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日本男道記

ある日本男子の生き様

難波 3

2025年04月15日 | 土佐日記

【原文】 
八日。なほ、川上りになづみて、鳥飼の御牧といふほとりに泊まる。
今宵、船君、例の病おこりて、いたく悩む。
ある人、あざらかなる物持て来たり。米して返り事す。男ども、ひそかにいふなり。(『飯粒して、もつ釣る』とや」。
かうやうのこと、ところどころにあり。今日、節忌すれば、魚不用。

【現代語訳】
八日。やはり、川上りが難行していて、鳥飼の御牧のほとりに泊まることになった。今夜、船君は、いつもの病が起こって、たいそう苦しむ。
ある人が、鮮魚を持ってきた。お返しに米を持たせた。男たちが、陰口を言う。「『飯粒でもつを釣る』とか言うような」と。
このような(対等ではない物々交換)ことは、旅の途中、所々であった。今日は、節忌をしたので、魚は不用だったのである。

◆『土佐日記』(とさにっき)は、平安時代に成立した日本最古の日記文学のひとつ。紀貫之が土佐国から京に帰る最中に起きた出来事を諧謔を交えて綴った内容を持つ。成立時期は未詳だが、承平5年(934年)後半といわれる。古くは『土左日記』と表記され、「とさの日記」と読んだ。 

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