ってやるよ” 程度のものなのだけど…