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四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

五~六枚付けの新子が三枚になりました。徐々に大きくなり9月上旬、丸付けのほうが味がしっかりして好きという方も多いです。

4月8日(火)

2025-04-08 19:46:00 | 4/1~4/30


野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
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おかみノート
主人の実家はお寿司屋さん。私はなんにも知らないドシロウト。
今まで見たり聞いたり体験した 寿司屋のいろんなことを書いておきたいと思います。

『オカアチャン<後編>』
一番町の交差点はパトカーと人で溢れかえっていた。
目を凝らしても主人がどこにいるのかわからない。苛立ち始めた時、横から声をかけられた。
「あ、カメちゃん、こっちこっち!」
鮨雅でいつもお会いするご夫婦だ。ご夫婦の足元にはアスファルトに座っている主人がいた。
「のんちゃんね、酔っ払いの若い人にからまれちゃったみたいで…私たちもたまたまコンビニに来たらのんちゃんがすごい顔だったからビックリして、とりあえず冷やすことくらいしか出来なくて・・」
ロックアイスを袋ごと片目に乗せている主人が言った。
「らいじょぶ、らいじょぶ、ちょっと冷やせばよくなるから。オレさ、店休むわけいかないから、顔らけは守ろうろしれさ、手れ覆っらのよ。れも、何人かに思いっきり蹴られれらから、グーッろ手に力入れれさ、今気付いらら、指が曲がっちゃっれれさ、力、入んないんらよ。オレ、今顔ろうなっれる?鏡見らいな、血は出れないんらけろさ、顔見らいよ」
そっと氷の袋を外してみると、腫れ上がった顔が出てきた。
歯も見ただけではわからないが、喋り方からしてもダメージを受けているのはわかった。
そして手を見ると、小指がぷらーんとありえない方向を指していた。 
関節が外れて直角に外側を向いていた。
かなり長い時間頑なに同じ体制を維持したせいか、手も、首も、肩も、プルプルと小刻みに揺れていた。
「…誰がやったんですか」
ご夫婦に訊いた。
「あそこのパトカーのところに立っている男の人たちがいるでしょ。駐車場の脇で事情聴取されている・・」
「…ノヤロォォォォォォ――――――――――――ッ!!!!!!」
人垣と警察官を押しのけて、二人の男に飛び掛ろうとした。
その瞬間、誰かに後ろから羽交い絞めにされた。
すぐ目の前に加害者がいる。でも手が出せない。耳元で男の押し殺す声が聞こえた。
「警察です。気持ちはわかるけどあなたがここで何かをしても事態は変わらない。いや、悪くなるだけです。堪えなさい、収めなさい」
「離せ、はなして下さいっ」
「ここは落ち着いて、あとは出るべきところで解決すればいいんだから・・」
「るせぇっ、ふざけんな―――――ッ!お前ら聞け―――――ッ!!板前はなー、手が命なんだよ!手が使えなくなったらどうしてくれるんだよッ、えッ?何とか言えコノヤロウ、寿司が握れなくなるんだよ!手が大事なんだよ!メチャクチャにしやがって!!わかってんのかコラ!!わからないなら指へし折って同じ目に遭わせてやるからこっち来いオラ!!!」
そいつらを目の前にして、声が出なくなるまで叫び続けた。
「・・はいはい、もうわかったから。ね、何か身元がわかるものある?」
「…私の、ですか?」
「そう」
腕を解かれたので、興奮を鎮めるように息を無理にゆっくりしながら免許証を取り出した。
「はい、ノガミユキコさんね、・・はい、はい、と」
本当に頭にくると、こめかみがピクピクして脈が速くなり足が冷たくなる。
体中の血が頭に昇り頭が重くなっている。 ボーッとしているが体が怒りで勝手に震えている。
どうしようもできない。そのスーツを着た刑事らしき人が免許証の番号を手帳に書き込んでいるところを呼吸をしながらただ見ていた。
後ろから誰かが声を掛けてきた。
「あ、いたいた、○○さーん、救急車乗るから、一緒に!早く」
するとその人は手帳を胸ポケットにしまい、救急車に向かって駆け出した。
そして手招きをしながら私に向かって
「ほら、オカアチャンもこっちこっち」
と言った。
(・・オカアチャン?奥さんのことをオカアチャンと呼んだりする刑事さんなんだな。まったく、しょうがないな)
心の中で思いながら救急車の後ろの部分から乗り込むと、既に主人が座っていたので声をかけた。
「とにかく指があってよかったよ。ナイフとか持ってる人だったら危なかったよ。これはもう不幸中の幸いだと思おう」
“慶應病院、慶應病院”という声が救急隊の人、運転手さん、刑事さん二人の間で飛び交うと、じきにサイレンを鳴らして出発した。

救急外来の入り口から入るのは初めてだった。
待ち構えていた病院の方々に主人が連れていかれるのを見るとあとは待合室で待つしかなかった。
そうだ、自宅にいる義父に電話をしなければ。公衆電話があるところに行き、数回のコールを聞きながら繋がるのを待った。だめだ、出ない。きっと寝ているのだろう。
前回上京した時も救急車騒ぎがあった。その時は心臓発作だった。
清二さんの家に泊まりに来ていた義父が苦しそうにしているのを甥っ子が発見し、ママであるお義姉さんに伝えてすぐ救急車を呼んで助かった。
もしこれで電話が繋がって、息子が救急車で運ばれたことを知ったら・・義父がショックを受けてまた発作が起きるかもと思うとそれも心配だった。どうしたらいいのだろう。
ひとりで悩んでいると先ほどの刑事さんたちが私の目の前に来た。長椅子から思わず立ち上がった。
「この度は大変なことになってしまいましたね。こんな時にアレなんですが、お母さんね、息子さんの怪我の経緯についてちょっと話を聞きたいんでね、いくつか質問させてもらっていいかな?」
「息子!?」
「息子さんじゃないの?」
「ちがいますよ!」
私が憮然としていると、若い方の刑事さんがその人にすぐ耳打ちをした。
「・・あ?あーぁ、お姉さんだ、お姉さん!弟さんの怪我のことでね・・」
「あの、弟でもないんですけど」
二人の刑事さんが向き合って首をひねっていた。
「ちょっと待ってよ、・・お母さんでも、ない。・・お姉さんでも、ない。え?身内の方でしょ?だって名前は同じ “ノガミ” だもんねえ。じゃあ、あなたここまで一緒にくっついて来て、一体何なんですか?」
「何なんですかって・・あの、一応これでも “妻” なんですけど」
「う゛ぇえええ―――?奥さん!?奥さんなのっ?」
同時に二人が叫んだ。
いくら家からツッカケで飛び出して来たとはいえ、髪の毛ぼーぼー、首が伸びたTシャツ、ダボダボの短パンだからとはいえそれはないんじゃないかと。さっきの免許証確認は何だったのか? いくら学年が三つ上でも “妻です”と言って “う゛ぇえええ――?” とまで言われる筋合いはないのだ。救急車に乗る時 “オカアチャン、こっちこっち”って呼んだのは母親としてだったのか・・
簡単に事情聴取をした後、二人の刑事さんは私から一番遠い長椅子に腰を掛けて主人が出てくるのを待っていた。
緊迫した空気を破って鮨雅の親父さんが片手にヘルメットを持ってやって来た。
「のんちゃん大丈夫か?」
「あ、親父さん!いま治療中です」
「いやー、帰るときバックミラーになんか映ってたんだよ。のんちゃんはちょっと見えなかったけど他のやつらがさ、誰かに話しかけられてたのが見えて、あ、何だかやな雰囲気だな・・って思ったんだけど、そのままアクセル入れちゃって・・あの時引き返してればよかったな」
「そんなのわからないんだからしょうがないですよ」
「ん?カメちゃんなんか顔色悪いけど大丈夫か」
「大丈夫じゃないですよ。・・いろんな意味で」

昼休みのオフィスは人影もまばらだった。
いつも早く席に戻っている人たちと電話当番の人だけがパソコンに向かっていた。
自分の席の下にカバンを置いてアロエヨーグルトが入ったコンビニの袋だけ持って仕切られているブースをいくつか覗いた。
「あ、カメちゃんおはよう」
いつもお昼を食べているメンバーがいた。デザートも食べ終わろうとしている。
「来るかと思ってお茶入れといたから飲みなよ」
四人掛けのちょうど空いている席に座ると、どっと疲れが出た。
紙コップのぬるいお茶をひとくち飲んだ。
「昨日はお義父さんと晩酌したの?」
「お寿司屋さんに行ったんでしょ、どうだった?」
この十二時間に起きた出来事の何から話そう・・時計を見ると休憩時間はあと十分を切っていた。歯磨き時間を考えるともう立ち上がらなければならない。
「う~ん・・いろいろあリ過ぎてさ、ちょっと語りつくせないから明日ね」
皆の反応はだいたい予想がつく。 
主人の怪我のことは本当に心から心配しつつ・・私が “オカアチャン”に間違えられたことをどうにも堪え切れなくて笑ってしまうだろう。
ぜひ笑ってほしい。
その方が少しでも気持ちが紛れるから。

明日は『五つの“り』『掴みのシャドウ』です
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1dayアーカイブ2024年~2001年4月8日のおしながき
[2024年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[春分・第十二候・雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす]3/30~4/3
・長崎 佐世保 天然 鯛の子 今、店
・久しぶりに北海道 厚岸 ホタテ貝 今、店
・秋田 男鹿半島 本桜鱒(ホンサクラマス) 今、店
・静岡 由比 桜海老(サクラエビ) 今、店
・神奈川 佐島 オニカサゴ 今、店
・北海道 野付 厚岸 選り抜きコバシラ 今、店
・新蕗の青煮(翡翠煮)作りました
・千葉 勝浦 金目鯛 今、店
・富山 スルメイカの塩辛 今、店[2023年][2022年][2021年][2020年]新型コロナウイルス感染の影響を鑑み、4/5(日)~4/12(日)まで休業致しました。
[2019年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[春分・第十二候・雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす]3/31~4/4
[清明・第十三候・玄鳥至つばめきたる ]4/5~4/9

・富山新湊 白エビ 今、豊洲 今、店
・青森八戸 むらさきイガウニ 今、店
・シーズン初 活けホタルイカ富山滑川 今、豊洲[2018年][2017年][2016年]サクラマス、秋田、山形ではなく函館でした。[2015年]

005 今、築地006[2014年]白海老、すべてヒゲ・アタマ・殻を取りました。
003[2013年]かんぴょう巻の断面と向かい合って右から新海苔A、B、C、そして現在の海苔で巻いたものです。食べ比べてみて答えは出ました。四月中旬から下旬に到着次第切り替え予定です。

012[2012年]タイラ貝、青柳、



001_2



アジ各種、

春子鯛、〆鯖、

004_2 おおめますルイベ、シマエビ、穴子(対馬)、

005 本マグロ(静岡・須崎)、メジマグロ、生利ぶし、



石鯛、マコガレイ、



熟成が進んだ平政、 すみいか、010_4



コハダ(佐賀)



、煮蛤、011



そして、瓶に入れただけの無添加のむらさきうに。



すべて気合の仕入れです。

仲買さんとの信頼関係あっての仕入れです。

初鰹は冷ケースではなく、冷蔵庫に仕舞ってあります。

012



[2011年]ひかりモノが揃いました。春子鯛、サヨリ、あじ、サバ、いわし‥そしてコハダ。今日のコハダは長崎で、この時期では驚くほど小さめな一尾(枚)で一貫分握る、丸付けサイズです。010_2

ヤリイカは活けのまま仕入れています。
サザエは千葉・富浦から。一個全部お刺身でも壺焼きと半分ずつでも丸ごと壺焼きでもお好きな感じをおっしゃってください。ちなみにサザエの壺焼きの貝殻の奥に詰めるワカメ、今日はこの季節ならではの生ワカメ(三浦半島・佐島産)です。



Photo



[2010年]キスとサヨリ、どちらもさっぱりとした感じの魚でいずれかひとつでもよさそうなものをこの小さい店であえていっぺんに並べてしまうのが当店流です。003

とりっぱなし、瓶に詰めっぱなしのむらさきうにです。ミョウバンが入っていないので形は崩れますが味は主人の保証付き。

004 とり貝が殻に入ったままネタケースにあるすし店は稀だとお聞きします。剥いてお出しするのに少々時間は掛かりますが、殻から外したての風味はかなり感じていただけると思います。今年はとり貝の出回っている数が少ないと主人は言っています。

めいたガレイは愛媛から肉厚のものが入りました。江戸前はまだ厚みが少なく、これからだとのことです。

001

[2009年]白身が四種揃いました。003 005 002_2



004今日は佐島のたこを煮ます。(足のみ)



012



 



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