原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

塩を作る

2018年11月08日 | 雑記
 実は、私は塩の産地の出身だ。

 ただし、私が産まれた頃には既に“塩づくり”は行われていなかったかもしれない。??
 我が薄れゆく脳内記憶として、市内の海岸に程近い場所に「塩の博物館」らしき施設があり、そこを小学校の遠足や校外学習の形で何度か訪れた思い出残影があるのだ。 
 博物館とは言えども、決して今現在のような立派な施設であるはずもない。 薄暗い室内に、塩づくりをしている人物模型や使用した器具等々が展示されていて、子供心に“不気味さ”すら感じたものだ。

 先程、ネット検索してみると。
 我が出身地では、伝統ある“塩づくり”を受け継いでいる企業が存在するようだ!
 そのネット情報を、以下に引用しよう。

 鳴門の塩づくりの歴史は長く、その始まりは今から約400年前の慶長4年といわれています。 潮の流れが早く塩分濃度も高い清澄な海水に恵まれた鳴門は昔から塩づくりに適した環境であり、50年ほど前まで市内には広大な塩田風景が広がっていました。
 その塩田も今では製塩技術の進歩によって姿を消してしまいましたが、塩づくりの伝統は現在も鳴門塩業によって受け継がれています。 
 製塩方法は変わっても、従業員一人一人の塩づくりに対する真摯な姿勢、伝統を守っていきたいという想いは今も昔も変わりません。
 (以上、ネット情報より引用したもの。)

 一旦、私見だが。
 へえ、そうだったんだ! 今も尚、鳴門の塩づくりは後世へ受け継がれていたのだ。 それは実に素晴らしい事実だ!
 今度帰省した折には、工場見学でもさせて頂きたいものだ。
 加えて、鳴門の塩づくりは50年程前まで行われていたとのこと。 もしかしたら我が小学生時代に、(生産規模が大幅に縮小されていた事であろうと想像するが)実際に塩を作っている場面を見たのかもしれない! そう思い返すとそんな記憶が蘇りそうな気もする…。


 本日、(トランプ大統領に関連する“米国議会ねじれ”現象論評は専門家に任せるとして)何故“塩づくり”の話題をエッセイとして取り上げたかと言うと。

 言わずと知れているが、現在NHK連続テレビ小説「まんぷく」内で、“塩づくり”が取り上げられ始めたからに他ならない。
 その情報に関しても、ネットより引用しよう。
 安藤サクラ主演のNHK連続テレビ小説「まんぷく」は、11月5日から第6週「お塩を作るんですか!?」に入る。 福子たちは、克子の家を出て大阪南部の泉大津に引っ越す。 萬平は、旧陸軍が使っていたという倉庫から大量の鉄板を発見して……。
 戦後の混乱期で世の中に塩が足りないと知ったことをきっかけに、鉄板を使った塩作りを始めようと計画した萬平。 居候の神部は、従業員を集めようと奔走する。 連れてきたのは、14人もの若い男たち。 一緒に暮らす鈴の不満をよそに、福子はめいっ子のタカと一緒に、突然始まった集団共同生活を切り盛りして……。
 (以上、再度ネット情報より引用。)


 ここで、「塩」及び「塩づくり」に関するウィキペディア情報を引用させていただこう。

 (しお)は、塩化ナトリウムを主な成分とし、海水の乾燥・岩塩の採掘によって生産される物質。 塩味をつける調味料とし、また保存(塩漬け・塩蔵)などの目的で食品に使用されるほか、ソーダ工業用・融氷雪用・水処理設備の一種の軟化器に使われるイオン交換樹脂の再生などにも使用される。
 日本の塩事業法にあっては、「塩化ナトリウムの含有量が100分の40以上の固形物」と定義される(塩事業法2条1項)。
 塩は大きく分けて以下の4つの原材料から作られる。
 〇 岩塩
 岩塩を採掘する。  主にヨーロッパ・北アメリカにて行われる。岩塩はその昔、海であった土地が地殻変動により地中に埋まり海水の塩分が結晶化し地層となったものである。 岩塩の製法は溶解採掘法と、乾式採掘法に分かれる。 溶解採掘法は一度水に溶かし、煮詰めて塩を取り出す。不純物が少なく欧米では食用として一般的に用いられる製法である。一方、乾式採掘は直接掘り出す方法で、不純物が混じりやすく、また硬いので食用には適さない。
 〇 海塩(天日塩など)
 塩田において天日製塩法で作る。 西ヨーロッパ、メキシコやオーストラリアなど。 海塩は主に天日製塩法で作られる。 この製塩法は、海水を塩田に引き込み、1〜2年程度の期間で塩田内の細分化された濃縮池を巡回しながら太陽と風で海水を濃縮していき採塩池で結晶化した塩を収穫する方法である(メキシコやオーストラリア・ヨーロッパの沿岸地域に多い)。 尚、米国の一部の州や韓国では好塩菌混入などの問題から天日塩の直接の食用使用を制限し禁止している。
 〇 海水
 海水をいったん濃縮した後に煮詰める。イオン交換膜製塩法・揚浜式製塩法・瞬間結晶など。
   ( 中略。)
 日本では岩塩としての資源がなく、固まった塩資源は採れない。 また、年間降水量も世界平均の2倍であることから日照時間が比較的長い瀬戸内地方や能登半島など、一部地域以外は塩田に不向きである。 このため、塩を作るにはもっぱら海水を煮詰めて作られる。 これは、天日干しに比べて、燃料や道具などが必要になるためコストがかかり、大規模な製塩には向かない方法である。そのため自給率は食用塩が85%であるが、工業用を含めると全消費量の85%を輸入に頼っている。
 海水から製塩するには、直接海水を煮詰めて食塩を得るより、一度、濃度の高い塩水を作ってから煮詰めたほうが効率が良い。 この濃い塩水を「鹹水(かんすい)」と言い、この作業を「採鹹(さいかん)」、また煮詰める作業を「煎熬(せんごう)」という。
   ( 中略 )
 塩の製造販売の自由化以降は日本各地で流下式といった過去に行われていた製法が復刻され、水分を瞬間的に蒸発させる加熱噴霧といった新しい製法で作られる塩も流通している。
 JAS法に基づく必要表示事項の表示(枠内表示)について、「名称」「原材料名」の記載を標準化し、消費者にわかりやすく表示する。
 (以上、ウィキペディア情報より一部を引用したもの。)


 今回のNHK朝ドラは、(前回の作品があまりにも手抜の駄作だった故かもしれないが)、随分と丁寧に制作しているとの感覚が私にはある。

 現在放映中の“塩づくり”に関しても、萬平氏が取り組む「海水を用いた製造過程」を実に丁寧に描きつつ、ドラマを進めている事実に感銘を受ける。

 どうかこのままNHK朝ドラは決して制作を“手抜き”することなくして、ドラマ展開を続行して欲しいものだ。
 福子夫婦の行く末はともかく。

 “塩業”とゆかりがある地に生を受けた原左都子としては、萬平の“塩づくり”の成功or失敗?の決着”をとりあえずこの目でしかと見届けたいものだ!