原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

レオパレス21施工不備問題、犠牲となるのはいつも弱者…

2019年03月26日 | 時事論評
 (写真は、我が家から目と鼻の先にあるレオパレス21賃貸物件。 現在解体作業中。 背後や周辺に存在する建物は今回のエッセイとまったく無関係です。 にもかかわらず画面に映ってしまっている事実をあらかじめお詫び申し上げます。)


 このレオパレス賃貸物件が建設されたのは、我が“あやふやな記憶”によればたった3~5年程前のことだ。
 我が家の南面バルコニーより展望出来るこの地は、都道路計画に引っかかっている場所だ。(小池都知事になった後、まったく計画が進展しないが…。) 

 現在解体中のレオパレスは道路計画地ではなく、道路が完成した暁には道路の面前に位置する事となる地に存在する。 この計画道路が完成(その目途はまったく立っていない事だろうが…)した暁には、東京メトロ沿線駅から徒歩5分圏内となり、都心の賃貸物件としてはおそらく立地条件良好な物件であろう。


 実は私がこの物件こそが“レオパレス賃貸物件”である事を知ったのは、昨日のことだった。

 いつもフルート練習音楽スタジオへ通う道中に位置するのだが、そう言えばレオパレス施工不正問題が発覚した2,3カ月前より引越が相次いでいた。 (度々引越車が狭い公道に停車していて、フルートを背負った私がその公道を通り過ぎるのに難儀させられたものだ。)

 
 そして、1週間程前から「解体作業」が始まった。
 当時レオパレス物件とは露知らなかった私は、(どうしたのだろう、こんな立地条件の良い新しい物件を何故解体しているのだろう…)との不可思議感と共に。 (それにしても解体作業を一目するに、何とも安普請の建物だこと。 素人目にも建物構造が安っぽく、直ぐに壊せてしまうような物件だったのだなあ…。)

 昨日フルート練習帰りに解体作業が終了している物件をじっくり観察して判明したのが、「レオパレス21」物件だったとのいきさつだ。


 ここでネット情報より、「レオパレス21 オーナーでつくる被害者の会」が早期補償を求めているニュースの一部を引用しよう。

 レオパレス21 「オーナーでつくる被害者の会」早期補修求める 2019年3月20日
 賃貸不動産大手の「レオパレス21」の建物に施工不備が見つかった問題で、オーナーでつくる「被害者の会」が会見し、会社側に対し不備の調査と補修を合わせて行うなどして違法状態を速やかに改善するよう求めた。
 レオパレス21の建物では、天井の耐火性能が法律の基準を満たさないなどの施工不備が相次いで見つかっていて、特に危険性の高い641棟に住むおよそ7700人が退去を迫られる事態となっている。
 会社側が18日、当時の社長だった創業者の指示のもと、設計図と異なる材料を使う方向性が示されたなどとする外部の調査員会の中間報告を公表したのに続き、20日はオーナーでつくる「レオパレス違法建築被害者の会」が会見を開いた。
 この中で被害者の会は、会社が行っている不備の調査に工事担当者を立ち会わせ、その場で補修を行うなどして違法状態を速やかに改善するよう求めた。また会見では、過去に不備が見つかり会社側が「補修した」としていた建物でも、不備が直っていなかったケースがあることがことし2月の調査で分かったと明らかにした。
 被害者の会の前田和彦会長は「入居者の方には申し訳ない思いで、1日も早く違法建築を解消してほしい。オーナーには修繕に立ち会うなど納得するまで確認してほしい」と話していた。
 レオパレスのビジネスモデルは。 レオパレス21は建物の所有者からアパートなどの賃貸住宅を一括して借り上げ、入居者にまた貸しする「サブリース」の大手。 相続税の対策などで土地の有効活用を望む地主らに対して、アパートの建築を提案し、建築工事も請け負う。 アパートを建築したあとは建物を一括してオーナーから借り上げ、入居者の募集を始めとする賃貸管理も行っている。
 会社側は入居者から家賃を集め、空室があるなしにかかわらず、建物のオーナーに対してあらかじめ決めた賃料を一定期間支払うため、オーナーにとっては安定した収入が見込めるというメリットがある。しかし、相次ぐ施工の不備で会社のイメージがダウンしアパートに入居する人が少なくなれば、会社から保証されている賃料がいずれは減額されるのではないかと不安を抱えているオーナーもいる。
 会社によるとオーナーの数は全国でおよそ2万7000人、3万6700棟の建物を管理しているという事だ。
 (以上、ネット情報より一部を引用したもの。)


 一旦、私事に入るが。

 (何度も公開して恐縮だが)この私も30歳独身時にマンション物件を単独購入し、その後独身のうちに自力経済力にてローン完済したマンション物件を、婚姻後20年間に渡り賃貸物件として運用した実績がある。
 そんな私も、結果としては“悪質入居者”に遭遇してしまい多額損失計上させられた後、2014年にオーナーチェンジ物件として売却せざるを得なかったとの失態を経験している。
 それでも我が経済面での人生プランに於いて、ちょうど売り時だったとも考察できよう。(この賃貸物件売却資金は、必ずや我が老後の資本として確保出来ている。 これがあるお陰で私は今後独り身となっても野垂れ死ぬことはないだろう。) 


 心配なのは上記レオパレス21物件に関し、レオパレス側から「相続税の対策などで土地の有効活用を望む地主らに対して、アパートの建築を提案し建築工事も請け負う。」との名目で“実質騙されてしまった”零細賃貸オーナー氏達の存在だ。
 これに関しては、過疎地の事例をテレビ報道でも見聞したが…。
 これが大都会の土地ならばいざ知らず、何故過疎地の土地がアパート建築で末永く有効活用と判断してしまったのだろう?


 ただこの問題、レオパレス21側に元々大いなる経営瑕疵があった事実が明白だ!

 ここは「レオパレスオーナーでつくる被害者の会」の早期補償が勝訴することを、私も願っている。