四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

冬から春が旬である貝がそろそろ終盤、初鰹・鰈・鱸・鯵など夏の魚が出てきました。

第391回にちよう☆ひるのがみ(お子さんデー)

2024-01-14 01:37:56 | 1/1~1/31


野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
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1dayアーカイブ2023年~2001年1月14日のおしながき[2023年][2022年][2021年]店主発熱のため、本日は休業させていただきます。午後病院に行きますので明日以降のことは追ってご連絡いたします。 [2020年]


[2019年]
のがみのシャリの話
 “シャリ炊きと魚の仕入れはどんなに忙しくても他人に任せず店主がやれ”というのが修行先のオヤジさんの言葉でした。主人はその教えを守り毎日築地に行き魚を仕入れに行きます。そしてシャリを炊きます。(火~土は15:40頃、日曜日は9:20くらい)米を研ぐ一連の動きはつねに同じです。何回水に浸して何回手で研ぐか。手で触った時の米の状態を全身で感じながら炊く時の水加減の微妙な差異を決めていきます。晴れ、曇り、雨なども水加減に影響します。自分の思い描くシャリにするため、微調整にすべての神経を集中させます。実はいろいろな仕事がある中でシャリ炊きが一番むずかしいのだそうです。002数年前、取引先のお米屋さん『米マイスター麹町』の社長さんに当店のシャリについて取材させて頂いたことがありました。その時のものです。***開店の時からお世話になっているお米屋さんに行ってきました。001水分計(左)と白度計(右)を見せてもらいました。


水分計は写真のようにお米をプレートにのせ、右横から差し込みハンドルをひねって圧をかけて測ります。この時お米が砕ける音が聞こえました。サンプルで測ったお米は水分量が14.4%でした。14.0%を超えるものが多い中、当店で仕入れるお米は13.8%から14.0%くらいのものです。乾燥してくるとうまみが出て米がしっかりしてくるのだそうです。新米のように水分を多く含むお米はすし米としては適しておらず、低温倉庫で時間をかけて寝かした状態のものを使います。

白度計はお値段が張るので持っていないお米屋さんもあるのだとか。主人も水分計は知っているけれど白度計は初めて見たと言っていました。所定の位置にお米をセットして(水分計のプレートの8倍くらいの大きさ)測るのですが、このサンプルのお米の40.9度というのは白過ぎるのだそうです。37度あれば合格ライン、38~39度というのがポピュラーなところだそうです。社長さんは複数の品種をブレンドする時に色を合わせるためのチェックや、新しい品種や産地の状態をみる時に使ったりするとのことです。現在使っているお米はコシヒカリとササニシキで6:4のブレンドです。コシヒカリだけですし米に仕上げると粘りが出やすくなりますので、主人はササニシキを混ぜ、炊いた時にサラリとほどけるようなシャリになるよう配合してもらっています。004_3

社長さんが設定する当店用の歩留まりの数値(精米歩合)は89%が基準だそうで、コシヒカリ、ササニシキが最終的に同じような仕上がりになるよう別々に精米機にかけ、わずかな白さの違いや胚芽の取れ具合などをみて微調整をしながら精米を行ってくれているのだそうです。

   米マイスター麹町  千代田区麹町2-6-10 

       いつもお世話になっているお米屋さんです。004_2

おかみノート  『シャリ』

店のオープン日を決めたあと、主人がまず始めに取りかかったのは、シャリのことだった。実家の寿司屋は福島に移ってしまっていたので、東京に馴染みのお米屋さんもなく、一人で思案しているようだった。「とにかく親父に訊いてみる」受話器を取った主人は、お父さんにシャリの配合を尋ねた。「どうだった?」話を終えた主人に声を掛けてみると、「“コメ?どうだったっけかなぁ~…”とか言ってさ。ダメ、話にならない」オープンまで日もないので、考える間もなく主人は知り得るお米屋さんを一軒ずつ訪ね、試作サンプルを取り寄せ、試し炊きを繰り返した。「水分が何パーセントかが知りたいんだよな。来週実家に帰るから直接米屋さんに訊くわ。親父のところのヤツ、水分計で測ってもらう」実家に帰った主人は、早速お米屋さんを訪ねて訊いた。すると、「あのな啓三、それは秘密だ。のんちゃんと俺との間で始めに米の水分量とか配合とかどうすっかってのを決めてんの。だからよ、たとえ息子であっても、教えるわけにはいかねぇの」お米屋さんからそう言われて、主人は腹を括ったようだった。それから東京に戻ってすぐに自らの腕を頼りに試行錯誤し、オープンの日には“これが自分のシャリ”というものを作り出した。4年半経った今でも主人はたまに言う。「親父は俺にわざと教えなかったのかな。自分でやれってことで」お父さんは手伝いに来ていた1ヶ月のあいだ、「啓三の指示に従う」と言って、黙々と手を動かしていたことを思い出す。

002_3にぎりを食べた時、サラッとしたほどけ具合を狙うところからコシヒカリとササニシキを6:4でブレンドするのがみのシャリです。米の水分も多いとベタッとするため新米は使いません。低温貯蔵で時間をかけて乾燥させたものを使います。米マイスター麹町の社長さんは「ブレンドも技術が要る。どこをすくってもコシヒカリ6:ササニシキ4になってなければいけないから」と言って米専用のブレンダーを見せてくれました。お米を研ぎ水加減を調整し、炊きあがったら酢合わせです。当店のすし酢は二種類の酢・塩・砂糖だけです。001_2お酢はヨコ井の酢『大吟(だいぎん):右側の色が濃い方』と『水仙(すいせん)』を使っています。シャリの合わせ酢はこの二つを混ぜて使います。暑い季節は【大吟9:水仙1】、一番寒い時は【大吟8:水仙2】、あとはその時々の状態を読んで9:1と8:2の間を微妙に調整していくのだそうです。旨味調味料、保存料、一切入っていません。四谷三丁目すし処のがみのシャリ、私は本当においしいと思います。おかみノート  『釜底のにぎりめし』003_3

小さい時に食べていたものの話になった。「幼稚園か小学校の頃だったかなぁ。一階が店で二階が自宅 だったからシャリが炊き上がるところをたまに見てたんだけど 蓋を開けると湯気があがってさ、おふくろか板前さんが柄の長い おっきな宮島を立てて釜の縁をこう、ザッザッと剥がしていくんだよ」「宮島って杓文字のこと?」私が訊くと主人は答えた。「そう。で、縁をぐるっと剥がしたあとにさ、縦にした宮島で真ん中に バッテンの跡をつけるの」「バッテン?」「飯切りにガバッとあける時に何升もとなるとそうしてあるだけで 移しやすいんだよ。で、釜をひっくり返してポンポンとやると出る」「へー」「底のほうはちょっとおこげみたいになってるのね。わざとガスを もう一回点けてガーッて加熱して・・ほら竃で炊く時に最後に 藁をくべるでしょ、あんな感じで。底の部分のメシはパリッとして いるからシャリにはならなくてさ、そこにおふくろが醤油ぶっかけて 一気に混ぜておにぎりにするんだ。おかか混ぜたりしてね」「すごくおいしそうだね」「まぁね。でも寿司屋の倅だからそればっか食っててさ、いい加減 飽きるよ。・・・あーでももう相当しばらく食ってないなー」懐かしそうに主人は言った。
おかみノート  『しろ』001

中に何も入れない巻き物がある。
当店では「しろ」と呼んでいる。
海苔と酢めしだけ六つ切りにしてお出しする。
「何か変わった巻き物を」と言われると主人はこれを巻くことがある。「・・・?」
お客様は訝る。
ひとくち口に入れ
「!」
に変わる。
うちのシャリと海苔だからこの巻き物がおいしいのかそれはわからない。
直球すぎて戸惑う人もいるかもしれない。
でもある意味これはうちの店の真骨頂かもしれない。
[2018年][2017年][2016年][2015年][2014年]

004



001[2013年]昨日と一昨日出ました白魚(シラウオ)、宍道湖と熊本・八代からです。<しらうおについて>形や大きさはまったく違うが、さけやますに近い魚で、海水と淡水の混ざり合う汽水(きすい)湖や河口にすみ、産卵期になると川へ上り、一年で成熟する。かつて隅田川の水がきれいだった頃には、この川にもしらうおが上ってきて、江戸の春の名物だった。弱い魚で、市場には氷で冷蔵されて出回るが、鮮度が落ちると味も極端に落ちる。一般には釜揚げや丸干しが出回り、近年は中国の揚子江(長江)産のものが多い。しらうおは骨ごと食べられるのでカルシウムが豊富。<食べ方・扱い方>しらうおは、やや青みがかった透明感があり、目が黒く澄んでいて、ピンと粒立った、鮮度のよいものを選ぶ。とびきり鮮度のよいものは、そのまま刺身として食べるのが最高においしい。普通は卵とじ、椀種、茶碗蒸し、酢の物、天ぷらなどにする。西洋料理ならから揚げにすることが多い。水洗いするときには塩水か薄い玉酒(水3対酒1)に少量の塩を入れたものを用いる。<産地>北海道から九州まで分布し、内湾の汽水湖や河口にすみ、春になると川を上る。主産地は霞ケ浦、宍道(しんじ)湖、有明湾など。<旬>冬から春食材クッキング事典(学習研究社)しらうおのページより001

[2012年]

土佐清水の寒ブリ、14.8kgです。

 

今年富山・氷見の寒ブリは8kg~9kgくらいのものが多いらしく、主人は「10kgいってないからね、ワラサって感じだよね。今年はオレの感覚ではブリ終わるの早いかも‥って思う」と言っていました。

根室のスペシャル白子ですが、今年はおそらく出ないのでは‥とのことです。

010

 

[2011年]スルメイカ、伊豆下田からです。主人が仕入れるのは青森だけじゃありませんでした、申し訳ありません!

あんきもは三浦半島佐島の生わかめをサッと湯がいて添えます。塩蔵ではなく生のわかめが出回るのはこの二か月くらいでしょうか‥

わたしの魚(ウォ)キペディア 第37回 するめ007

スルメイカ。
とても馴染みのある食べ物です。
子供の頃はスルメかモンゴくらいしか種類を知りませんでした。
モンゴ、モンゴと呼んでいたのは紋甲(もんごう)イカのことだったと数年前に知りました。
モンゴは給食で出ました。
モンゴイカの味噌漬け焼きです。
皮が噛み切れなくて、ゆーとぴあのゴムパッチンみたいになりながら食べていました。
スルメイカのお刺身、里芋と大根と煮たもの、イカフライ、天ぷらなどは家庭で出ていましたが、
お店で初めてスルメイカのお刺身を食べたのは主人の先輩が経営している寿司店でした。
その先輩は包丁の先でスッスッと半透明のスルメイカを切っていきました。
「イカってヤリとかスミとかアオリとかいろいろありますけど、なんだかんだいって自分はスルメが一番好きなんですよ」
と、ちょっと嬉しそうに言いました。
噛むとほんの少しだけクセというか酸味というか、力強さみたいなものを感じました。
いままで私が食べたことのあるイカ刺しの、さらにおいしいバージョンでした。
「食べ慣れているというのが大きいかもしれませんけど、私もスルメイカが好きです!」
と言いました。
主人はスルメイカをほとんど仕入れません。
ですが冬、青森産で気に入ったものを見つけるとごくたまに仕入れます。
お刺身でお出しします。
それと同時にワタがパンパンに入っているのでそれを塩辛にします。
厨房で塩に覆われているワタを見かけると
「あ、塩辛作ってるんだ」と、
なんだか嬉しくなります。



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[2010年]「そろそろカワハギが終わる頃だ」と主人は言っています。ちなみにブリは節分を過ぎたら当店では仕入れません。そろそろ寒ブリはシーズン食べ納めになりそうです。

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[2009年]今日もまた立派な帆立が入りました。003 白子は根室、根室スペシャルです。略して“ねむスペ”、一月いっぱいで終わりになりそうです。004

 

小さいにしんを〆たものがあります。にしんが出てくると春が近づいてきた感じがします。002

 

あじは和歌山・箕島です。006 夕方、小柴のタコを煮ます。(足のみ)

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