原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

子供に対する “性教育” の変遷

2021年06月01日 | 教育・学校
  (冒頭写真は、朝日新聞2021.05.29付別刷「be」 “サザエさんをさがして”の漫画を転載したもの。)


 このサザエさんの漫画、大傑作だと思いませんか?
 何度見ても、吹き出すでしょ! 😁 



 今回の“サザエさんをさがして”のテーマは 性教育 なのだが。
 そう言われてみると、「もはや戦後ではない」とのスローガンが掲げられた戦後時代に生まれた私は、学校で性教育を受けた経験が無いかもしれない。 あったとしても、忘却する程度の軽い内容だったのであろう。

 その授業を受けずとて実生活上特段困惑するでもなく、過ちを犯すでもなく健全に娘時代を過ごした感がある。 ??
 あっ、そうそう。 周囲に“間違いを犯した”友はいたなあ。 妊娠するべき相手でも時でもないのにそれをやらかして、堕胎の運命を辿ったのを傍観したことがある。


 現在27歳の娘に確認すると、中学生時に保健体育の授業にてある程度まとまった性教育授業を受けたという。 
 娘の場合女子中学校だったため、授業をやる側の教員もある程度やり易かったのではなかろうか?
 

 それでは、“サザエさんをさがして”「性教育」本文の一部を、以下に要約引用しよう。

 この漫画の掲載時の1969年秋、日本は団塊世代の結婚ラッシュで、空前の新婚ブームに沸いていた。
 そんな時に書かれたこの漫画、長谷川町子さんのギャグセンスには感嘆するが、「性教育」の観点で見ればどうなるのか。 
 某助産婦氏(29)によると、「まず何度も呼ばれたらハニカミながら、という言葉に時代を感じますね。 女性が性に対して恥じらいを求められ、控えめであることが当たり前とされていた時代だったんだと」。 ただ、その価値観は今も根強く残るという。 「性に積極的だとパートナーが引くのではないかと悩む女性は少なくない」
 更に、「何読んでるのッ」と怒ったサザエさんの行動も気になったという。「子供がアダルト動画を見ているのを知った今の親御さんんもとりがちな行動ですが、叱らず対話をして欲しい」 大人も共に性教育を学ぶ必要を説く。 「構えず日常の些細な出来事から子供の声に耳を傾けてほしい。性教育は自分らしく生き、人生を自分の意思で選ぶことを支える。」
 
 60年代は磯野家だけでなく、日本全体で性教育は低調だった。
 そもそも70年代まで性教育は「純潔教育」と呼ばれていた。 47年、旧文部省は「純潔教育の実施」を通達。 性教育に詳しい浅井春夫立教大学名誉教授によると、「戦後の性教育は性行動を抑制する道徳教育だった。 対象は女性で、男性は学びから除外されていた。」

 (以下略すが、以上、朝日新聞“サザエさんを探して「性教育」”より、一部を引用したもの。)


 
 私事及び私見に入ろう。

 上記引用文を読んで思い出したが。
 私が中学1年生頃だっただろうか。 恋愛ものの小説を読んでいたところ、父がやってきて「何の本を読んでるの?」と尋ねながら中身を覗きに来る。
 そして言うには、「そんなものを読んじゃだめ! 勉強に役立つものを読みなさい!」

 まあ確かに未だそういう時代背景だったのだろうが、我が父のその時代錯誤ぶりに私は呆れ果ててしまった。 未だ実体験に移すには早過ぎる年齢かもしれないが、本を読んで疑似体験することの貴重さをまるで理解していない父親に愕然とさせられたものだ。  特に父親とは娘の‘性関連行動”に母親よりも敏感なのかもしれないが。
 その後はやむを得ず、陰でコソコソと読むことを強いられる羽目となった。

 そんな経験がある私は、我が娘に対しての性教育は是非オープンを基本としよう!と目指していたのだが。
 (残念ながら発達障害の影響か、どうも我が娘には先天的に恋愛感情が欠落している模様で、未だその機会が得られずにいる… )
 ただ私とて40歳近くの晩婚だったことを思えば、(いやいや私自身は恋愛三昧を繰り返した挙句の果ての晩婚だったものの😝 )、娘にもその機会が訪れたなら、母の私が正当な性教育を施しつつ娘の恋愛成就を応援しようと、今尚志している。


 それにしても我が国における70年代の「純潔教育」、とんでも無さ過ぎて腹立たしいねえ!! 😠 

 そんな間違った性教育時代を政府・文部省が作り上げたからこそ、今尚この国の“性秩序”が乱れ果てているのではないのか!!?!😱